街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ハノーファー動物園のアルクトス、スコットランドに無事到着しウォーカーと初顔合わせ

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ウォーカーとアルクトスの初顔合わせ Photo(C)Highland Wildlife Park

ドイツ・ハノーファー動物園で飼育されていたウィーン生まれの双子の兄弟の1頭であるアルクトスがイギリス北部スコットランドのハイランド野生公園(Highland Wildlife Park)に移動が決定した件についてはすでに投稿しています。 このアルクトスですがハノーファー動物園でお別れにイチゴのケーキのプレゼントがありました。4日の水曜日にハノーファーを出発してスコットランドのハイランド野生公園に無事到着したそうで、早速6日の金曜日にすでにここで飼育されているウォーカーと初顔合わせがあったそうです。その最初の様子が冒頭の写真です。2頭はレスリングのようなことをしていたようですが闘争というようなことは全く無かったようで一安心とでもいったところでしょうか。本格的な同居開始は9日の月曜日からになるようです。以下、このウォーカーとアルクトスの初顔合わせの映像です。 遠くにしか映っておらず映像的には大きな不満が残りますが2頭の鼻息は生々しく聞こえます。



それにしてもしかしハイランド野生公園はこのウォーカー(3歳)とアルクトス(4歳)の若い雄の2頭のパートナーをどうするつもりなのでしょうか。 前回の投稿でも触れましたがハイランド野生公園のリチャードソン氏、あまりに安易に考えているのではないでしょうか。 特にウォーカーですが彼はオランダ・レネンのアウヴェハンス動物園の生まれですが父親のヴィクトルはドイツのロストック動物園生まれであり、ウォーカーはいわゆる「ロストック系」ということになります。 血統的に彼のパートナーとなりうる雌の個体はいないわけではありませんが、そういった彼女らはもうパートナーがいるわけです。 となればEAZAのコーディネーターは、そういったペアの中での「組み換え」を行ってウォーカーのパートナーを「捻出」しようということでしょうか。 フィンランドのラヌア動物園で飼育されている雌の双子であるヴィーナスとヴァレスカは「ロストック系」ですから最初からウォーカーのパートナーなどにはなり得ません。 そしてさらに、雌のパートナーがいなくて困っている雄の個体はウォーカーだけではないという事実も状況を難しいものにしています。 

こうして、欧州でも実に厳しい状況になってしまったわけです。 札幌・円山動物園がイコロ・キロルと欧州個体との交換を目指して職員をオランダに派遣したのは有名な話でしたが、その際に第一に念頭に置いていたと思われる個体はこのウォーカーだったはずです。 この個体交換の話は挫折したわけでしたが、そのウォーカーは欧州に残って広大な敷地のある寒冷地のハイランド野生公園に移動したまではよかったものの、血統上問題のないパートナーがなかなか見つからないという現実にぶつかってみると、今になって欧州側の立場から振り返ってみても実は円山動物園の当時考えていたことは実現性は乏しかったにせよ欧州側の立場からもやはり正しかったのだという皮肉な結果であるようにも思います。 仮にウォーカーが日本に来ていれば、ツヨシ、ピリカ、アイラと3頭もの有力パートナー候補がいるわけです。 物事はなかなかうまくいかないものです。
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ハノーファー動物園でお別れにイチゴケーキのプレゼントをもらうアルクトス Photo(C)dpa

(旭川にて記す)

(資料)
Deadline News (Apr.6 2012‎ - Arktos to meet new ‘polar pal’)
stv.tv (‎Apr.6 2012‎ - Polar bears meet for the first time at Highland park)
Oberbayerisches Volksblatt (Apr.3 2012 - Abschied: Erdbeertorte für Arktos)

(過去関連投稿)
ドイツ・ハノーファー動物園のウィーン生まれの双子に別離の時来る ~ アルクトスがスコットランドへ
by polarbearmaniac | 2012-04-08 07:00 | Polarbearology

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