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スコットランドのハイランド野生公園、ウォーカーとアルクトスのお誕生会 ~ 若年世代の雌不足に悩む欧州

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アルクトスとウォーカー Photo(C) Scotsman / Peter Jolly

イギリス北部スコットランドのハイランド野生公園で暮らす2頭の雄のホッキョクグマであるウォーカーとアルクトスは大の仲良しですが、5日の水曜日にこの2頭の「合同お誕生会」が開かれました。 ウォーカーは4歳に、そしてアルクトスは5歳になったわけです。 このハイランド野生公園ではもうすでにかなりの積雪があるようで、最近はこの2頭が雪の上で転げまわったり追いかけっこをして楽しそうに遊ぶ姿がみられるそうです。BBCのニュースサイトのこのページに、この「合同お誕生会」の様子の映像が一部紹介されています。 魚などの入った氷のケーキがこの2頭へのプレゼントだったようです。 先日アルクトスが歯科治療を受けた件はご紹介していますが映像などで見る限りはもう大丈夫なようですね。 この2頭はそれぞれ、すでに体重は450キロあるそうで、もう大人の仲間入りをする年齢が近づきつつあります。

先日も投稿しましたドイツ・ハノーファー動物園のシュプリンター(英語、オランダ語の発音では「スプリンター」)とナヌークの雄の2頭のパートナー探しの難しさは、この2頭をウォーカーとアルクトスに置き換えても全く同じことが言えるわけです。 このハイランド野生公園の飼育責任者であるダグラス・リチャードソン氏は以前からウォーカー(そしてアルクトス)のパートナー探しを行っているようで、これも前にご紹介していますがリチャードソン氏はウォーカーのパートナー候補としてフィンランド・ラヌア動物園のヴィーナスを考えていたようですが、これはまったく無理な話であることはヴィーナスがランツォを昨年の暮れに出産していることからも明らかですし、まずウォーカーとヴィーナスやヴァレスカは同じ「ロストック系」(ウォーカーの父親はヴィーナスとヴァレスカの兄である)であるわけで、EAZAのコーディネーターがこの組み合わせをアレンジしないのは明らかだからです。

ウォーカーとアルクトスを比較してリチャードソン氏は、血統面は別にして性格面で言えば現時点ではウォーカーのほうがリラックスしていて落ち着いた性格なので繁殖には向いていると考えているようです。 その考え方で行けば現在ではイコロのほうがキロルよりも幾分繁殖向きだということにもなりそうですが、こればかりはなんとも言えません。 そう判断してよいかの確たる根拠はないわけです。 しかしそういう傾向(ウランゲリ、フェリックス、デナリetc.)があるというのも事実です。 いずれにせよ、このウォーカーとアルクトスはハノーファーのシュプリンターとナヌークと並んで、パートナーをどう確保していくかについてEAZA のコーディネーターのお手並みを拝見するしかありません。

ここで一つ、ウォーカーとアルクトスの9月の映像をご紹介しておきます。 当然まだ降雪のない風景です。



(資料)
BBC News (Dec.5 2012 - Highland park polar bears' birthdays marked)
Scotsman.com (Dec.5 2012 - Polar bears celebrate joint birthday in Scotland)
stv.news (Dec.5 2012 - Highland polar bears mark first birthdays together in Scotland)

(過去関連投稿)
ドイツ・ハノーファー動物園のウィーン生まれの双子に別離の時来る ~ アルクトスがスコットランドへ
ドイツ・ハノーファー動物園のアルクトス、スコットランドに無事到着しウォーカーと初顔合わせ
スコットランドのハイランド野生公園、ウォーカーとアルクトスの親密な関係 ~ 雄2頭の同居成功
スコットランドのハイランド野生公園、ウォーカーとアルクトスの近況 ~ 雌の伴侶欠乏世代の個体たち
スコットランド・ハイランド野生公園のアルクトスが歯科治療を受ける
ドイツ・ハノーファー動物園と個体交換交渉を行った札幌・円山動物園 ~ その背景を読み解く
by polarbearmaniac | 2012-12-07 12:00 | Polarbearology

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