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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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再び繁殖に挑む札幌・円山動物園のキャンディ ~ 過度の楽観は禁物の彼女の再度の挑戦

再び繁殖に挑む札幌・円山動物園のキャンディ ~ 過度の楽観は禁物の彼女の再度の挑戦_a0151913_23291116.jpg
キャンディ (2012年1月14日撮影 於 札幌・円山動物園)

札幌・円山動物園によりますとキャンディは豊橋総合動物公園とのBL契約の延長がなされたため、さらに再度デナリとの間で繁殖に挑戦することになったという趣旨のことが数日前に明らかにされています。 これは予想されたことで今さら驚くこともないのですが、やはり今年の年末に朗報が聞けることを楽しみにしています。

飼育員さんのブログによりますと昨年暮れのキャンディの出産後に赤ちゃんが死亡した状況が語られていますが、最初に出産した一頭の死因は圧死の可能性が強く、次に出産した一頭は死産であった(らしい)という趣旨の内容が書かれています。 そうしますと同園の当初の発表であった 「数時間経過しても子育てする様子が見られず」 という内容と事実とはかなり違うことになります。 通常は動物園としての発表は単に 「同日死亡した」 とだけ書くものですが、今回の発表は内容を突っ込んで 「子育てする様子が見られず」 とまで述べたことにはいささか首をかしげたくもなります。 ただしかし私は一般的に子育てする様子を見せなかったホッキョクグマの母親はよくある話であり、そういった母親を責める気は毛頭ありませんので当初の同園の発表と、後日飼育員さんによって語られた内容が天と地との開きがあるとまでは個人的には全く感じてはいません。 

さて、キャンディの次回の繁殖への挑戦ですが、私も非常に期待はするものの現実には前回の昨年の場合と比較して成功率がずっと高いとまで希望的には考えていません。 確率的にはほぼ同じ、つまり前回同様、いや前回以上に厳しいと考えてよいように思います。 確かに今回の経験をふまえての挑戦であることを考えれば成功の確率はより高くなるとも言えますが、実は今まで世界の諸事例を折々にわたって調べてみた限りでは、年齢が高くなると 「二回目」 というのは初回よりも難しいケースが散見されるわけです。 20歳前後で初めて繁殖の試みがなされた場合は、むしろ 「初産」 こそ最高のチャンスである傾向があります。 問題は最初の段階である繁殖行為の有無についてです。 これが微妙なわけです。 二回目以降の場合で、ごく最近の身近な例でいえばサツキとイワンとの関係などはそう言えます。 ともかくこういった二つの相反するであろう要素が相殺されることを考えれば、次回の今年の暮れに関しては前回の昨年末の出産と確率的には同じだろうと見ています。 私は、キャンディが母親になるのだったら昨年末の出産時が実は最大のチャンスだっただろうとも思っています。 初産には失敗したが二回目(あるいは三回目)に成功したという、飼育下のホッキョクグマによくあるパターンは、実は年齢が10歳以下である場合が圧倒的に多いわけです。 20歳前後になればむしろ「初産」こそが最大の勝負である場合がほとんどだ考えたほうがよいわけです。 ただしかし、ホッキョクグマの繁殖に関しては何一つ未来の明確な予想はできないということもご存じの通りです。 どんなことでも起こり得るのがホッキョクグマの繁殖であるわけです。

キャンディにとっての道のりの厳しさは前回と少しも変わってはいないように思われます。 ともかく過度の楽観をせず冷静に見守るしかありません。

(過去関連投稿)
秋の日曜日のホッキョクグマたち ~ 「来たるべき日」についてどう予想するか
正念場のキャンディが 「晴れ舞台」 に立つ日は来るか?
札幌・円山動物園で再びホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生するも2頭とも死亡!
by polarbearmaniac | 2013-03-09 01:00 | Polarbearology

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