街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・オレゴン州 ポートランド、オレゴン動物園のコンラッドとタサル ~ 別離なき永遠の双子兄妹

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コンラッドとタサル Photo(C)Oregon Zoo

双子で生まれたホッキョクグマの赤ちゃんの大部分は比較的若いうちに互いに別々の道を歩むことになります。 日本ではルルとララの姉妹もそうでしたしイコロとキロルにしてもそうです。 ところが非常に稀ではありますがアメリカの動物園ではそうでないケースがあります。 たとえばこれは以前ご紹介していますが、デンバー動物園で人工哺育で育てられた有名なクロンダイクとスノウはスノウが治療のために移動するまでの17年間を同じ施設で暮らしたわけでした。

ところが今回ご紹介するオレゴン州ポートランドのオレゴン動物園で暮らす27歳のコンラッド (Conrad) とタサル (Tasul) の双子の兄妹は現在までずっと同じ動物園で飼育されています。 このコンラッドとタサルは1984年の12月1日にサウスカロライナ州コロンビアのリバーバンクス動物園で双子で誕生しました。 その後、一歳のときにオレゴン州ポートランドのオレゴン動物園に一緒に移動し、それ以降このオレゴン動物園で現在に至るまで一緒に飼育されてきたのです。 このコンラッドとタサルのリバーバンクス動物園時代の写真を以下にご紹介しておきます。 一緒に写っているのはお母さんのティガラです。
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リバーバンクス動物園での幼少のコンラッド、タサルとティガラお母さん 
Photo(C)Oregon Zoo/Tony Vecchio

この双子の兄妹のペアでは当然繁殖を試みるのは不可能だったわけですが、実はコンラッドには雌のパートナーが用意されたわけでした。 それはユーヤン (Yugyan) という名前の雌のホッキョクグマです。 このユーヤンというのが雄のコンラッドの繁殖上の一応のパートナーだったわけでした。 このユーヤンというのは実は旭山動物園で現在飼育されているサツキの姉です。 報道記事では、1985年12月15日にオハイオ州クリーヴランドのメトロパークス動物園の生まれとなっています。 下のユーヤンの写真を見ると、やはりさっちゃんにとてもよく似ていますね。
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ユーヤン Photo(C)Oregon Zoo

以下の写真はコンラッドとユーヤンのペアを写したものです。手前がコンラッドだと思います。
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コンラッドとユーヤン Photo : Oregonian Gallery

しかしこのユーヤンは2008年の8月に腎臓病を患って安楽死という方法で22歳で亡くなっています。 このユーヤンの病気の治療には獣医さんやオレゴン動物園のスタッフが献身的に取り組み、何とか彼女を病気から快復させたいと努力したもののユーヤンの病状が重くなったときにとうとう安楽死という苦渋の選択をしたわけでした。当時の報道で、安楽死させる直前に飼育員さんが彼女にチョコレートやアイスクリームなどを与えるシーンは感動的です。 このユーヤンが生きていた時代の2007年の撮影された2つの映像を以下にご紹介しておきます。三頭の姿が映っていますね。





ユーヤンの亡くなったあと残ったのはコンラッドとタサルの双子の兄妹です。 毎年のようにイベントとかお誕生会が盛大に行われポートランドの人々にとっては馴染み深い存在であるコンラッドとタサルです。 現在この二頭は27歳になっています。 それにしても27年間も、移動も含めて双子が一緒の動物園で飼育されているというケースは過去をさかのぼっても極めて稀有なのではないかと思われます。 これからも是非、一緒で元気な姿を末長く来園者に見せてほしいものです。 この二頭の昨年の映像を一つご紹介しておきます。





(資料)
KATU.com (No.19 2011 - Zoo's twin polar bears are turning 27 years old)
Oregon Zoo (Gallery - Tasul and Conrad, now Oregon Zoo staples, as cubs at the River Banks Zoo in South Carolina)
KATU.com (Au.26 2008 - Sick polar bear euthanized at zoo)
UPI.com (Aug.27 2008 - Zoo: Polar bear euthanized due to pain)
Sustanable Life (Mar.11 2008 - Polar bear’s a hot topic)
Portland Tribune (Jan.23 2003 - Bear necessities)
The Oregonian Gallery (Photos – Conrad and Yugyan)
Take A Walk On The Wild Side (Jan.2009 - ZOO HOSTS BELATED BIRTHDAY BASH FOR POLAR BEARS)

(過去関連投稿)
アメリカ・フロリダ州シーワールドのスノウ、脱毛治療のためにアリゾナ州のレイドパーク動物園へ移動決定
アメリカ・デンバー動物園で人工哺育された有名な双子のクロンダイクとスノウに遂に別離の時来る
by polarbearmaniac | 2012-06-19 19:30 | Polarbearology

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