街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

カナダ・サンフェリシアン原生動物園で次の繁殖シーズンへ向けての同居開始 ~ 各国での次の繁殖を占う

a0151913_19443595.jpg
エサクバクとイレ Photo(C)Les Hebdos Régionaux Québecor Média

カナダ・ケベック州のサンフェリシアン原生動物園 (Zoo sauvage de St-Félicien) で2012 - 13年のホッキョクグマの出産シーズンに、世界の動物園の中でも出産可能性の本命であったエサクバクが繁殖に成功しなかった件については先日投稿しています。 このエサクバクはすでに展示場に復帰していますが次の出産シーズンに向けて雄のイレ (Yellé) と同居生活に入っています。 世界の動物園で2012 - 13年 のシーズンに誕生した赤ちゃんたちはこれから次々と戸外に姿を現すわけで、そうしたニュースが注目される一方で、他の動物園ではもう次のシーズンへの準備が着々と進行しています。 これは旭山動物園や天王寺動物園や、その他のいくつかも日本の動物園でも全く同じことです。

ここでサンフェリシアン原生動物園によって公開されたエサクバクとイレの同居の様子がありますので見てみることにします。 まず2月15日の映像です。 これはもう早々と時間の問題という感じですね。



続いてこれは昨日公開されたものですが2頭がじゃれあっています。



この感じで言えばまだこういった様子が続くのではないでしょうか。 この雄のイレというのはま7歳で彼はオランダ・レネンのアウヴェハンス動物園であのフギースお母さんから生まれた三つ子の一頭です。 彼はカナダとオランダの間の個体交換でこのサンフェリシアン原生動物園にやってきたのですが、年齢が若いということもあって現時点では繁殖と言う点では未知数ですが楽観的に考えてよいように思います。 一方、雌のエサクバクはすでに2009年にイヌクシュクとの間にタイガとガヌークの双子兄弟を生んでいます。 イヌクシュクは現在はトロント動物園でオーロラとの間の繁殖を目指しています。 一昨年も昨年もこのオーロラはイヌクシュクとの間の赤ちゃんを出産していますが、一昨年は3頭誕生したうち生き残ったハドソンが人工哺育、昨年は三つ子を出産したものの全頭死亡してしまった件は全て今までご紹介しています。

札幌・円山動物園はデナリとキャンディとの間でまた繁殖が試みられるのでしょうか。 BL契約期間の延長問題も係りますからなんともいえないかもしれませんが、そうなる可能性は比較的大きいのではないでしょうか。 まあ、豊橋の動物園の考え方次第でしょう。 仮に、またデナリとの間で繁殖が試みられ、そして繁殖行為があった場合はやはり晩秋から「世界の熊館」の全面閉鎖という措置が取られるのかどうかも気になります。 そうなれば現在産室にいるララと双子の赤ちゃんは11月のある時期から一カ月以上にわたって会うことができなくなるというような、いつものララの赤ちゃんたちの展示公開とはやや異なる状況になるでしょう。 それとも現在デナリの暮らしている展示場にララ親子を移動させてその期間も展示を継続するのかなど、今までにない場面が生じてくるでしょう。 それともキャンディを豊橋に戻してクッキーを男鹿に移動させ旭山のルルを札幌に移動させますか? その場合はツヨシを旭山に移してピリカを帯広に戻すことになりますが帯広では3頭飼育するスペースはないですから、どうなりますでしょうか。 結局はこれも飼育スペース確保の問題がカギを握ります。 あと、毎年のことですが旭山のイワンへの期待をいつまでも期待のままで終わらせておいて欲しくはないという問題と、大阪のゴーゴがどこまで男になれるのかという問題もあります。 ゴーゴの場合は母親があまりに偉大なので周囲が期待過多になっているかもしれません。 とにかく今年は最低線、繁殖行為までいかないといけませんね、 あと、期待して見守りたいのは仙台です。 あそこでカイとポーラの間で繁殖しないようでは日本のホッキョクグマ界の先行きはいよいよ真っ暗になってしまいます。 問題の姫路は....何と言ってよいのか、わかりません。

欧州では奇妙な状況になっています。 ニュルンベルク動物園(ドイツ)、オールボー動物園(デンマーク)、アウヴェハンス動物園(オランダ)という 「欧州ホッキョクグマ繁殖新御三家」 は今年は繁殖を試みないということでしょうか。 これらの動物園で飼育されている幼年個体に移動の発表がありません。 状況が読めません。 要するに移動させたくても受け入れるだけのスペースを他の動物園が確保できないという状況もあるでしょう。 やはりここでも飼育スペース確保の問題がカギです。 しかしこの3園ではここのところ十分に繁殖の結果が出ていますから、ここで1年お休みということならそれも理解できます。 ロッテルダム動物園(オランダ)のエリックの昨年秋口からの体調の不調は回復しているのでしょうか? これもよくわかりません。 そうなると頼みとなるのはドイツのいくつかの動物園の既存の固定ペアですが、これも読めませんね。 ブレーマーハーフェン、ミュンヘン、ハンブルク、そしてシュトゥットガルトのうちの一つは期待できそうです。 ロストックでもラルスが頑張ってくれることを期待しますが、雌のヴィエナがもう24歳ですから果たしてどうでしょうか。 その他の国ではあと、デンマークのコペンハーゲンには期待したいところです。 フランスのフロッケとラスプーチンは難しいと考えますがどうでしょうか。 スウェーデンのオルサ・グレンクリット・ベアパークのヴィルベアとエヴァも来期はまだといったところでしょう。 どうも来期は明確にこれといった計算できるペアがありません。

ロシアはモスクワ動物園の動向がよくわかりません。 あそこはそういった動きがいつも全く読めません。ひょっとして三つ子ちゃんたちはもう一年シモーナお母さんと暮らすのでしょうか? 昨年暮れに誕生しているはずのムルマお母さんの一人っ子ちゃんはムルマお母さんと共にバックヤードに隠匿されているという未確認情報もありますが、実はその生死すらわかりません。 この一人っ子ちゃんの姿を写した写真は現在に至るまで1枚も存在していません。 そもそもこの一人っ子ちゃんの両親であるムルマお母さんとウムカの姿は、私が一昨年の9月にその姿を見て以来まったく消えてしまっています。 ネット上にもその姿を確認することは困難です。 何か隠された事情があるのだと思います。 しかし単純に考えれば、ムルマお母さんと一人っ子ちゃんを表に出すよりもウランゲリをバックヤードから表に出してやりたいという意図からでしょう。 なにしろあそこの担当者の方々もお年寄りの常連客も皆さんウランゲリにぞっこん惚れこんでいますから、シモーナの子育て中でもウランゲリをバックヤードから出してやりたいということなのでしょうか。  まあ、 「謎の国ロシア」といった感じでしょう。 私も昨年秋にモスクワに行ったときに、かつてからいろいろなことを教示してもらっている同園の飼育担当者に差し支えない範囲内で事情を聞いてみたいと思っていましたが、肝心の担当者が全く姿を見せませんでした。 いや、というよりも私が三つ子ちゃん達ばかり見ていて他には気がつかなかったということでしょう。 たとえ担当者に聞いてみたとしても私の経験上、まず本当のことを言ってはくれなかったでしょう。 それどころか非常に警戒されたでしょう。 私としても今までのモスクワ動物園のホッキョクグマについていろいろな情報をくれたりした方への恩義もありますので、相手が答えにくいことをあえて突っ込んで聞くような野暮なことはしたくありません。 でもまあ、シモーナやムルマがここで1年、繁殖をお休みするのはいいことかもしれません。 彼女たちは1年おきの出産がここのところ続いていましたからね。  さて、サンクトペテルブルクのレニングラード動物園ではウスラーダとメンシコフという黄金のペアは不動ですから問題ないでしょう。 ただし、ウスラーダの25歳という年齢には幾分不安が残りますが、あの女帝ウスラーダのパワーならばそれを跳ね返す体力は十分にあると期待しています。 一方でカザン市動物園はユーコンとマレイシュカの関係は私が現地で見た限りでは良好とはいえないように見えましたので、これも難しいでしょうか。 エカテリンブルクとチェリャビンスクは来期どうしても期待したいところですが、これも決して楽観的な見通しが立ちません。

アメリカの動物園では既存の固定ペアでの繁殖に期待するしかありませんが、ある程度計算できるペアといえばトレド動物園のクリスタルとマーティのペアですが、昨年暮れにクリスタルが出産していますので、次のシーズンではナヌヤークとマーティのペアに期待がかかります。 ただしこれも計算できるとまでは言えないように思います。 あとはやはりコロンバス、デンバー、デトロイト、サンディエゴといったところでしょうか。 しかしこれも計算ができるというところまでは言えないように思います。 どこかでサプライズを期待したいところです。 あと、オーストラリアのシーワールドは有望かもしれません。 ただしあそこは現地の常連といった人がいませんから状況が今一つわかりません。

世界の動物園での2013-14の繁殖シーズンがどうなるのかは、このように視界不良です。現時点では今回ご紹介しているサンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペア、そしてトロント動物園にイヌクシュクとオーロラのペア、この2つだけがある程度計算のできるペアということになるでしょうか。

(過去関連投稿)
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、展示場に復帰 ~ 本命の意外な失望結果
by polarbearmaniac | 2013-02-19 20:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

大阪・天王寺動物園がゴーゴの..
at 2017-09-22 01:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2017-09-21 01:00
アメリカ・オレゴン動物園のノ..
at 2017-09-21 00:30
ピョートル(ロッシー)とクラ..
at 2017-09-20 06:00
ロシアのサーカス団の4頭のホ..
at 2017-09-20 00:30
デンマーク・オールボー動物園..
at 2017-09-19 01:15
ポーランド・ワルシャワ動物園..
at 2017-09-18 02:00
ロシア極東・沿海州、ハバロフ..
at 2017-09-17 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2017-09-16 06:00
とくしま動物園のポロロの充実..
at 2017-09-15 03:00

以前の記事

2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag