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クヌート、ベルリンに戻る! ~ クヌートの剥製標本が遂にベルリンの自然史博物館で公開

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Photo(C)Getty Images
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Photo(C)Clemens Bilan/dapd

あのクヌートが再びベルリンに戻ってきました。先日の投稿でご紹介していましたが 昨日の金曜日にベルリンのインヴァリーデン通りにある自然史博物館 (Museum für Naturkunde) でクヌートの完成した剥製標本が報道陣と関係者に公開されました。 なかなか見事な出来栄えだと思います。 当たり前の話ですが、これはもう妥協を許さない徹底的に熟練のプロの仕事だと思いました。 予想を遥かに上回るものだと思います。 特に鼻の光っているあたりは実にリアルです。体毛はクヌートのものをそのまま使用しているそうです。

以下、そのお披露目のニュース映像です(場合によっては冒頭にCMが入ります)。



このクヌートの剥製標本の制作についてはクヌートファンや動物保護活動家グループのPERAなどから強い反対の声があがっていたことは前回もご紹介していますが、一部の過激なファンからは脅迫めいた手紙すらあったそうです。 しかし自然史博物館のフォーゲル館長は、「この今回のクヌートの剥製標本は『クヌート現象』というものについて社会と共に語るということへの貢献となるのです。」といった内容のコメントをマスコミにしています。 このクヌートの剥製標本は3月15日までの一ヶ月間この博物館の正面のロビーに置かれ、無料で見ることができるそうですが、過激なクヌートファンによる破壊からこの剥製標本を守るために、土曜日からの一般公開には保護ガラスのケースの中に入れられて展示されるそうです (上の映像でもそれが見てとれます)。 警察官もこの場所で警戒にあたることになると報じられています。 仰々しい話ですがしょうがありませんね。 こ ういう状況を作り出してしまったのも 「クヌート現象」 だということも言えるかもしれません。
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Photo(C)AP

(追記) この今回のベルリンの自然史博物館のクヌートの展示物はドイツ語で、” Knut-Präparat”、” Knut-Plastik”、"Dermoplastik" などと表現されています。 最後の用語の "Dermoplastik" はこの自然史博物館の館長さん、そしてこの自然史博物館自身が採用している表現です。 ドイツの報道の多くは最初に挙げた” Präparat”、” を採用しています。 いずれにせよ、厳密に言えばこれは「剥製」 (Taxidermie) とは異なるわけです。 一方、英語圏の報道ではこれを “Lifesize Model”、”Museum Display”、”Statue prepared by taxidermists”、などという苦心惨憺した訳語を付与しています。 日本語で言うところの「剥製」というのはいろいろな制作方法があるそうで今回の展示物も広義の意味では「剥製」の一部になり得る可能性はあります。 そして英語で言う ” Taxidermy”(剥製)はもっと広義なものを含むそうですから、今回の展示物を英語圏で Taxidermy と表現している報道がいくつかあるのもうなずけます。 非常に難しいですが、ベルリンの自然史博物館の用語使用の意図はどうであれ、日本語や英語で言うところの「剥製」というカテゴリーから今回の展示物を排除するのも躊躇しますので、本稿では「剥製標本」という日本語の訳語を付与しておきました。

(資料)
Spiegel Online (Feb15 2013 - Präparierter Knut: Comeback des Über-Bären)
DIE WELT (Feb.15 2013 - Eisbär Knut: Ab Samstag im Museum)
BZ (Feb.15 2013 - Plastik enthüllt: Berlin ist wieder Knut)

(過去関連投稿)
ベルリンの自然史博物館においてクヌートの剥製標本の展示が開始へ
by polarbearmaniac | 2013-02-16 19:00 | Polarbearology

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