人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ロシア極北で保護された孤児のウムカ、依然としてモスクワ動物園で待機か? ~ 野生孤児保護の問題点

ロシア極北で保護された孤児のウムカ、依然としてモスクワ動物園で待機か? ~ 野生孤児保護の問題点_a0151913_19371570.jpg
ウムカ  Photo(C)Пензенский зоопарк

昨日に続きロシアで野生で保護された個体の話題です。 昨年のちょうど今頃、ロシア極北のヤマロ・ネネツ自治管区で孤児となっていたホッキョクグマの生後7~8か月と思われる幼年個体が漁民によって保護され、自然保護局の了解を得て今後ペンザ動物園で飼育するためにモスクワに送られたことを投稿しています(過去関連投稿参照)。 とりあえずのところウムカと命名されたこの雄の幼年個体ですが、モスクワ動物園で一か月の検疫期間を過ごすことになり、その後ペンザ動物園に移送される予定であったものの現在に至るまでモスクワ動物園に待機中の模様です。 ペンザ動物園はこの検疫期間中にホッキョクグマ飼育展示場を新設する工事にとりかかるはずでしたが、どうもそれがうまくいっていないようです。このウムカがペンザ動物園に到着したニュースはペンザ動物園からもマスコミからもペンザの地元のファンからも一切流れてきていません。

昨日投稿したヤクーツク動物園のコルィマーナの場合はサハ共和国からヤクーツク動物園のホッキョクグマ飼育展示場を新設する予算が出たわけですが、このペンザ動物園にはそういった予算が出ていないようで多分資金面の問題が生じてウムカを引き取ることができないものと思われます。 ロシアで保護された野生の幼年個体は通常はホッキョクグマを飼育している動物園で引き続き保護されるわけですが、そういった動物園でもスペースの面で手一杯になってきているようです。 ペルミ動物園ではアンデルマとユーコンを飼育していたわけですが、さらに野生で保護された雄の個体を引き取って狭い場所で飼育していました。 それがテルペイです。 ユーコンがカザン市動物園に移動したためテルペイは広い場所に出してもらいアンデルマと同居しているのが現在の状況です。 そういったことから、野生で保護された幼年個体を今までホッキョクグマを飼育していない地方都市の動物園で飼育させることになるとすれば、急遽ホッキョクグマの飼育展示場を新設せねばなりません。 その場合に問題となるのが資金です。 ロシアの地方都市の動物園はそういった資金が不足していますので、今回のペンザ動物園のケースのようにモスクワ動物園のような施設に幾分余裕のある動物園にそういった個体を預けねばならなくなるというわけです。 こういったところがロシアらしいところで、モスクワ動物園も良い意味での独特の鷹揚さでウムカを飼育しているというところでしょう。

ペンザ動物園のあるペンザいう街は冬の寒さがかなり厳しいそうですから、ホッキョクグマの飼育にも適した気候だと思われますので、早く施設を建設しウムカを引き取ってやってほしいところです。 下に昨年保護されたウムカの映像を一つご紹介しておきます。



(資料)
Пензенский зоопарк (Новосёл из Арктики -Новосёл из Арктики!)
BezFormata.Ru (Oct.20 2011 - Пензенский Умка успешно добрался до Москвы)
"ТВ-Экспресс" Новости Пензы (Oct.25 2012 - В Пензенском зоопарке появится белый медведь)

(過去関連投稿)
ロシア極北で漁民に保護された1歳の野生孤児が中部ロシアのペンザ動物園での飼育が決定
ホッキョクグマ飼育経験のないロシア・ペンザ動物園が飼育準備を開始 ~ 「親和性」、「運」とは?
by polarbearmaniac | 2012-10-30 20:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索