街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ハノーファー動物園のウィーン生まれの双子に別離の時来る ~ アルクトスがスコットランドへ

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アルクトス(左)とナヌーク(右) Photo:BBC

海外を歩いている間に世界のホッキョクグマ界ではいくつかのニュースが報道されています。 最初にこれは非常に不可思議なニュースについでです。ドイツ・ハノーファーの動物園で飼育されている2007年11月にウィーン・シェーンブルン動物園で生まれたアルクトスとナヌークの双子の雄の兄弟ですが、このうちアルクトスがイギリス北部スコットランドのハイランド野生公園(Highland Wildlife Park)に移動することが決定したニュースです。 実はこのスコットランドのハイランド野生公園にはオランダ・レネンのアウヴェハンス動物園で2008年12月に生まれた雄のウォーカーがすでに飼育されているわけで、同施設ではウォーカーのパートナー探しを行っているわけですが、そこにウォーカーより一歳年上のアルクトスが移動するというのが不思議なところです。 同施設の飼育担当のリチャードソン氏はウォーカーの良い遊び相手ができたと考えているそうですが雄の二頭を同居させるのは危険な面があり、いったいこれはどうなるのかが心配なところです。

さらに不可思議なのはリチャードソン氏の発言で、昨年暮れにウォーカーのパートナーとなるべきはずだった雌が妊娠していることがわかったとの内容で、これはフィンランドのラヌア動物園のヴィーナスのことを指していると理解せざるを得ません。 まさに繁殖に成功しつつあったラヌア動物園の雌のヴィーナスをウォーカーのパートナーに考えていたとすればそれは荒唐無稽な話です。 さらにウォーカーの父親であるヴィクトルはヴィーナスの兄ですから、ウォーカーとヴィーナス(あるいは同じラヌア動物園で飼育されているヴィーナスの双子のヴァレスカ)との組み合わせはありえないわけです。リチャードソン氏はこのあたりの事実に無頓着なのではないでしょうか。 以下にハノーファー動物園のアルクトスとナヌークの双子の映像をご紹介しておきます。 このアルクトスとナヌークの双子の兄弟、とうとう4歳で別れの時がやってきてしまいました。



私が思いますに、実は欧州はホッキョクグマの繁殖そのものについては今まではかなり成功してきたものの、ここにきて血統面における組み合わせの行き詰まりを生じてきたのだという感じがします。 さすがのEAZAのコーディネーターもいわゆる「ロストック系」を含めて、数が増しつつある若い雄の個体のパートナーをうまくアレンジできなくなってきたということだと思われます。 雄のアルクトスのスコットランド行きはハイランド野生公園を今だけ納得させようというその場しのぎの何か苦し紛れのやり方のように思います。 今後の欧州のホッキョクグマ繁殖計画にはますます目が離せなくなってきました。 

(資料)
Scottish Daily Record (Apr.2 2012 - Highland polar bear Walker set to get a new pal as German zoo send over their own)
BBC (Apr.2 2012 - New polar bear and tiger for Highland Wildlife Park)
Highland News (Apr.2 2012 - New polar bear and tiger head for Highland Wildlife Park)
Bild.de (Apr.2 2012 - Zoo trennt Eisbär-Zwillinge)

(過去関連投稿)
ウィーンの双子(アルクトス&ナヌーク)がハノーファーへ移動 (May.20 2010)
ドイツ・ハノーファー動物園ユーコンベイのホッキョクグマ3頭 (Jun. 4 2010)
ドイツ・ハノーファー動物園に仲良しトリオ出現 ~ ユーコンベイで3頭の同居開始
ドイツ・ハノーファー動物園のアルクトスとナヌークの双子兄弟に4歳のお誕生祝い ~ 将来への不安
オランダのウォーカー、スコットランドへ! ~ 新しい繁殖基地への期待 (Nov.5 2010)
オランダのウォーカー、スコットランドに到着! ~ "Britain's polar bear population doubles" (Nov.8 2010)
by polarbearmaniac | 2012-04-03 17:00 | Polarbearology

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