街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

男鹿水族館のクルミの赤ちゃんの性別、及びクルミお母さんの母親像を予想する

a0151913_23411829.jpg
Image:男鹿水族館

男鹿水族館で昨年12月4日に電撃的にクルミお母さんから誕生した一頭の赤ちゃんですが、生後127日が経過した本日になってもまだ一般公開にはなってはいません。 この赤ちゃんの性別の予想は実はクルミの出産後3日ほど経過した時点で「『ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual) 』よりの考察(5) ~ 赤ちゃんの頭数・性別は事前予測可能か」という投稿で考えてみたことがありました。そのときの私の予想では雄(オス)だったわけですが、それからもう4か月も経過しているわけで、その後の室内映像などから再度この赤ちゃんの性別を予想してみたいと思っています。 しかし予想するにしても大きな難点が2つほどあり、一つは戸外での映像がないという点と、もう一つは1頭であるために兄弟姉妹との行動の比較ができないという点です。 以前にも申し上げていますが、性別検査前のこういった性別予想というのは円山動物園の新ツインズの場合と同様に、あまり意味はないということです。 ましてやクルミ母娘はが戸外に出た様子がわからない現時点では一層無意味なもののように思います。 それでもあえてこうしたことを試みる理由は、ああだこうだと予想しながら楽しんでいる私自身の単なる暇つぶしというべきか、それとも何かの話題について語る時の「酒の肴」といったものと理解していただきたく思います。 ですから、私がここで行っている性別予想をあまり真面目に受け取ってもらっては困るわけです。

まず、クルミお母さんと赤ちゃんとの関係ですが、3月19日と24日の映像で見てみましょう。 赤ちゃんが冒険心を発揮してお母さんから離れようとしているのか、それともお母さんにくっつきたいと思っているかについてです。







この3つの映像だけでは行動の評価は全くできませんね。 行動範囲が限られている理由は、このスペースがそもそも閉じた空間であるために、たとえ赤ちゃんがお母さんから離れていたとしてもそれが相対的な意味しかもたないということです。 あえて何か言えというのであれば、顔つきは幾分雌(メス)、体つきは幾分雄(オス)という感じが若干しないでもありません。(ただし、動画から切り出させてもらった写真では雄・雌の印象は動画とは逆転して見えますが。)  しかし動画で見る行動からの判断は全く不可能であると思います。 とすれば、やはり以前にご紹介しているロシアの生物学者であるイーゴリ・トゥマノフ氏の研究で示された報告をもとにした予想をそのまま現時点でも維持するしかないように思います。 とすれば、性別の予想は依然として「雄(オス)」 ということになるわけですが....。
a0151913_23472868.jpg
Image:男鹿水族館

しかし私にとっては赤ちゃんの性別以上にクルミお母さんの母親像のほうに興味が向かいます。 そのクルミお母さんについてですが、今まで男鹿水族館が公開した映像のいくつかを見る限りにおいては円山動物園のララお母さんとは相当に異なる育児を行う (行うであろう) 母親に見えます。 クルミお母さんにはある種の「おおらかさ」や「鷹揚さ」といでもいったものが感じ取れなくもありません。 この親子が戸外に出てきた姿を見なければ何とも言えませんが、ひょっとしてクルミお母さんはデンマークのオールボー動物園のマリクお母さんに似た育児を行っている(行うであろう)ように見えなくもありません。 ということは、仮に戸外に登場したとすればクルミお母さんは育児とは別の自分自身の時間を十分に確保しようとする母親だということになります。ですから、この赤ちゃんが自ら望まない限りはクルミお母さんが敢えて赤ちゃんを遊びに誘うということまではしないように思います。 そういった干渉は行わないお母さんだ...そういうことになります。 もう何度も書いていますが、私が何頭も接してきた限りではホッキョクグマのお母さんたちはそれぞれが全部別の子育てを行うわけです。 ですから尚更、クルミお母さんの母親像には注目すべきなのです。
a0151913_1312444.jpg
Image:男鹿水族館

ともかく、お母さんが水に入って楽しそうに泳ぐ姿を赤ちゃんに見せないことには赤ちゃんも水に親しむようにはなりにくいように思います (アイラの場合は必ずしもそうとまでは言えなかったですが)。 赤ちゃんというのはお母さんが何をやるのかを注意深く見ているわけです。 お母さんのやらないことを赤ちゃんが積極的にやるはずはないだろうと思います。 一般公開の日取りとは別に、思い切って夕方の閉館後にこの親子を積極的に戸外に出し、プールの水は通常通りの水位にしておいてクルミお母さんに存分に泳がせてあげたほうがよいようにも思います。 仮に誤って赤ちゃんが水に落ちたとしても、お母さんが必ず救い上げるであろうことは間違いありません。

釧路市動物園で1990年にコロお母さんが産んだ三つ子の赤ちゃんのうち一頭が翌年の1991年に生後半年も経たないうちに溺死してしまったのも、あれが三つ子であったがためにさすがにあの偉大な母であったコロお母さんも全てに監視の眼が届かなかったほんの僅かの瞬間があったということなのだろうと思います。 しかし今回の赤ちゃんは1頭ですので、たとえクルミお母さんが母親初体験であっても、お母さんの監視の眼は十分に行き届いていることに疑問の余地はないと思われます。 炎天下に駐車した車の中に子供を置いたままパチンコ屋に行くような人間の母親とは違って、ホッキョクグマのお母さんは遥かに信用に値することに間違いないわけです。

(過去関連投稿)
男鹿水族館でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
男鹿水族館でのクルミと赤ちゃんの産室内映像が公開
男鹿水族館が産室内のクルミと赤ちゃんの新映像を公開
男鹿水族館がクルミの赤ちゃんの産室内新映像を公開 ~ 生後17日目の状態
男鹿水族館がクルミの赤ちゃんの産室内新映像を公開 ~ 生後20日目の状態
男鹿水族館がクルミの赤ちゃんの産室内新映像を公開 ~ 生後5週間経過後の状態
ララ (円山動物園) とクルミ (男鹿水族館) の赤ちゃんの近況
男鹿水族館がクルミの赤ちゃんの産室内新映像を公開 ~ 生後50日経過後の状態
男鹿水族館がクルミの赤ちゃんの産室内新映像を公開 ~ 生後53日目の状態
男鹿水族館がクルミの赤ちゃんの産室内新映像を公開 ~ 生後65日目の状態
男鹿水族館のクルミの赤ちゃんが産室外の通路に出る
男鹿水族館がクルミの赤ちゃんの産室内新映像を公開 ~ もしも営業担当者だったら....
男鹿水族館で誕生の赤ちゃん、スタッフの前に姿を現す (生後三か月経過へ)
男鹿水族館がクルミ親子の新しい映像を公開 ~ 生後95日を経過し公開可能な段階ではあるが...
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual) 」よりの考察(5) ~ 赤ちゃんの頭数・性別は事前予測可能か
by polarbearmaniac | 2013-04-10 23:30 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2017-08-21 01:30
ロシア・西シベリア、セヴェル..
at 2017-08-20 15:00
*新規投稿お知らせ
at 2017-08-19 23:45
ロシア・ヴォルガ川流域のペン..
at 2017-08-19 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2017-08-18 02:00
ロシアのクラスノヤルスク環境..
at 2017-08-17 01:30
チェコ・プラハ動物園のホッキ..
at 2017-08-16 01:30
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2017-08-15 01:30
ロシア・ウラル地方、エカテリ..
at 2017-08-14 01:30
大阪・天王寺動物園のシルカ ..
at 2017-08-13 01:30

以前の記事

2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin