街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の希望無き恋 ~ 野生出身の雌は高嶺の花

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セードフ司令官 
Photo(C)Мария АНАНОВА/Комсомольская правда

ロシア・シベリア中部の都市クラスノヤルスクの動物園で飼育されているホッキョクグマたちに関してはこれまで何度も投稿してきました。 あのウスラーダが2002年の11月に産んだ三つ子のうちの一頭であるセードフ司令官、野生孤児で7歳になったフェリックス、そして2010年5月の野生孤児として保護された雌の双子のうちのオーロラです。 この双子の姉妹のヴィクトリアとオーロラについては保護された直後からこのブログでその様子をご紹介してきました。 すでに一頭が2011年の暮れにクラスノヤルスク動物園からイジェフスク動物園に移動となっているのですが、当時のニュースではイジェフスク動物園に移動したのはオーロラだと報道されていたわけです。 ところがその後、クラスノヤルスク動物園のサイトやらホッキョクグマ関連の報道を見ていますと、クラスノヤルスクに残ったのがオーロラとなっています 。 最初の移動の時の報道が正しくなかったということなのでしょうか。 それともクラスノヤルスクに残ったヴィクトリアの名前をオーロラに変更したということなのでしょうか?  後者の可能性が高いと思われます。 というのも、「ヴィクトリア」よりも「オーロラ」のほうがロシア人には発音しやすい名前だからです。 まあどちらが残っても血統的には同じことですから神経質に考えることはないのかもしれません。 一応、クラスノヤルスク動物園に残った双子姉妹のうちの一頭についてはオーロラと呼んでおくことにします。

このクラスノヤルスク動物園では早々と夏のプール開きが行われたそうで、本当に小さなプールにもかかわらずホッキョクグマたちは豪快に飛び込んだりしているようです。 そういった様子を現地のTV局の映像でご紹介しておきます。



さて、10歳になったセードフ司令官ですが、最近は隣で暮らしている3歳の雌のオーロラに大変興味を持っており、普段では泳ぎの大好きなセードフ司令官ですが、すっかりプールに入る回数が減ってしまったそうです。 そして何時間も隣にいるオーロラを眺めているそうで、セードフ司令官が自分がもらった食事をオーロラにあげたいと、じっと待ってウィルそうです。 しかし雌のオーロラはまだ3歳で、繁殖可能な年齢に達しておらず、まだまだおもちゃで遊ぶのが大好きという様子だそうです。 こういったことを伝える地元のTV局の映像は下でご覧下さい。



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セードフ司令官とオーロラ
Photo(C)Мария АНАНОВА/Комсомольская правда

クラスノヤルスク動物園では、このオーロラの将来のパートナー現在7歳のフェリックスにすることに決定しているそうです。 というのも、フェリックスはオーロラ同様に野生出身であり、血統の多様性を考えれば当然オーロラとフェリックスをペアにするほうが有利だからです。 一方、セードフ司令官はサンクトペテルブルクのレニングラード動物園であのウスラーダから生まれた息子ですので、兄弟は他に何頭もいるわけですから、そういったセードフ司令官とオーロラをペアにしてしまえば、やはりその後の世代の繁殖に支障が出てくるというわけです。 そういったわけで将来もどうもこのセードフ司令官にはパートナーが用意されるという状況にはなりにくい模様です。 「アンデルマ/ウスラーダ系」というのはなかなか大変ですね。 一方のフェリックスですが、このセードフ司令官やオーロラとはやや離れた場所で暮らしているそうですが、どうも隣で飼育されているヒグマのマーシャがお気に入りだそうです。

たしかに野生出身の雄と雌をペアにすることは理想的であり、たまたまクラスノヤルスク動物園では野生出身の雄のフェリックスがいたわけですから、オーロラとフェリックスの組み合わせは当然だと思います。 とにかく、動物園出身の個体同士をペアにすることは可能な限り避けようということはロシアの動物園でも考慮されているわけです。 野生のホッキョクグマの生息地が自国領内にある国の強みと言ってしまえばそれまでですが、野生出身のホッキョクグマの雌の幼年個体というのは現在では「金の卵」とも言うべき存在かもしれません。

(資料)
Интерфакс – Россия (Apr.12 2013 - Полярный медведь Седов из красноярского зоопарка "Роев ручей" готов отказаться от купаний ради возлюбленной)
Газета Вечерняя Москва (Apr.14 2013 - Белый медведь в красноярском зоопарке перестал купаться от безответной любви)
Голос России (Apr.15 2013 - Медведь в красноярском зоопарке отказался от купаний ради возлюбленной)
Дни.Ру (Apr.14 2013 - Медведь влюбился в соседку по вольеру)
Деловой квартал (Красноярск) (Apr.12 2013 - В красноярском "Роевом ручье" открылся купальный сезон)
Сибирское Агентство Новостей (Apr.12 2013 - Белые медведи в зоопарке "Роев ручей" открыли купальный сезон)
Комсомольская правда (Apr.18 2013 - Командор Седов из «Роева ручья» безответно влюбился)
er-tv.ru (Apr.12 2013 - В парке флоры и фауны "Роев ручей" открылся купальный сезон)
(追加資料)
Мурманское информационное агентство(Apr.20 2013 - Любовные медвежьи страсти: почти по Шекспиру)

(過去関連投稿)
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の伊達男たち ~ 華麗なる独身生活を謳歌?
ロシア・クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・クラスノヤルスク動物園の夏の始まり ~ プールを雌2頭に占領されてしまったセードフ司令官閣下
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の10歳のお誕生会 ~ 行方不明の兄弟たち

(*オーロラ関連)
ロシア極北・タイミール半島でホッキョクグマの2頭の赤ちゃんを保護!
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by polarbearmaniac | 2013-04-19 01:00 | Polarbearology

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