街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護の双子の孤児に別れの時来る ~ オーロラがイジェフスク動物園へ

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オーロラ Photo(C)Reuters

昨年5月にロシア極北のタイミール半島で生後4~5ヶ月のホッキョクグマの2頭の赤ちゃん孤児が保護され、クラスノヤルスク動物園に移送されたことをご紹介しています(「ロシア極北・タイミール半島でホッキョクグマの2頭の赤ちゃんを保護!」。また、この2頭のその後についても継続して投稿してきました(過去関連投稿参照)。この雌の双子の孤児ですが、クラスノヤルスクの市長さんの尽力で連邦政府の「自然管理局」に交渉して当分の間はクラスノヤルスク動物園で飼育され、1頭は2~3年をめどにカザン市動物園に移動することが決定していました(過去関連投稿参照)。ヴィクトリアとオーロラと名付けられたこの2頭ですが予定よりも早く別れの時がやってきたようです。報道によりますと、オーロラが12月14日にイジェフスク動物園に到着したとのことです(オーロラの様子を伝えるTVニュースはこちらでご覧いただけます)。そしてこのオーロラを同動物園で飼育されているピムのパートナーとさせるという計画も発表されています。

連邦政府の「自然管理局」の当初の決定ではカザン市動物園への移動だったわけですが何故今回イジェフスク動物園に送られたかが問題です。その理由はおそらく、イジェフスク動物園で飼育されている「さすらいのホッキョクグマ」であるピムの所有権がモスクワ動物園からカザン市動物園に移転したため(「モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で」)、このピムとオーロラの2頭はペアとなることが必然の状況となり、よってピムの飼育されているイジェフスク動物園へ予定の計画を前倒しにしてオーロラの移動がなされたということでしょう。このあたりの事情はやや複雑です。私はピムの所有権をモスクワ動物園から譲り受けたカザン市動物園がピムを海外の動物園に売却するだろうとばかり思っていました。ですから先日、上野動物園はピムを狙う手もあると書いたわけです。よってピムをイジェフスク動物園に置いたままで、オーロラのカザン行きを前倒しして移動場所をイジェフスク動物園にして移動させた事情はカザン市動物園にあったということになります。
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オーロラ Image : Россия 1



オーロラにしてみればカザン市動物園のような飼育環境の悪い動物園に送られるよりも、比較的最近完成したイジェフスク動物園の飼育展示場に移動になってよかったということかもしれません。しかし、イジェフスク動物園ではすでにノルドとドゥムカのペアが確立していますから、果たして2頭のペアをこれからもずっと飼育していくのかがやや不透明です。ピムとオーロラのペアの飼育は当分の間はカザン市動物園がイジェフスク動物園に委託する形になると思われますが、果たしてイジェフスク動物園にそれだけの余裕があるかはやや疑問の感じも拭えません。

こうしてオーロラは孤児としてロシア極北を一緒にさ迷い歩いていた姉妹のヴィクトリアに別れを告げました。オーロラの今後の健康を祈ります。
(フィレンツェにて記す)

(資料)
ГТРК Ижевск (Dec.28 2011 - Белая медведица Аврора поселилась в Ижевском зоопарке)
НГС.Красноярск - Независимый Городской Сайт Красноярска (Dec.29 2011 - Медведицу из «Роева ручья» отправили к одинокому самцу в Ижевск)
IzhLife.ru (Dec.29 2011 - В Ижевск к белому медведю привезли невесту из Красноярска)

(過去関連投稿)
ロシア極北・タイミール半島でホッキョクグマの2頭の赤ちゃんを保護!
ロシア・タイミール半島で保護された赤ちゃん孤児の続報
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の赤ちゃん孤児、同市に留まり同居の継続が決定!
ロシア・クラスノヤルスク動物園で暮らすタイミール半島で保護された双子の孤児の名前が決まる
ロシア・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園 ~ 「さすらいのホッキョクグマ」ピムの安住の地となるか
モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で
by polarbearmaniac | 2011-12-30 10:00 | Polarbearology

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