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中国・北京動物園が新ホッキョクグマ館の飼育環境についてネット上で「告発」を受け、対応に苦慮

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水を抜くとコーティングが剥けていた北京動物園の展示場のプール
Photo : 微博

中国においてTwitter と掲示板の中間的な性格を持つウェブサイトに「微博」という非常に有名なものがあります。 このサイトは中国国内で非常に人気があり、すでに3億人以上のユーザーがいるそうです。 こういったサイトをマイクロブログと呼ぶらしいですが、日本のマスコミなどもこの「微博」のようなマイクロブログをチェックすることによって中国人のいろいろなトピックに対する生の声を知ろうとしています。 私の友人の一人の中国通の男は毎日のようにこの「微博」の書き込みを読んでいると言っていました。

実はここ数日、このマイクロブログで、あるユーザーが北京動物園のホッキョクグマ館 (北極熊展区 - Polar Bear Hall) の展示場の状態を告発する投稿を行いました 。 この告発をめぐって現在中国の動物ファンの間ではホットな話題となっていますので、ごくごく簡単にその経緯をご紹介しておきます。

あるユーザーが最初に投稿した告発の内容ですが、端的に言えば現在の見ての通りの北京動物園のホッキョクグマ館を写した冒頭の写真を添付して「告発」したわけです。 このユーザーは写真の他に後から映像もネット上にアップすることによっても北京動物園を追及しました。 冬期の氷結を防ぐためでしょう、プールの水は抜かれていますが、そのプールの内側のコーティングガ剥げて、めくれあがっているという状態です。 「これではホッキョクグマたちは水も飲めないではないか!」とも抗議しています。 その北京動物園のホッキョクグマ館の状態に対する」「告発」の投稿に対して多くのコメントが書き込まれました。 そういったコメントの多くは 「北京動物園はけしからん!」 という内容です。 それはそうでしょう、 この冒頭の写真だけ見ればひどい状態に見えます。
(*追記 - この写真の状態の動画は以下です。)


実は私は昨年の11月に北京動物園を訪問して、この新しく完成したホッキョクグマ館 (北極熊展区 - Polar Bear Hall) を見てきました。 現地で投稿したレポートは「秋晴れの北京動物園へ ~ 遂に待望のホッキョクグマたちとの再会!」、「北京動物園のサイモンの素顔 ~ 冷静さと遊び心の素晴らしいバランス感覚」、「北京動物園のムーシャ(美美)の素顔 ~ 青春を謳歌する活発な小娘」、「北京動物園の将来繁殖が期待される若年ペアの様子、そして新ホッキョクグマ展示場の概要」の4つの投稿をご参照下さい。 この北京動物園の施設の概要についてはその時に撮影した以下の映像をご参照下さい。



私の見た感じではこの新ホッキョクグマ館はホッキョクグマたちに十分なスペースが与えられておりプールも非常に広かったと同時に、土の部分や草の生えた部分などもあってホッキョクグマたちにとっては悪くはない環境に見えました。人の視線の角度から見るとプールの水がどの程度濁っているかはよくわからなかったというのも事実でした。 しかしこの時は北京動物園の新施設を、その広さの点において好意的に受け止めたわけでした。 ですからこうしてプールの水を抜いた状態がどういうものであるかは予想がつかず、ましてや冬場にこのように水を抜いた状態で飼育が行われるとは思ってもいませんでした。

ところがやはりさすがに中国と言うべきか、プールの工事をみると安普請で作られていたというわけです。北京動物園は「微博」での「告発」に対して動物園の公式ブログでこの件について釈明したわけでした。 それによりますと、「昼夜の温度差が大きいためにプールのコーティングが剥げてしまったので、もっと厚いコーティングをほどこすことにする。 とりあえず現在のめくれたコーティングを除去してきれいにする。 ホッキョクグマに対しては飲み水は別にちゃんと与えている。」 という内容です。 北京動物園はネット上での批判の激しさに対応するためにすぐさま、このホッキョクグマ館の展示場の清掃作業を行ったようです。 それの結果をチェックしに行ったユーザーによって下の写真がアップされています。
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Photo : 微博

たしかにきれいになっています。 しかしネット上ではさらに、なぜこのプールの底には泥土が溜まっているのか、それを流す構造に欠陥があるのではないか、なぜ冬場に水が凍結しないような装置を用意しないのか、その他いくつかのさらなる批判が何人かのユーザーによってなされていますが、いちいちここではご紹介しません。 この北京動物園はもちろん公営の動物園ですから、その動物園の管理者は一般の中国人にとtってみれば「当局」というわけです。 相手が動物園に限らず、こういった「当局」に対する批判がなされると、その声はなかなか消えるということはありません。 なにかについて「当局:への不信と反感を持っている一般の中国人の怒りが動物園にも向けられたと理解できましょう。ただし今回のこの「告発」の内容に関する限りは多少なりとも強調されすぎている面はあるとはいえ、もっともなことだとも思えます。 人民日報もこの話題をとりあげるなど、これはなかなか興味のある議論になっています。

(資料)
千龙网 (Feb.22 2013)
中国质量报 (Feb.22 2013)
新京报 (Feb.23 2013)
人民网 (Feb.24 2013)
中国嘉兴 (Feb.25 2013)
北京動物園マイクロブログ (北京动物园微博

(過去関連投稿)
秋晴れの北京動物園へ ~ 遂に待望のホッキョクグマたちとの再会!
北京動物園のサイモンの素顔 ~ 冷静さと遊び心の素晴らしいバランス感覚
北京動物園のムーシャ(美美)の素顔 ~ 青春を謳歌する活発な小娘
北京動物園の将来繁殖が期待される若年ペアの様子、そして新ホッキョクグマ展示場の概要
by polarbearmaniac | 2013-02-26 01:00 | Polarbearology

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