人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ブログ開設半年を経て~閲覧の皆様への感謝とブログの方針

ブログ開設半年を経て~閲覧の皆様への感謝とブログの方針_a0151913_2151977.jpg
デナリ(札幌・円山動物園)の母シヌック
Photo(C) Rick Egan/The Salt Lake Tribune (ソース)

このブログを開設してから半年が経ちました。 当初はホッキョクグマの話題などそれほど多くはないだろうと思い、週に2回ほど更新すれば上出来と考えていましたが、やってみると次から次へと国内外のネタが全く尽きることがありません。それもこれも、世界中でホッキョクグマに対する関心が近年高まり、ニュースも増えていることが理由でしょう。 ひっそりと開設したこのブログでしたが、幸いなことに(?)アクセスしていただいている方々の数は当初からは若干増えているようで、そうした方々には厚くお礼申し上げます。

この半年の間に、北海道の4園のホッキョクグマ再配置計画が実行に移され、この過程を追いかけることに相当の時間を費やしました。また、ここ数日は札幌のララとピリカの同居のように、以前は想定しにくかった状況も生じ、現在それを追いかけている最中でもあります。 さらに、この半年の間に海外には4回出かけ、そのうち4都市(プラハ、上海、サンクトペテルブルク、モスクワ)でホッキョクグマを訪ねています。相当に忙しかった半年でした。今年の後半は、国内では比較的楽になるでしょう。北海道の3つの動物園では秋から雌が出産準備に入るでしょうし、本州の動物園でも出産の可能性のある雌がいないわけではなく、来年1月までは朗報待ちの状態が続きそうです。そういった合間を縫って、今年後半はまた4~5回海外に出かける予定です。

私がここを開設した理由の一つとしては、動物ファン(ホッキョクグマファン)の方々との交流を目的としたものではありません。以前からホッキョクグマに限らず多くの「動物(園)ブログ」や、動物園サイドの情報ページを閲覧してみて、私としては全然違う内容のことをやってみたいという欲求を感じたためです。見ず知らずの方々によく動物園で言われることがあります。それは、「何故一眼レフで撮った写真をアップしないのですか?」とか、「一眼レフで撮ったロシアのホッキョクグマの赤ちゃんの写真を是非見せて下さい。」とかいうようなことです。こういった御質問に関しては以下のようにお答えしておきます。それは、このブログは動物写真のブログではなく、ホッキョクグマに関する言語情報(文字情報)を紹介・発信するブログだと考えているからです。たとえば、ネット上に100人の方々の撮った100枚のピリカの写真があるとします。どれも美しくて素晴らしい写真ばかりで、私も毎日十分堪能させていただいています。ですから101人目の私の撮った101枚目のピリカの写真は必要ないということです。旅先では全て携帯電話のカメラで撮影した写真を使用する理由は、それが便利だからという理由などではなく、ここは動物写真のブログページではないということを明確に姿勢として示すためです。あれらの携帯電話のカメラの写真は全て、「写真」ではなく旅日記の「情景メモ」として使用しています。

ホッキョクグマの生態は危機に瀕しています。世界中の動物園は協力して彼らの繁殖のために全力を尽くさなければなりません。日本の動物園は海外の関係機関との協力が不可欠な状況です。私たちホッキョクグマファンはもっと海外の状況に目を向ける必要があります。彼らの生存を確保するためにはどのようなことが必要かを考えねばなりません。飼育担当者の言うことは本当に正しいのか、動物園当局の言うことは本当に正しいのか、そういったことを、データと根拠を問いつつ海外の例と比較しながら検証してみたいと思っています。さらに、世間一般の動物ファン(ホッキョクグマファン)の間で常識となっていることもcriticalな視点で再検討してみたいとも思っています。こういうことが、私たちがホッキョクグマを一日でも長く動物園で見続けることに少しでも寄与できればというのがこのブログページの願いでもあります。ですので、ホッキョクの末長い繁栄をもたらさない意見や考え方に対しては、相当ハードな内容の批判を躊躇なく行うつもりです。

それからもう一つ。私たちが動物園で見たり写真を撮ったりしているホッキョクグマですが、その彼らを生み母乳で育てた母親が存在し、生まれた場所(動物園)が存在し、そして生まれたばかりの彼らの幼い姿の可愛さに魅了され歓声を上げたその街の子供たちが存在していた、という事実を忘れてはならないということです。彼らは、そういった彼らの母親、生まれた動物園、その街の子供たちに別れを告げ、飛行機やトラックで何時間も運ばれて現在暮らしている動物園にやってきたのです。黙して語らぬ彼らにかわって、彼らの歩んできた軌跡、生き様も可能な限り紹介していきたいというのも私の考えです。たとえば、冒頭の写真、これは札幌・円山動物園のデナリの今は亡き母親シヌックの写真です。デナリはアメリカでこの母親から生まれ、そして育てられました。しかし、この母親シヌックは不幸な死をとげました。この母親あっての、あのデナリなのです。そういったホッキョクグマの「家族の歴史」も調査し紹介していきたいと考えています。そのためにも、日本の動物園で飼育されている若い雄のホッキョクグマのルーツであるモスクワやサンクトペテルブルクで、彼らの母親・父親と会い、育った場所を確認する旅は、しろくま狂にとっては不可欠なのです。

このブログは今後ますます、ネット上の多くの既存の動物(写真)ブログとは全く異なる方向に行くことになります。

今後ともよろしくお願いいたします。

*(参考)
「偉大なる男」デナリを生んだ「偉大なる母」の姿
デナリの義父の悲劇的な死の真相 (前)
デナリの義父の悲劇的な死の真相 (後)
by polarbearmaniac | 2010-06-18 09:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索