街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

中国・烟台市の蓬莱海洋極地世界の赤ちゃん元元が公開へ ~ 中国で増加するハイブリッド展示上の問題点

a0151913_198841.jpg
Photo(C) 胶东在线

中国・山東省、烟台市の蓬莱海洋極地世界で今年の1月1日に誕生し人工哺育で育てられている元元については今まで何回か投稿しています(過去関連投稿参照)が、昨日来園者に公開されたそうです。 この元元にホッキョクグマ以外の血があるかどうかですが、やはりあると考えた方が正しいでしょう。 ただし元元をハイブリッドと呼んでよいものかどうかは微妙かもしれません。何故なら、外形上はホッキョクグマ以外の血の存在が非常に薄まっているように見えるからです。 これはおそらく両親の一方が純粋なホッキョクグマであり、もう一方がハイブリッドの第二世代以上であるからのような気がします。 そうしてみれば、実はホッキョクグマのハイブリッドは一部の国での飼育下においてかなり以前から存在しており、そういった個体が中国にやってきたと考えうるでしょう。 今度は今までご紹介したのとはさらに別の映像でこの元元の生物学上の両親を見てみましょう。 一頭は顔付きが違って見えます。 また、この2頭の歩き方の違いにご注目下さい。一頭は確実にホッキョクグマの歩き方ですが、もう一頭の脚の運びはホッキョクグマとはやや異質なものを感じます。 (時間帯によっては映像表示、再生開始までに時間のかかる場合があります。)



私の眼にはやはり一頭は間違いなくハイブリッドに見えます。 この元元も、たとえば下の写真の写り方ですとハイブリッドであることを想起させる姿に見えます。
a0151913_19141843.jpg
Photo(C)中新網

このホッキョクグマのハイブリッド個体というのは血統登録がありませんから中国のどの施設にどれだけ存在しているのかが全くわかりません。もともとこれはセルビアのベオグラード動物園が出身地であろうという強い推定が成り立つもののベオグラード動物園自体が血統登録を行えないわけですから、中国国内のハイブリッドの親族関係の把握が今後困難になっていく可能性が大きいでしょう。

今後中国の都市でこのような施設が続々とできてくれば当然展示すべきホッキョクグマの数が不足するわけで、そうなるとハイブリッドをホッキョクグマであると展示するケースは増えるのではないかと思います。 こういう事態をどう考えるかですが、少なくともその展示個体を「雑種(Ursid hybrid)」として展示する分には全く問題はないでしょう。 ところがこの烟台市の元元のようにホッキョクグマ以外の血が非常に薄いハイブリッドについてとなると問題です。 こういった事態は今まで想定されていなかった新しい問題点でしょう。
a0151913_19145776.jpg
来園者に公開された元元  Photo(C) 胶东在线

(資料)
胶东在线 (Jul.23 2012)
华龙网 (Jul.23 2012)
青岛信息港 (Jul.23 2012)
半岛网 (Jul.23 2012)

(過去関連投稿)
中国・山東省、烟台市の蓬莱海洋極地世界でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
中国・烟台市の蓬莱海洋極地世界で誕生した赤ちゃん、安定した状態で春節を迎える
中国・烟台市の蓬莱海洋極地世界で誕生の赤ちゃんが元気に生後50日目へ ~ 「疑惑」 はあるのか?
中国・烟台市の蓬莱海洋極地世界の赤ちゃん、順調に生後半年が経過 ~ ホッキョクグマ以外の血はあるか?
by polarbearmaniac | 2012-07-23 19:30 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

カナダ・コクレーン「ホッキョ..
at 2017-03-29 22:00
ハンガリー・ブダペスト動物園..
at 2017-03-28 21:00
ロシア北東部・サハ共和国、ヤ..
at 2017-03-27 21:00
フランス・ミュルーズ動物園の..
at 2017-03-26 22:00
ハンガリー・ブダペスト動物園..
at 2017-03-25 21:00
ウクライナ・ムィコラーイウ動..
at 2017-03-25 13:00
ロシア北東部・サハ共和国、ヤ..
at 2017-03-24 15:00
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブル..
at 2017-03-23 20:00
男鹿水族館のクルミと豪太のペ..
at 2017-03-22 23:30
ハンガリー・ブダペスト動物園..
at 2017-03-21 20:00

以前の記事

2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin