街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア極北で保護された孤児のウムカ、依然としてモスクワ動物園で待機か? ~ 野生孤児保護の問題点

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ウムカ  Photo(C)Пензенский зоопарк

昨日に続きロシアで野生で保護された個体の話題です。 昨年のちょうど今頃、ロシア極北のヤマロ・ネネツ自治管区で孤児となっていたホッキョクグマの生後7~8か月と思われる幼年個体が漁民によって保護され、自然保護局の了解を得て今後ペンザ動物園で飼育するためにモスクワに送られたことを投稿しています(過去関連投稿参照)。 とりあえずのところウムカと命名されたこの雄の幼年個体ですが、モスクワ動物園で一か月の検疫期間を過ごすことになり、その後ペンザ動物園に移送される予定であったものの現在に至るまでモスクワ動物園に待機中の模様です。 ペンザ動物園はこの検疫期間中にホッキョクグマ飼育展示場を新設する工事にとりかかるはずでしたが、どうもそれがうまくいっていないようです。このウムカがペンザ動物園に到着したニュースはペンザ動物園からもマスコミからもペンザの地元のファンからも一切流れてきていません。

昨日投稿したヤクーツク動物園のコルィマーナの場合はサハ共和国からヤクーツク動物園のホッキョクグマ飼育展示場を新設する予算が出たわけですが、このペンザ動物園にはそういった予算が出ていないようで多分資金面の問題が生じてウムカを引き取ることができないものと思われます。 ロシアで保護された野生の幼年個体は通常はホッキョクグマを飼育している動物園で引き続き保護されるわけですが、そういった動物園でもスペースの面で手一杯になってきているようです。 ペルミ動物園ではアンデルマとユーコンを飼育していたわけですが、さらに野生で保護された雄の個体を引き取って狭い場所で飼育していました。 それがテルペイです。 ユーコンがカザン市動物園に移動したためテルペイは広い場所に出してもらいアンデルマと同居しているのが現在の状況です。 そういったことから、野生で保護された幼年個体を今までホッキョクグマを飼育していない地方都市の動物園で飼育させることになるとすれば、急遽ホッキョクグマの飼育展示場を新設せねばなりません。 その場合に問題となるのが資金です。 ロシアの地方都市の動物園はそういった資金が不足していますので、今回のペンザ動物園のケースのようにモスクワ動物園のような施設に幾分余裕のある動物園にそういった個体を預けねばならなくなるというわけです。 こういったところがロシアらしいところで、モスクワ動物園も良い意味での独特の鷹揚さでウムカを飼育しているというところでしょう。

ペンザ動物園のあるペンザいう街は冬の寒さがかなり厳しいそうですから、ホッキョクグマの飼育にも適した気候だと思われますので、早く施設を建設しウムカを引き取ってやってほしいところです。 下に昨年保護されたウムカの映像を一つご紹介しておきます。



(資料)
Пензенский зоопарк (Новосёл из Арктики -Новосёл из Арктики!)
BezFormata.Ru (Oct.20 2011 - Пензенский Умка успешно добрался до Москвы)
"ТВ-Экспресс" Новости Пензы (Oct.25 2012 - В Пензенском зоопарке появится белый медведь)

(過去関連投稿)
ロシア極北で漁民に保護された1歳の野生孤児が中部ロシアのペンザ動物園での飼育が決定
ホッキョクグマ飼育経験のないロシア・ペンザ動物園が飼育準備を開始 ~ 「親和性」、「運」とは?
by polarbearmaniac | 2012-10-30 20:00 | Polarbearology

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