街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ北部・ヌナブト準州のアーヴィアト村落で試みられた「ホッキョクグマとの衝突軽減計画」が大きな成果

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アーヴィアト村落の通電フェンスに撃退されるホッキョクグマ  
Photo(C)HAMLET OF ARVIAT

WWFカナダとヌナブト準州のマスコミによりますと、ここ3年にわたってWWFとアーヴィアト村落 (Hamlet of Arviat) の共同作業で試みられてきた 「ホッキョクグマとの衝突軽減計画 (Human-Polar Bear Conflict Reduction Project)」 が成果を挙げつつあり、長年この地区に出没していたホッキョクグマを住民が人命や財産への差し迫った危険を回避するため射殺してきたという状態が無くなりつつあると報じています。 ここ数年この地区に出没するホッキョクグマの数が増えたため自衛を目的として射殺されたホッキョクグマは2010年には8頭、2011年には3頭、そして2012年にはゼロになったとのことです。
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この「ホッキョクグマとの衝突軽減計画」の具遺体的内容ですが、2011年からモニターカメラを設置して10月から12月のホッキョクグマが頻繁に出没する季節の夜間に地元の猟師とWWFの担当者がモニター映像をチェックしホッキョクグマが接近してくるとスポットライトを浴びせて爆竹ですぐさま追い払うというほかに、金属製の容器にドッグフードを入れておき、飼い犬の檻をふくめて村落の一部を通電フェンスで囲うという方法だそうです。 こういったことが効果を上げてホッキョクグマたちはこの地区の村落に寄り付かなくなったそうです。

ホッキョクグマたちが近年この地区に多く姿を見せていた理由は、やはりハドソン湾の氷結期間が短くなったためにホッキョクグマたちが陸地で過ごす期間が多くなり食べ物を求めてこういった人間の集落付近をうろつき始めたことが原因だろうと考えられています。 このアーヴィアト村落の長であるボブ・レオナルド氏は、この「衝突軽減計画」は村落共同体の人々の安全とホッキョクグマの頭数維持の両方を保護するものであると語っています。

このあたりの地区に出没するホッキョクグマを警戒して射殺することなく追い払おうという地元住民の試みとは別に、ホッキョクグマ見たさに物見遊山で現れる観光客もどきの人々もいるそうで、そういった小さなツアーさえ企画されてもいるようです。 以下の映像はこのアーヴィアト村落付近を訪れるそういったツアー人々の様子です。カナダの Arctic Kingdom Polar Expeditions社が企画している “Polar Bear Migration Fly-In Photo Safari” というツアーでの映像です。 至近距離からのホッキョクグマ写真撮影もこのツアーの目玉の一つということになります。



俗に Polar Bear Tourism というものですが、こういったホッキョクグマの存在を脅威と感じている地元村落の人々や、ホッキョクグマの存在を観光資源にしようとする人々など、、まあいろいろと立場は異なるわけです。

(資料)
WWF Canada – News & Reports (Jan.31 2013 - Hamlet of Arviat and WWF-Canada celebrate success of Human-Polar Bear Conflict Reduction Project)
Nunatsiaq News (Jan.31 2013 - WWF project in Nunavut reduces polar bear defence kills in Arviat)
CBC News (Dec.9 2010 - Polar bears invade Nunavut areas)
Arctic Kingdom Polar Expeditions,Inc. (“Polar Bear Migration Fly-In Photo Safari”)

(過去関連投稿)
カナダ北部、ヌナブト準州の村落近くでホッキョクグマ親子3頭が射殺される ~ 経験と科学の相克
by polarbearmaniac | 2013-02-01 17:00 | Polarbearology

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