街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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雪景色の中でのホッキョクグマの姿 ~ 地球温暖化と降雪量、積雪面積との複雑な関係

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カナダ・サンフェリシアン原生動物園でのエサクバクとイレ
Photo(C)Zoo sauvage de Saint-Félicien

今年の冬の雪の上で遊んだりくつろいだりしている飼育下のホッキョクグマの姿を二つご紹介しておきます。まずフィンランドのラヌア動物園のヴィーナスお母さんと息子のランツォの姿です。



次はカナダ・ケベック州のサンフェリシアン原生動物園でのエサクバクとイレのペアの姿です。



もう3月も中旬に入っていますが北海道の天気予報を見ますと以前ほどではないにせよ、まだ依然として「雪」のマークが散見されます。 北海道、特に札幌を中心とした地域を写したこの冬の写真などを見ますと今年は積雪量が多いという印象を受けます。札幌管区気象台のデータから言うと、「3月11日の段階で最深積雪は131cmを観測し、3月の最深積雪としては観測史上(1890年以降)第4位の深さ」ということだそうです。

さて、実はロシア・西シベリアのノボシビルスク市で1月に開催された「世界雪フォーラム2013(World Snow Forum 2013)」でロシアの学者が次のような発言をしているそうです。

「温暖化で地球の積雪量が増えるという矛盾が起こっている。この現象はシベリアの広い地域で見られ、10~20年前よりも積雪が多くなっている」。「現在は世界的な温暖化の時代にあり、気温の上昇とともに大気中の湿度も上昇するため、寒冷地の降雪量が増えている。これは大気の成分や循環の変化に対して、降雪が非常に敏感であることを証明している。人為的な環境改変の影響を評価する際、この点に注意する必要がある。」 (ロシア NOW Jan.18 2013 - 「温暖化で大雪というパラドクス」)

なるほどとも思います。 札幌の雪の多さもこのロシアの学者の言うことに結び付けたくもなります。 しかし実は問題はそう簡単なことではないらしく、たとえば以下で北半球の積雪面積の推移を見ると若干減少傾向にあるわけで、これには地球温暖化の影響があるのかもしれないとも思うわけです。
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IPCC第4次評価報告書

となると、ある地域には積雪量が増えてはいるものの、北半球全体で見ればそうでもないということのようです。 そうすると、地球温暖化と札幌の最深積雪の多さとの間に何らかの理由を見つけようというのは難しいでしょう。札幌やロシアのシベリアで雪が多くなってきたからといって世界的に見れば積雪面積が減少傾向にあるわけです。 いや、そもそも札幌の積雪量は本当に最近増加してきたのでしょうか? 以下のグラフを見ると必ずしもそうでもないことがわかります。 
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減ってはいないものの増えてもいないということになるのではないでしょうか。 なかなか難しい話です。

(資料)
気象庁 (気象統計情報
ロシア NOW Jan.18 2013 - 「温暖化で大雪というパラドクス
さっぽろお天気ネット(札幌管区気象台・降雪量記録
日本の海水・降雪・積雪と温暖化 pdf (気象庁地球環境・海洋部)
by polarbearmaniac | 2013-03-15 02:00 | Polarbearology

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