街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・ワシントン州 タコマのポイント・ディファイアンス動物園のボリスに4時間半の複合治療処置

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Photo(C)THE NEWS TRIBUNE

アメリカ・ワシントン州タコマのポイント・ディファイアンス動物園 (Point Defiance Zoo & Aquarium) で飼育されている27歳の雄のボリスに対して週末の土曜日に麻酔をかけた4時間半もかかる治療が行われたことが報じられています。 このポイント・ディファイアンス動物園のホッキョクグマ担当の飼育員さんたちは自分たちの担当動物であるホッキョクグマの世話に非常に熱心で、自分の家族と過ごす時間よりも勤務先の動物園でホッキョクグマたちを相手のする時間のほうが長いというほど熱心な飼育担当者ですが、最近このボリスの眼と歯に異常があることがわかり、今回その治療が行われたわけでした。
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Photo(C)THE NEWS TRIBUNE

動物園で麻酔にかけられたボリスを病院に移動させ、12人にものぼる数の獣医療スタッフが麻酔で眠っているボリスの治療にあたったそうで、時間を無駄にしないだめでしょうか、複数の治療措置が同時進行で行われたそうです。ボリスの歯の歯根管治療、眼にできた突起物の除去、伸びすぎた爪を切る作業、小さな傷への治療薬塗布、その他このボリスの健康状態をチェックするための作業などだそうです。 特に歯の治療が相当面倒だったらしく、ホッキョクグマの歯の治療を長年手がけている動物歯科の獣医さんは、金属による詰め物をするために人間の歯の治療の場合よりも三倍以上深く削らなければならないという点の難しさを指摘しています。 この今回の複合治療処置の様子を一部以下でご覧いただきたいと思います。



四時間半を費やした一連の治療措置と健康チェックは終了し、ボリスは無事に動物園に戻されたそうです。健康チェックの結果、歯に若干の問題がある点と軽い関節炎がある以外は、ボリスの健康には問題が無いことがわかったそうです。27歳と言う年齢からいえば、非常に素晴らしい健康状態であるという所見が出たそうで、ボリスもまだまだ元気でいられるでしょう。
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Photo(C)THE NEWS TRIBUNE

このボリスというのは実は以前に訃報という形で御紹介したことのあるこのポイント・ディファイアンス動物園で飼育されていたケネスと同様、東ドイツでサーカス団で演技を行い、その後にメキシコの巡回サーカス団で劣悪な境遇におかれていたもののPETAの告発によってアメリカの内務省・魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service) によって保護されタコマのポイント・ディファイアンス動物園に移されたホッキョクグマです。 ただしケネスと異なるのはケネスは野生出身であったもののこのボリスは当時の東ドイツのロストック動物園で生まれた個体であるということです。 いくら東ドイツという国家体制の下であったにせよ、世界の飼育下のホッキョクグマの血統登録管理を行っているロストック動物園が、飼育下で生まれたホッキョクグマをサーカス団に渡してしまったのはまったく感心できません。 今から25~30年前ではまだこんなことがされていたという点でも驚きです。

さて、このポイント・ディファイアンス動物園でのボリスの映像を見てみましょう。 4年ほど前の映像のようです。



(資料)
TheNewsTribune.com (Feb.23 2013 - Root canal, eye work for Point Defiance polar bear)
TheNewsTribune.com (Feb.23 2013 - A Polar bear exam at Pt. Defiance Zoo & Aquarium)
The Seattle Times (Feb.23 2013 - Boris gets a root canal)

(過去関連投稿)
アメリカ・ワシントン州タコマ、ポイント・ディファイアンス動物園のケネス逝く
by polarbearmaniac | 2013-02-25 01:00 | Polarbearology

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