人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンのお誕生会 ~ 個体の死因追及について

アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンのお誕生会 ~ 個体の死因追及について_a0151913_928797.jpg
バーリン Photo(C)Lake Superior Zoo

アメリカ・ミネシタ州ダルース(Duluth)のスペリオル湖動物園(Lake Superior Zoo)で3日の土曜日に22歳になる雌のバーリン(Berlin)のお誕生会がありました。お祝いとして冷凍魚のケーキが贈られたそうです。このバーリンの誕生日には毎年お誕生会があるそうですが、日本では22歳になっても毎年お誕生会をやってもらえるホッキョクグマは多分ないでしょう。現在日本の動物園でお誕生会をやってもらえるホッキョクグマは若年の人気者個体ばかりですが、いったい彼ら(彼女ら)は何歳までお誕生会をやってもらえるでしょうか? ちょっと気になります。

ホッキョクグマが飼育されている世界のいくつかの動物園で、このスペリオル湖動物園というのを今までこのブログで話題にしたことがありません。世界の動物園で飼育されているホッキョクグマのそれぞれのエピソードなどを調べようとしているのですが、なかなか手が回りません。そしてそういったエピソードをご紹介するときは不幸にして訃報の中だったりするのが非常に残念です。今回ご紹介しているミネシタ州ダルースのスペリオル湖動物園ですが、調べてみましたところアメリカの動物園の多くがそうですが、実に地域のコミュニティに密着した動物園である様子がいろいろな記事から参照できました。この動物園では現在ホッキョクグマはこの22歳になった雌のバーリンが1頭で飼育されていますが毎年お誕生会が催され多くの地元のファンが集まってくるようです。今年のお誕生会の映像はこちらで、そして昨年の様子はこちらでご覧いただけます。

さらに、この動物園のホッキョクグマについて調べてみたところ興味深い事実がわかりました。以下はその話です。実はバーリンの他に、この動物園ではもう1頭ホッキョクグマが飼育されていました。それはバッバ(Bubba)という名前の雄で今回お誕生会があったバーリンのパートナーでした。そしてなんと彼は札幌・円山動物園のデナリの兄であるわけで、動物園のホッキョクグマはどこでどう繋がっているかわからないと言ったところでしょう。
アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンのお誕生会 ~ 個体の死因追及について_a0151913_9431774.jpg
バッバ (円山動物園、デナリの兄) Photo (C) Lake Superior Zoo

このデナリの兄である1989年生まれのバッバがユタ州・ソルトレイクシティーのホーグル動物園でシヌックお母さんと写っている写真は以前の投稿である「デナリ (円山動物園) とその母親、兄弟姉妹たちの姿 ~ ユタ州・ソルトレイクシティーの地元紙の記録」をご参照下さい。その投稿でシヌックお母さんの体の下にいる双子の写真がそうです。ところがこのバッバは2007年の8月8日に17歳で突然死亡しています。問題はそれからです。その彼の突然の死の翌日に地元メディアに公開された1枚の写真が波紋を呼びました。それが以下の写真です。
アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンのお誕生会 ~ 個体の死因追及について_a0151913_932225.jpg
これはバッバが死亡する18日前に動物園を訪れた人が撮影した写真ですが、バッバが何か金属片をくわえている写真です。その金属片とはカメラの一部であることが拡大写真でわかります。これを飲み込んだことが彼の死の原因ではないかと噂されたわけでした。この噂に対して当然動物園側としては重大な関心を持ったわけで、すぐさまバッバの死因に関してミネソタ大学よりの通知を公表しました。その内容はバッバの死因は肝臓病が原因であり、メディアで公表された写真に写っているカメラの一部を噛んだ(あるいは飲みこんだ)ことが原因とは言えないという内容です。正式な報告書はその年の11月に出されましたが、やはり肝臓病が死因だったという内容でした。
アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンのお誕生会 ~ 個体の死因追及について_a0151913_9484338.jpg
バッバ Photo(C)Lake Superior Zoo

このスペリオル湖動物園ではホッキョクグマは地元の人々に大変愛されている動物であることがわかる記事や書き込みが多く、そのホッキョクグマが死亡したとなると原因を徹底的に明らかにしようという方向に進むことがよくわかります。さて、パートナーのバッバに先立たれたバーリンですが、おそらく今後も1頭で飼育されていくことになると思われます。健康に十分注意して末永く地元の人々にその素晴らしい姿を見せてやってほしいと思います。 以下、バーリンの映像を一つご紹介しておきます。



(パリにて記す)

(資料)
FOX 21 Online (Dec.3 2011 - Berlin the Duluth Polar Bear Celebrates Her 22nd Birthday)
WDIO-TV (Dec.3 2011 - Berlin the Polar Bear Celebrates a Birthday)
Northland's NewsCenter (Dec.3 2011 - Berlin Celebrates 22nd Birthday)
Northland's NewsCenter (Aug.9 2007 - Zoo Polar Bear Dies)
facebook (Lake Superior Zoo - Bubba the Polar Bear)
Northland's NewsCenter (Aug.27 2007 - Young And Old Gather At Zoo To Say Good Bye Bubba The Polar Bear)
Duluth News-Tribune (Aug.27 2007)
Duluth News-Tribune (Nov.29 2007)
Northland's NewsCenter (Nov.28 2007)

(過去関連投稿)
デナリ (円山動物園) とその母親、兄弟姉妹たちの姿 ~ ユタ州・ソルトレイクシティーの地元紙の記録
動物園による情報公開 ~ アメリカ・バッファロー動物園でのホッキョクグマ連続死亡事件
by polarbearmaniac | 2011-12-05 11:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索