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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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ハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱

ハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱_a0151913_1956434.jpg
レディ Photo (C) AP

ハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱_a0151913_19573591.jpg
ヴィタス Photo (C) AP

先日報道されたニュースで49歳になられる女性の衆議院議員の方が、体外受精による妊娠の事実を公表されました。ご本人の「生みたい」という凄まじいばかりの執念は伝わってくるのですが、こう言ってしまってはご本人に大変失礼であることは十分承知の上で申し上げれば、同情以上に私には何か物悲しさを感じてしまいました。

相性がよいにもかかわらずホッキョクグマのペアに長い期間に子供が生まれない場合、切実に繁殖を願う動物園担当者としてはどうするでしょうか。いかんともし難い焦燥感に襲われるのは当然としても、ではいったいどうすればよいのでしょうか? ペアを変えてみる前に何かできることはないのか....そう考えたのがハンガリーのブダペスト(ブダペシュト)動物園だったのでした。この18歳の雄のヴィタス(Vitus)と19歳の雌のレディ(Lady)は1994年以来このブダペスト動物園でペアを組んできました。ヴィタスはドイツのケルン動物園の生まれ、レディはこのブダペスト動物園の生まれで、あのとべ動物園のピースの父親バールの妹にあたります。

ブダペスト動物園は地元ハンガリーの獣医さんたちに加えドイツからも専門家を呼び、2009年1月にこのヴィタスとレディの2頭に順番に麻酔をかけ不妊検査が行われました。ハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱_a0151913_2014632.jpgハンガリー・ブダペスト動物園のレディとヴィタスの不妊検査 ~ ドナウ河岸の憂鬱_a0151913_202112.jpg









まず雄のヴィタスですが、超音波検査が行われ、そして精液が採取されました。その結果ですが、生殖機能の異常は発見されませんでした。性器に若干の傷があったようですが特別の問題ではなかったようです。精液のほうも申し分のない状態だったようです。そのため将来に備えてヴィタスの精液は冷凍保存されることとなりました。次に雌のレディです。場合のよっては人工授精を行う可能性も用意しつつ検査が行われましたが子宮に加齢が原因とも推測できる異状が見出されたわけでした。動物園は最終結果を公表しましたが、結論としてはブダペスト動物園でのホッキョクグマの繁殖を成功させるには新しい雌の個体が必要である....そういう結論に落ち着きました。

こういった一連の検査の様子を報じたハンガリーのTV局の映像がありますのでご紹介しておきます。



人間たちの心配と焦燥をよそにこの2頭は今年の夏も元気にプール遊びをしているそうです。 当分この2頭は仲の良い姿を見せてくれるようですので、これはこれでよいことだと思います。冒頭の写真は一週間目の2頭の様子です。それからこの下は2頭の映像です。かなり体の大きさが違うようですね。





*(資料)
Zoo Budapest (Jan. 28 2009 - Jegesmedve vizsgálat altatásban)
Photo(C) Zoo Budapest
Origo (Jan.29 2009 - Altatásban vizsgálták a jegesmedvepár termékenységét - képes beszámoló) (Video - Jegesmedve-műtét állatkertben)
by polarbearmaniac | 2010-08-28 00:10 | Polarbearology

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