街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア極東・沿海州、ハバロフスク動物園のゴシ ~ 氷上サーカスを去り動物園を安住の地に

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ゴシ (ハバロフスク動物園) Photo(C)Комсомольская правда

以前より何回かサーカス出身のホッキョクグマについて投稿してきました。サーカスにうまく適合した個体、できなかった個体などいろいろなわけです。うまく適合している一例としては今年3月19日に投稿しました「ロシアの氷上サーカスでスケート演技をするホッキョクグマのラパ ~ その引退の日は遠し」でご紹介しているラバがあげられます。このラバと同じように別のサーカスで氷上スケートを演じていたゴシ(Гоши)、彼は必ずしもそのようにはいかなかったようです。 

ゴシは1990年2月にウクライナのクリボイログのサーカス団で生まれました。サーカス団で生まれたというのですから、ちゃんとした産室などが準備されていたとは限らない厳しい環境で生まれてきたのでしょう。しかし、母親からちゃんと母乳で育ててもらえたことは幸運でした。しかしこうした彼の出自は彼がその後もサーカスの演技者として生きていくということが運命付けられたといってよいでしょう。しかし彼は1歳になったばかりの時に性格が攻撃的であると見なされてロシア・沿海州、ウスリースクの移動動物園に移されてしまいます。そこでその地方の動物トレーナーに見出され、再びサーカスの氷上ショーの演技者としての訓練を受けます。彼は11年間、氷上での演技者としてなんとか務め上げ、引退後の2002年の夏にロシア極東・沿海州のハバロフスク動物園(Зоосад Приамурский имени В.П. Сысоева)に送られたのでした。
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ゴシがハバロフスク動物園に来たときには痩せ細っており病気にかかっているようでした。体の毛はいたるところで禿げており、黒い皮膚が見える箇所があり、残っている毛も黄色に変色しており外見上の健康状態は良くないように見えたそうです。しかし彼はこのハバロフスク動物園で元気を吹き返しました。サーカスという環境に11年間も耐えてきたものの。彼は本来サーカスには不適合のホッキョクグマだったのに違いありません。ハバロフスク動物園では食欲も旺盛となり、健康状態は見違えるほど回復したのです。
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Photo(C)МегаФон - Дальневостоный филиал

今ではこのハバロフスク動物園の人気者であり、お誕生会さえやってもらえる幸運なホッキョクグマとなったわけでした。夏は助走をつけて豪快に水に飛び込み、来園者は水がかからないように彼のジャンプの時には体を避けるそうです。冬には雪の上で体を擦り付ける動作が滑稽で、これまた人々の話題になっているそうです。下の映像はハバロフスク動物園におけるゴシの姿です。



次の映像はハバロフスク動物園の冬の光景を伝えるニュース映像ですが最初にゴシが雪の上で仰向けに寝ている姿が映っています。なるほどこれは滑稽でユーモラスな姿です。



ロシア・極東の沿海州の動物園でホッキョクグマが飼育されているのはハバロフスク動物園だけのようですね。日本からも近いですし是非このゴシには会っておきたいと思っています。
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Photo(C)Intour-Khabarovsk

(*注 - この動物園の正式名称は Зоосад Приамурский имени В.П. Сысоева、つまりプリアムールスキー動物園、あるいはアムール動物園ということになりますが、もっとわかりやすくハバロフスク動物園と表記することとします。)

(資料)
Комсомольская Правда (Feb.10 2007)
Молодой Дальневосточник (Oct.18-25 2006)
Александр Колбин (Feb.12 2011)
ЗООСАД «ПРИАМУРСКИЙ» ИМ. В. П. СЫСОЕВА. ВТОРОЙ ЗАХОД
Intour-Khabarovsk (ハバロフスク案内) (小動物園
(過去関連投稿)
ロシアの氷上サーカスでスケート演技をするホッキョクグマのラパ ~ その引退の日は遠し
サーカス団(ロシア)のホッキョクグマの訓練風景
トスカ(クヌートの母)とサーカス団の悲しきホッキョクグマたち
by polarbearmaniac | 2011-05-26 09:00 | Polarbearology

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