街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・北コーカサス、ナリチク動物園のクツィに飼育環境の改善の見通し立つ ~ 新動物園建設の開始

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ナリチク動物園のクツィ    Photo(C) QIP.ru/Ксюша

ロシア連邦・北コーカサス地方、カバルダ・バルカル共和国の都市ナリチクの動物園に暮らす21歳の雄のホッキョクグマであるクツィ (Куцый) は長いこと夏の暑さと飼育ケージの狭さに悩まされてきましたが、とうとうその状態が大きく改善される時が到来したようです。
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地元の人々はかねてからこのナリチク動物園の飼育環境の悪さについてたびたび行政に対して声をあげてきたものの行政の側から何等の改善策も講じられないまま数年が経過してきたわけですが、2009年に新動物園の建設案が決定し、カバルダ・バルカル共和国からも5550万ルーブル(約1億4千万円の予算の援助を受けて今年の初めからナリチク市の郊外の予定地で工事が始まっているようです。 2年後には新動物園が完成しホッキョクグマのクツィをはじめとして動物たちはその新動物園に移ることになります。
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新動物園建設予定地を示すナリチク動物園の園長さん
Photo(C)Московский Комсомолец / Анна Терехова

現在のこのナリチク動物園は1927年に開設されてから一度も大がかりな改修が行われていなかったわけで、いよいよ待望の新動物園の建設となったわけです。現在のナリチク動物園の様子をご覧いただきましょう。本当にひどいものだと思います。



ロシアの地方都市の動物園はだいたいこういった感じのものが多いようです。 そういた動物園の情報はネットでも非常に少なく調べるのに苦労します。このホッキョクグマのクツィにしても、やれもう死んでいるだの脚を失っているのだなどというデマまがいの情報が地元のコミュニュティサイトに5年ほど前に書き込まれたことがありました。 しかし最近の報道で園長さんがこの新動物園での新ホッキョクグマ舎について述べていますのでクツィは健在であることがわかります。 また、脚を失っているというのが冗談であることは、そういった冗談が書き込まれた後に撮影された冒頭のクツィの写真を見ても彼が脚を失ったホッキョクグマであるようには見えない点でやはり単なるデマであることがわかります。
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現在のナリチク動物園正門 Photo(C)Нальчик 2000

ただしかし少々心配なこともあります。それはこのナリチクが位置しているロシア連邦・北コーカサスのこのカバルダ・バルカル共和国ですが外務省の渡航情報のページを見ますと「渡航延期勧告」が出ています。 そしてこう言っています。
>武装勢力によるゲリラ的攻撃や自爆テロ事件が多数発生しています。これに対し,治安当局は銃撃戦を伴う掃討作戦を集中的に行い,一定の成果を上げているといわれているものの,治安情勢は依然として不安定です。特に、チェチェン武装勢力は、ロシア当局の集中的な掃討作戦によって主要メンバーの多くを失ったにもかかわらず、依然、テロによる抵抗等を表明しています。したがって、上記の地域の情勢安定化には長期間を要すると見られますので,今後とも警戒が必要です。

新動物園の建設は本当に予定通り進行するでしょうか。 ちょっと心配です。

(資料)
Московский Комсомолец (Nov.9 2011 - Нальчикский зоопарк переедет через 2 года)
Газета НАЛЬЧИК (May. 31 2011 - миллионов рублей на реконструкцию зоопарка)
Газета «Кабардино-Балкарская правда» (Jul.14 2009 - Пантеру можно погладить... через стекло)
Нальчик 2000 (фотография Нальчикский зоопарк)
外務省 海外安全ホームページ (ロシア
by polarbearmaniac | 2012-09-06 21:00 | Polarbearology

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