街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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Polar Bear of the Year (2012)

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クルミ (2012年3月10日撮影 於 男鹿水族館)
Nikon D7000   Tamron 18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD

今年もタイム誌にあやかって今年の日本のホッキョクグマ界で最も活躍したり話題になったりした日本のホッキョクグマのPolar Bear of the Year (2012) を選ぼうと思います。 昨年はララとアイラの母娘を選んでいます。

例年もそうですが今年も選択は意外に難しいです。 それに加えてまだ産室に籠っているものの出産のニュースが流れていないホッキョクグマもいます。 候補としてまず筆頭に考えたのがララです。 2月にアイラと別れたものの再びデナリと繁殖行為があり、そしてまるで当然のごとく期待通りに12月に双子を出産しています。不確定要素があまりにも大きいホッキョクグマの繁殖において、まったく危なげなく出産まで至るというのは実に大変な話です。 ただしかしララはすでに2009年と2011年に選んでいますので今年もとなると少し偏ってしまいます。 次の候補としてデナリも頭に浮かびます。 ララ、キャンディとの繁殖行為を行い、そして彼にとっては新しい居住空間でファンサービスを見事にこなしています。 しかしデナリもすでに2010年に選んでいますので、やはり今年もとなると気が引けます。

そこで今年はクルミを Polar Bear of the Year (2012) に選択することにしました。 クルミについては実は母親となっている姿が事前には想像しにくかったということがあります。 しかしそれは単なる皮相な先入観であったようです。 初産であるものの彼女は現在産室でしっかりと赤ちゃんの面倒を見ているというのが驚きでもあります。 あの偉大なる母であるモスクワ動物園のシモーナですら初産には成功しなかった件については「モスクワ動物園のシモーナ(2) ~ その初産への道のり」、をご参照下さい。 クルミがこうして出産し、そして現時点まで子育てに成功しているのはひとえに幸運の女神がクルミに微笑んでいるからであり、人間の側の寄与と貢献を考える余地はないように思われます。 言い換えれば、これが不確実性に支配されている飼育下のホッキョクグマの繁殖というものであるように感じます。

人間の側の都合で区切られたカレンダーでは12月31日が一年の最終日ですが、ホッキョクグマのカレンダーではそうではありません。 彼らの「今年の」カレンダーでは出産シーズンは来年の1月初頭まで続くわけです。 仮にたとえばキャンディやルルがこれから出産する(した)とすれば、実は本当は今年の Polar Bear of the Year は実はこの2頭のどちらかにしたいようにも思います。 キャンディについては20歳になってからの出産ということになり、そしてルルについては過去何年も出産を期待され続けてきたわけですから、仮にこの2頭が出産すれば、実はクルミの今回の出産よりもわずかながら価値が優ると言えるように思うからです。 しかしキャンディやルルの出産のニュースをこのままいつまでも待つわけにはいきませんので、現時点までで出産があったクルミを今年の Polar Bear of the Year に選ぶことが正しい選択だと考えます。

(過去関連投稿)
Polar Bear of the Year (2009)
Polar Bear of the Year (2010)
Polar Bears of the Year (2011)
モスクワ動物園のシモーナ(2) ~ その初産への道のり
by polarbearmaniac | 2012-12-27 07:00 | Polarbearology

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