街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・アラスカ州アンカレッジのアラスカ動物園が始めた奇抜な寄付金募集方法 ~ 「動物園大統領」選挙

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微笑ましさは感じるものの、少しばかりやり方が厚かましくて、いささか首を傾げたくなるような寄付募集を始めたのがアメリカ・アラスカ州、アンカレッジのアラスカ動物園です。

アメリカ大統領選挙のキャンペーンも真最中の昨今のアメリカですが、アラスカ動物園では「アラスカ動物園大統領」選挙を公示し、現在その投票期間中となっています。 どういう選挙かと言いますと、この選挙にネットを通じて1ドルを払うと一票の投票権が得られるという仕組みで、「候補動物」は13歳(推定)の雌のホッキョクグマであるアプーン(Ahpun) と6歳の雄のオオカミのデナリ(Denali - 札幌・円山動物園の雄のホッキョクグマと同じ名前です) の2頭だそうです。 どちらがアラスカ動物園を代表する動物なのかを選挙で選ぼうというわけです。この選挙を公示するアラスカ動物園の責任者の方の一人のスピーチと「候補動物」の様子をご覧ください。



「大統領候補」であるホッキョクグマのアプーンはアンカレッジから700マイルの距離の場所で生後3か月のときに孤児として保護されアラスカ動物園で飼育されてきました。 彼女のパートナーであるリューティクはロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園で女帝ウスラーダと帝王メンシコフの間に2000年12月に生まれた双子のうちの一頭です。 このリューティクがウスラーダお母さんと別れてサンクトペテルブルクを旅立つときの様子は以前の投稿である「ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ」をご参照下さい。 このリューティクはオーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドを経て2006年の夏にアラスカ動物園にやってきたわけです。 このあたりのことについては最近の投稿である「オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのホッキョクグマたち ~ 繁殖への期待、豪太との関係」をご参照下さい。 レニングラード動物園のホッキョクグマ展示場にはウスラーダの産んだ子供たちのうちの何頭かの写真と紹介文が展示してありますが、シモーナ(現 モスクワ動物園)、コーラ(現 チェコ・ブルノ動物園)、カイ(ロシア名ラダゴル、現 仙台・八木山動物公園)、ロッシー(ロシア名ピョートル、現 静岡・日本平動物園)とならんでこのアラスカ動物園のリューティクの写真と解説文が貼られています。
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アプーン Photo(C) Dan Joling / AP

この今回の「「アラスカ動物園大統領」候補のアプーンとそのパートナーであるリューティクのお誕生会の様子をご紹介しておきます。 実に巨大なバースデイケーキです。



最近このアラスカ動物園が大きく報道されたのは昨年春にアラスカの油田地帯で保護された赤ちゃん、カニックの件の一連の報道でした。 これについてはその一部始終を投稿していますのでご興味のある方は「アメリカ・ケンタッキー州、ルイヴィル動物園に暮らすアラスカで保護されたカニックの近況」という投稿を開いていただき、その投稿の下の過去関連投稿をご参照下さい。 しかしこのアラスカ動物園で過去に起こった衝撃的な事件ほどこの動物園の名前を広く知らしめたことはなかったでしょう。 来園者の女性がホッキョクグマに襲われるという事件でした。この件については「動物園でホッキョクグマに襲われた人々(後) ~ アラスカの『英雄』ビンキー」という投稿をご参照ください。 格子越しに来園者の女性に襲い掛かり決して足を離そうとしなかったビンキーをアラスカの人々は英雄視したわけでした。

今回のこの「アラスカ動物園大統領」選挙は、いささかやり過ぎではないでしょうか。 「投票」という一見民主主義的な方法を取りつつ、その票は一票1ドルをクレジットカードで払って購入するわけであり、そして金さえ払えば一人で何票でも購入できるというわけです。 投票者の払った金は全て動物園への寄付金として処理されるそうです。 投票に御興味のある方はアラスカ動物園のこちらのページを開いていただき、注意書きに沿って進んでください。今年の11月6日まで「投票」可能だそうです。 ちなみに木曜日朝の段階ではホッキョクグマのアプーンが140票、オオカミのデナリが270票でデナリがリードしているそうです。

こういったやり方は日本の動物園では考えにくいですね。 欧州やロシアでも同様でしょうし、アメリカの動物園の多くですら採用しにくい寄付募集方法かもしれません。 今回のアラスカ動物園のやり方はいささかアメリカ的過ぎるような気がします。

(資料)
Alaska Zoo (Presidential Candidate: Ahpun the Polar Bear)
AP (Sep.5 2012 - Polar bear, wolf vie to be Alaska Zoo 'president')
Alaska Dispatch (‎Sep. 6 2012‎ - Alaska Zoo jumps into presidential politics, in a unique way)
Fox News (Sep. 5 2012 - Polar bear, wolf face off in presidential race at Alaska Zoo)

(過去関連投稿)
動物園でホッキョクグマに襲われた人々(後) ~ アラスカの「英雄」ビンキー
ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのホッキョクグマたち ~ 繁殖への期待、豪太との関係
アメリカ・ケンタッキー州、ルイヴィル動物園に暮らすアラスカで保護されたカニックの近況
by polarbearmaniac | 2012-09-09 21:30 | Polarbearology

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