街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生するも翌日に死亡!

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ヴァレスカお母さん Photo(C) Heiner Otto/ Nordwest-Zeitung

北ドイツの港町であるブレーマーハーフェン市にある臨海動物園 (Zoo Am Meer Bremerhaven) で先週土曜日15日の5時48分にヴァレスカが一頭の赤ちゃんを出産したとのことです。 同動物園でホッキョクグマの赤ちゃんが誕生したのはおよそ40年ぶりのことだったそうです。 ヴァレスカは出産直後にあわてふためいて一度産室から出たそうですが、すぐに戻って赤ちゃんの面倒を見始めたとのことです。 ところが翌日の日曜日の3時43分にヴァレスカは水を飲みに再び産室から一度出て、また戻ってきたところまでの姿はモニターカメラで確認できたそうですが、その後は死角に入ってしまったとのこと。 それから6時間も経過しない9時15分に赤ちゃんが動かなくなっているのがカメラで確認され、死亡したと判断されたようです。 死因については不明とのことです。

非常に残念なことです。 8歳になったばかりのこのヴァレスカはフィンランドのラヌア動物園のヴィーナスお母さんとは双子の姉妹で、今年の4月にラヌア動物園からブレーマーハーフェン臨海動物園に移動して雄のロイドとの間の繁殖が期待されていました。 この件については以前の投稿である「フィンランド・ラヌア動物園のヴァレスカがドイツのブレーマーハーフェン臨海動物園へ」をご参照下さい。 また、このヴァレスカのブレーマーハーフェン臨海動物園への到着の様子や過去にこの動物園でホッキョクグマの繁殖に成功した1960年代の赤ちゃんたちの登場のシーンなど、実に興味深いシーンの数々をドイツの地元の放送局が番組にしていますので是非こちらをご参照下さい。 この放送のなかで、雄のロイドには過去2頭との間で繁殖が試みられたが成功せず、このヴァレスカが3頭目のパートナーだと言っていますね。 さらに下にブレーマーハーフェンの臨海動物園での今年6月のヴァレスカの様子を一つご紹介しておきます。



このヴァレスカがドイツのロストック動物園でヴィーナスと共に誕生したシーンについては、「2004年ドイツ・ロストック動物園でのホッキョクグマの出産の瞬間の映像 」という投稿をご参照下さい。

今回はヴァレスカにとっては初産だったわけですが、結果的には失敗はしたものの来年以降に大きな期待が持てそうです。

(*追記) Radio Bremen のサイトがこのブレーマーハーフェン臨海動物園における過去のホッキョクグマの繁殖について紹介しています。 それによりますと、1935年から48年までの間にズゼ1 (Suse 1) という雌のホッキョクグマが12頭の赤ちゃんを産んでいるそうです。 他の資料によりますとこのあとに同動物園で繁殖の主役を担った雌が伝説の名ホッキョクグマであったズゼ2 という雌で、彼女は1958年から1973年までの間に17頭を出産しそのうち15頭を育て上げているということになっています。 ホッキョクグマの出産頭数の歴代最高記録は私の知る限りロストック動物園のホッキョクグマの16頭だったはずで(雄のパートナーは複数のはずです)、サンクトペテルブルクのウスラーダが世界記録威まであと一頭に肉薄していることになりますがウスラーダの場合は同一パートナー(メンシコフ)で15頭ですので、同一パートナーとの繁殖頭数ではすでにウスラーダは世界記録を打ち立てていることになります。 仮にこのブレーマーハーフェン臨海動物園のズゼ2 のパートナーが同じ雄であるならばウスラーダと同じ頭数になるはずですが、Radio Bremenの記事ではそれが明確ではありません。 この下の写真がそのズゼ2 の写真で、上にご紹介しましたRadio Bremen の番組に登場している映像はこの伝説の名ホッキョクグマであるズゼ 2 の1961年に出産した双子の映像ということになります。
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それから、上にご紹介したRadio Bremen の番組の中でも触れられていますが、今回のヴァレスカの産んだ赤ちゃんの父であるロイドは2006年の3月20日にパートナーとしてライプツィヒ動物船からやってきたセーニャという雌のホッキョクグマに相手にされなかったことに腹を立てて噛みついて振り回し、殺してしまったそうです。 同じ2006年にはこのロイドとイルカが飼育員さんにけがを負わせるという事件もあったそうですね。 その後に2008年にハンブルクからロイドのパートナーとしてやってきたのがヴィクトリアということです。 彼女については過去に何度かご紹介しています。 こういったことで今回のヴァレスカはロイドにとって3頭目のパートナーということになるようです。

(資料)
Zoo am Meer Bremerhaven (News/Dec.17 2012 - Erste Eisbärengeburt seit 40 Jahren im Zoo am Meer! Trotz liebevoller Fürsorge durch die Mutter Valeska starb das Jungtier einen Tag nach der Geburt)
Radio Bremen (Dec.17 2012 - Zuchtversuch im Zoo am Meer wieder gescheitert )
Radio Bremen (Apr.20 2012 - Eine Eisbärin auf Zeit für Bremerhaven)
Nordwest-Zeitung (Dec.17 2012 - Eisbärbaby überlebt nur einen Tag)
(*追加資料)
Radio Bremen (Apr.20 2012 – Eisbären, Zucht und Leben der Bären in Bremerhaven)
Zoo am Meer Bremerhaven (Tragischer Unfall im Zoo am Meer: Eisbärin Senja ist tot)
Nordsee-Zeitung (Dec.18 2012 - Eisbärbaby stirbt nach Geburt)

(過去関連投稿)
ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園での妊娠判定の試み 
ドイツ・ブレーマーハーフェンのヴィクトリア、ハンブルクへ戻る ~ 不可解な状況をどう考えるか?
フィンランド・ラヌア動物園のヴァレスカがドイツのブレーマーハーフェン臨海動物園へ
2004年ドイツ・ロストック動物園でのホッキョクグマの出産の瞬間の映像
by polarbearmaniac | 2012-12-17 22:00 | Polarbearology

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