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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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ドイツ・ロストック動物園の新ペア同居の滑り出しは上々 ~ 克服できるか18歳の年齢差

ドイツ・ロストック動物園の新ペア同居の滑り出しは上々 ~ 克服できるか18歳の年齢差_a0151913_20162310.jpg
Photo (C) MVregio / Joachim Kloock

札幌・円山動物園のデナリとキャンディ、大阪・天王寺動物園のゴーゴとバフィンなどの新しいペアの同居について話題となっています。特に後者はこれから実際の同居が実現することになりますが、少なからぬ方々が年齢差というものを時としては否定的な要素として考えるのはいたしかたがないことかもしれません。昨年の12月、「年齢差18歳に挑戦した衝撃のEAZAの繁殖計画 ~ ドイツの壮年個体に新しいパートナー決定」という投稿をいたしております。ここではEAZAのEEPによりドイツのロストック動物園で年齢差が18歳にもなる新しいペアの組み合わせがなされることをご紹介していますので、その投稿をまずご参照いただければ幸いです。世界のホッキョクグマ界で注目が集まるのはゴーゴとバフィンの年齢差程度などではなく、ロストックにおけるヴィエナ(22)とブリザード(4)の組み合わせのほうです。

さて、この2頭、1月からお互いが視覚で認識できるような状態になっていたのに続き、ロストック動物園での別飼育からとうとう24日の木曜日に初の同居がなされました。1963年以来30頭以上ものホッキョクグマの赤ちゃんの誕生を達成し、現在は世界のホッキョクグマの血統登録管理を行っているロストック動物園ですら相当に神経質になっていたようです。この年齢差18歳の同居ですが、大変上々の滑り出しということで関係者は胸をなでおろしているそうです。すでに6頭を出産している22歳になる雌のヴィエナはイタリアのピストイア動物園から来た雄のブリザードを親しげに受け入れているそうで、動物園側はこの2頭による繁殖の可能性に大いなる期待を抱くようになったようです。私は今シーズンではなく来シーズンへの期待として受け止めたいと思います。ホッキョクグマの繁殖には非常に経験が豊かなロストック動物園ですから、万全の体制で臨むものと思われます。 (*追記 - ちなみに世界最多出産頭数の記録を持つ雌のホッキョクグマは東ドイツ時代にこのロストック動物園で飼育されていた雌のホッキョクグマです。それに対してロシア・サンクトペテルブルクのウスラーダが今シーズンはタイ記録に挑戦することになります。ただし、このロストック動物園の記録保持クマは雄のパートナーが複数いて、同一ペアとしてはサンクトペテルブルクのウスラーダ/メンシコフのペアの頭数には及びません。)

この22歳の雌のヴィエナの本来のパートナーは雄のチャーチルでしたが、数年前にこの2頭は大喧嘩をしてしまいました。「闘争」にすら発展した凄いものだったようで、この結果として雌のヴィエナは後足に大けがを負ってしまい、現在に至るまで障害が残ってしまったわけです。このヴィエナはまだ22歳ですし出産経験も豊かですから、まだまだ「繁殖の舞台」から引退させるわけにはいかないのです。下の映像は今年2月のロストック動物園の3頭のホッキョクグマ、雄のチャーチル、雌のヴィエナ、そしてイタリアから移動してきた4歳の雄のブリザードの映像です。ヴィエナの左後足に障害が残っていることがはっきりとわかります。それからブリザードはまだ4歳とはいえ、あのゴーゴよりも大人びた雰囲気がありますね。



(資料)
Rostock-Heute (Mar.25 2011)
Ostsee News (Mar.25 2011)
MVregio (Mar.26 2011)
(過去関連投稿)
年齢差18歳に挑戦した衝撃のEAZAの繁殖計画 ~ ドイツの壮年個体に新しいパートナー決定
ドイツ・ロストック動物園の「母娘再会同居」 ~ ララ/ピリカが最初ではなかった「親子再会同居」
by polarbearmaniac | 2011-03-28 21:00 | Polarbearology

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