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男鹿水族館のクルミの赤ちゃんは雌(メス)と判明! ~ この赤ちゃんの今後を考える

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クルミお母さん Photo(C)男鹿水族館/共同通信

男鹿水族館より14日付で発表がありました。クルミが昨年12月4日に産んだ赤ちゃんは雌(メス)と判明したそうです。前回の投稿でも書きましたがこの赤ちゃんは「顔つきは幾分雌(メス)、体つきは幾分雄(オス)」という感じがしていたわけですが、やはりどうも顔つきのほうが性別を正しく示していたといってよいのかもしれません。

いずれにせよ赤ちゃんの性別予想というのは所詮はコインを投げて表が出るか裏が出るかといった程度のものです。 敢えて予想を行うとすれば何かの根拠を外に求めるということになるわけですが、それも傾向は示せても、ある程度以上の精度は望めません。 こういう件についてはいつも、結果が出た後になってから 「実は最初から私はそう思っていたのだ」 などと言う人が必ず現れるわけですが、それは実に格好の悪い話です。 何かを決定する会議の席では一言も発言せず、決定事項を実行に移してから実際うまくいかないことがわかった後になってから、「実は私はあの会議の議案には反対だったのだ」 などという人が現れるのとよく似ています。 実際の結果はともかくとして、事前の性別予想について多少なりとも根拠付けができたことに関しては、私の予想もある程度の意味はあったようにも思っています。

それはさておき、次に男鹿水族館が公開した最新の映像(4月13日収録)をご紹介しておきます。



さて次に、この雌と判明した赤ちゃんが日本のホッキョクグマ界にどのような形で組み込まれていくかについて考えてみることにします。

この赤ちゃんは本来は所有権は釧路市にあるわけで、男鹿水族館も1年後(あるいは2年後)には釧路市に引き渡す手配を行うはずですが、現在の釧路市動物園ではユキオとツヨシが飼育されていますので果たしてこの雌の赤ちゃんが所有権の存する釧路市にすんなりと直接移動するかどうかは不確定だろうと思います。そうなると釧路市以外の動物園に移動する可能性も十分にあるでしょう。 所有権のある施設と実際の飼育施設が一致していないケースなど欧州にはざらにあるわけです。 しかし具体的にどの動物園かと問われれば、そういった名前がすぐには浮かんできません。 北海道の動物園はもう手一杯の状態ですから本州の動物園になるとは思いますが、この赤ちゃんを受け入れる余裕がある動物園はせいぜい上野動物園ぐらいで、そこでデアと同居させることは十分可能ですが、それもせいぜい1年が限界でしょう。 というのも、デアの繁殖について真剣に考える時期に来ているからです。

この今回のクルミの赤ちゃんの将来については円山動物園の新ホッキョクグマ館建設問題とか、ララの子供たちのパートナーをどうするかとかの問題も絡んで、非常に予想がつきにくいと思います。 この上野動物園のデアもクルミお母さんの第一子も、そのパートナーは可能ならば、ララの子供たちでもなく「アンデルマ/ウスラーダ系」でもない雄にしたいところです。 そうしておきませんと、以降の世代の血統上の組み合わせがいよいよ苦しくなります。 現時点では以下の可能性を指摘しておきたいと思います。

① 一つ考え得ることはロシアのカザン市動物園で昨年の12月16日にマレイシュカお母さんが産んだ一頭の赤ちゃんが仮に雄だった場合(*追記 - この赤ちゃんについて一部報道されている限りでは雌(メス)だとされていますがカザン市動物園は正式には雌だと発表してはいません)それを購入してクルミの赤ちゃんのパートナーにするということです。 ただしこの赤ちゃんは大阪のゴーゴの異母兄弟(or 姉妹)であると同時に仙台のカイと静岡のロッシー、ヴァニラ(ヴァニア)の従兄妹(いとこ)にあたるわけで、これも血統的にはやはり厳しいことになるでしょう。 ただしアンデルマの血は入っていませんから、そこだけに関しては救いでしょう。

② 円山動物園でデナリとキャンディとの間での今年の年末の繁殖結果を見極めて、仮に雄ならそれをパートナーとするということですが、これも苦しいかもしれません。 第一に、キャンディが再び出産するかについて過度の期待は持てないからです。 ただし、ララの血が入っていないことだけは救いになるでしょう。

③ 円山動物園の新ツインズのうち一頭が雄だった場合、それをパートナーにするというのは最も手っ取り早いことですが、これは極力避けたい気がします。次の世代が非常に苦しくなります。

④ 仙台のカイとポーラの繁殖結果に期待するという手はあります。 しかし、カイは「アンデルマ/ウスラーダ系」 のプリンス、つまりアンデルマの孫、そしてウスラーダの息子であるわけで、やはり次世代を考えるとカイの息子をクルミの赤ちゃんのパートナーにするにはやや不安があるわけです。

要するに現時点では先が読めない状態です。 しかし上の選択肢の中では③を最後の拠り所にすることが可能である点において今回のクルミの赤ちゃんには救いがあるということです。 それから、①のマレイシュカお母さんが産んだ一頭の赤ちゃんは日本のどこかの動物園で入手しておくことは無駄ではないとも考えます。 このカザン市動物園の赤ちゃんも、ララの子供たちの将来のパートナーとしての最後の拠り所になる資格は十分あると思います。

(資料)
男鹿水族館 (お知らせ Apr.14 2013 - 仔グマの性別についてと名前募集のお知らせ)

(過去関連投稿)
男鹿水族館でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
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ララ (円山動物園) とクルミ (男鹿水族館) の赤ちゃんの近況
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男鹿水族館のクルミの赤ちゃんの性別、及びクルミお母さんの母親像を予想する
by polarbearmaniac | 2013-04-16 00:30 | Polarbearology

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