街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ ・ サンフェリシアン原生動物園での2009年産室内映像を振り返る ~ その驚嘆すべき質の高さ

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今は去る3年前の2009年11月30日にカナダ・ケベック州のサンフェリシアン原生動物園 (Zoo sauvage de St-Félicien) でエサクバクお母さんがイヌクシュクとの間で産んだ双子のタイガとガヌークについては過去何度もご紹介しています。 この出産時の産室内映像ほど生々しい映像がかつて一般に公開されたことはほとんど無いといってよいでしょう。 産室内のエサクバクお母さんと双子の赤ちゃんの姿を的確にとらえたモニターカメラの映像の鮮明さは驚嘆すべきものです。 記録的価値の非常に高い映像であり、ホッキョクグマのお母さんがどうやって赤ちゃんを出産し、そして産室内でどう育てていくかが非常によくわかる映像の数々です。
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現在はホッキョクグマの赤ちゃんの誕生のシーズンの真っ盛りであり、すでに出産はしているもののその事実を公表していない動物園もあるであろうことは疑えません。 そこで、この時期にあらためてこの2009年暮れのサンフェリシアン原生動物園の産室内映像のいくつかを振り返ってみることにしましょう。 音声は必ずon にして下さい。

まず11月30日のエサクバクお母さんの出産シーンです。 これはあまりにも有名な映像で今まで何度かご紹介しています。



下は生後三日目の映像です。元気に鳴き声をあげている赤ちゃんを口でくわえて抱きかかえるというシーンです。



この下の映像も生後三日目のもので、赤ちゃん2頭の例の "humming
vocalization" が良く聞こえます。 さらに注意して聞いてみますと、これは2つの異なる"humming vocalization" であることが聞き取れます。 つまり、姿は全く見えなくても赤ちゃんは双子で、かつ双方共に順調に授乳を受けているということが断定できるわけです。



これは生後一週間が経過した映像ですが、実に明瞭なことに驚かされます。 7歳になったばかりのエサクバクお母さんが実に落ち着いています。 実に頼もしいお母さんです。



これは生後三週間が経過したあたりの映像です。 エサクバクお母さんの母性が存分に発露されている映像だと思います。



生後五週間が経過した映像です。 これならば順調に成育する...そういう確かな手応えを感じさせる映像だと思います。



さて、世界の動物園での赤ちゃんのさらなる誕生を待つことにしましょう。 

現時点では、

チェコ  2頭
日本   2~(4)頭
オランダ 2頭

です。 以下書くことは冗談半分の話です。今年はロシアの偉大なるお母さんたちは春の繁殖行動期には育児の真っ最中でしたから、毎年「優勝候補」のロシアでの出産はまずないでしょう。 あとは問題はドイツとアメリカとカナダです。 日本が出産頭数の単独首位を確立するためには、どうしてもあと最低一頭に新たにお母さんになってもらわなくてはなりません。 私にはあるだろう (or すでにあった)と予測します。 根拠はありませんが(笑)。 でも一度でいいから日本が赤ちゃんの頭数の世界単独首位になってみたいですね。 こういうチャンスは滅多にありません。 今回を逃したらもう「優勝」のチャンスはないでしょう(笑)。 

それから札幌市と秋田県にお願いしたいのは、ホッキョクグマの赤ちゃん誕生の事実をちゃんと世界に発信してほしいということです。 一般公開のときなどにロイター通信、AFP などの通信社に声をかけて契約カメラマンに来てもらって写真入りの記事を発信してもらうことも効果的だと思います。 モスクワ動物園の赤ちゃんはいつもこうして一般公開のときの可愛らしい写真が世界に配信されているわけです。 円山動物園にロイター通信のカメラマンが来てイコロの写真を世界に配信したことがありますよね (その時はやや問題のある使われ方をされてしまったわけですが (この記事でのイコロの写真の使われ方は日本人に対する皮肉のニュアンスが嗅ぎとれます。 わざわざ日本の動物園のホッキョクグマの幼年個体の写真を使ったということです。)。
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イコロ  Photo(C)REUTERS/Issei Kato

とにかく黙っていてはダメです。 「沈黙は鉛」というのが世界の常識です。 HPだけでの告知では、たとえそれが英語で書かれていても情報発信としては不十分です。 日本もホッキョクグマの繁殖に努力しているという姿を世界に見せなければならないのです。 日本の動物園のホッキョクグマに関してこういうこととか、こういうことだけが海外に発信されることは問題でしょう。

まあそれはともかくとして、「頑張れ、世界中の産室のホッキョクグマたち!」と声援を送ります。

(過去関連投稿)
2004年ドイツ・ロストック動物園でのホッキョクグマの出産の瞬間の映像
by polarbearmaniac | 2012-12-14 07:00 | Polarbearology

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