街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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デンマーク・オールボー動物園のアウゴが約5メートル下の堀に転落、重傷を負い安楽死の処置にて死亡!

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亡くなったアウゴ Photo(C)Tommy Hald

日本時間の深夜になって大変ショッキングなニュースが入ってきました。 デンマーク・オールボー動物園のSNSによる告知、及びデンマークよりの報道が伝えるところによりますと、現地時間の昨日4日の土曜日の正午頃にオールボー動物園で2歳半になるホッキョクグマのアウゴが飼育展示場の周りにある「安全用の堀 」(*デンマーク語の ”sikkerhedsgrav” をそう訳しておきます) に落下し両前脚を骨折したため、オールボー動物園はこのアウゴを安楽死させる決断を行い、直ちに注射によってそれが執行され、その結果アウゴは死亡したとのことです。
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アウゴの落下した安全用の堀 
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Photo(C)Martel Andersen

この安全用の堀というのは約5.5メートルの深さがあるそうで、アウゴは落下した後にも意識はあったそうですが相当の痛みに苦しんでいたそうです。 獣医さん、その他のスタッフは、このアウゴの骨折の治療は必ずしも不可能ではないと考えていたようですが、その治療のためには両足を石膏や器具などで固定し非常に長期間にわたっての隔離した療養が必要となり、本来は非常に動き回ることをその本質的な生態としているホッキョクグマをそのような形で生かし続けることはホッキョクグマとしての尊厳を保つことができないと判断したことがアウゴに対して安楽死という処置をとることをオールボー動物園が決断した理由であると報じられています。 "Det var det mest humane at gøre i den situation." とオールボー動物園の担当者の方がインタビューに答えて述べていますが、このデンマーク語は、「こういった状況ではそれが(つまり、アウゴに安楽死の処置をほどこすことが)最も情のあるやり方だ。」 という意味に訳せましょう。 オールボー動物園もこういった形でアウゴを失ってしまったことに対して非常に沈痛な雰囲気が漂っており、飼育員さんが悲しみに打ちひしがれていることも報じられています。
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4月29日のアウゴの姿 Photo(C)Susanne Hansen/Aalborg Zoo

アウゴがどういった状態でこの安全用の堀に落下したのかは不明だそうです。 このオールボー動物園の飼育展示場にはライブカメラがあり、自宅でそれを見ていた人がアウゴが堀の縁を歩いていて突然姿が見えなくなったため、すぐにオールボー動物園のIT担当者に連絡したそうで、カメラの映像を確認後に早速担当者が現場に行ってみたところ、堀に落下していたアウゴの姿が確認できたというのが今回の事件の経緯だそうです。 私もこのライブカメラを時々見ることがありましたが、しかしこのカメラのアングルには周囲にある安全用の堀というのは映っていないはずです。 そもそも私は2年前にこのオールボー動物園のホッキョクグマ展示場に3日間通いつめましたが、そういった周囲の安全用の堀の存在には全く気が付きませんでした。 ですので、アウゴが落下した状況というのが今一つピンときません。 (*後記 - なるほど、もう一台のカメラのモニター映像 がありました。 こちらのカメラからならばこの安全用の堀が良く見えますね。 しかしこの映像のアングルは来園者の見る場所からは正反対の方角のはずです。 ここに堀があることは来園者の見る場所からは確かにわからないと思います。 とはいうものの、やはり不可解な感じを持ちます。)
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幼少のアウゴとメーリクお母さん Photo(C)Henning Bagger/Scanpix

そしてさらに驚くべき事実が明らかになっています。 アウゴは生後4か月のときに性別判定があり雄(オス)のホッキョクグマだと判定されていたわけですが、なんと昨日の土曜日の彼の死後の検査で、実は雌(メス)のホッキョクグマだったと判明したそうです。 私には信じられません。 2年前に、その時は生後8か月だったアウゴに会いましたが(過去関連投稿参照)、私はアウゴが雄だと信じて全く疑わなかったわけです。 実はこのアウゴが生後4か月の時に性別チェックを行った映像がありますので、以前にもご紹介していますが再度また下でご覧ください。 アウゴが泣き叫ぶ声がものすごいです。 メーリクお母さんがドアを強打して抗議している音も聞こえます。 こうやって2名の人間が雄と性別判定したものの、実は違っていたというになります。 実はこの時、あとからDNA鑑定も行われていたはずなのですが、それでも性別を間違えたということなのでしょうか。



しかし...と今更言うのは見苦しいですが、この下の写真はアウゴの赤ちゃんのときの非常に有名な写真で、オールボー動物園の売店でも絵葉書になって販売されており、私も何枚も現地でお土産に買い込んだものです。 仮に性別がわからない段階でこの写真を見ると、果たしてこれがすんなりと雄(オス)だと思ったかといえば、やはりかなり微妙な点がありますね...。
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幼少のアウゴ Photo(C)Aalborg Zoo

現地のオールボーでレポートした過去関連投稿をご参照いただきたいのですがアウゴは本当に心の優しい素晴らしいホッキョクグマでした。 こういう形でアウゴが亡くなってしまったことに私はショックを受けて深い悲しみを感じます。

謹んでアウゴの冥福を祈ります。 一昨年の7月のオールボー動物園でのあなたと一緒だった3日間、本当に素晴らしい思い出をありがとう! あなたのことは決して忘れませんので、どうか安らかに眠って下さい...。
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Photo(C)Aalborg Zoo

(資料)
TV 2|DANMARK (May.4 2013 - Isbjørneunge død efter fald i Aalborg Zoo)
DR (May.4 2013 - Aalborg Zoos isbjørn aflivet efter styrt)
NORDJYSKE (May.4 2013 - Isbjørn faldt ned i sikkerhedsgrav)
Avisen.dk (May.4 2013 - Isbjørn aflivet efter styrt i Aalborg Zoo)
JydskeVestkysten (May.4 2013 - Isbjørnen Augo død efter styrt)
Ekstra Bladet (May.4 2013 - Aalborg Zoo efter isbjørne-død: Alle dyr dør på et tidspunkt)
BT (May.4 2013 - Trist dag i Aalborg Zoo: Isbjørnen Augo død efter styrt)

(過去関連投稿)
デンマークのオールボー動物園でホッキョクグマの三つ子の赤ちゃん誕生!
デンマーク・オールボー動物園で誕生の赤ちゃん、遂に戸外に登場!
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんの性別検査 ~ 雄と判明
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんの初泳ぎ
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃんの名前が公募で決まる
ホッキョクグマ母子の空間に他の雌を入れたらどうなるか? ~ デンマーク・オールボー動物園での実例
デンマーク・オールボー動物園の赤ちゃん(アウゴ)のユーモラスな映像
デンマーク・オールボー動物園のアウゴとメーリクお母さんの遊び姿
デンマーク・オールボー動物園の異母兄弟ミラクとアウゴの同居 ~ 果敢な試みは大成功となる
デンマーク ・ オールボー動物園で2歳になったアウゴ、その変わらぬ人間好きの性格

(過去関連投稿  - 2011年オールボー動物園訪問記)
雨のオールボー動物園に到着、そして2組の親子と対面!
メーリクお母さん余裕のポリタンク遊び ~ 2組の親子同居の驚異!
アウゴ、その温和な性格が醸し出す満ち足りた時間
オールボー動物園2日目 ~ ホッキョクグマに魚のプレゼント
アウゴと来園者の子供たちとの交流
オールボー動物園3日目 ~ この動物園の質の高さは住民の品性の高さに見事に合致
アウゴ君は犬はお嫌い?
オールボー動物園のホッキョクグマ君たち、本当にありがとう! ~ 是非また近いうちにお会いしましょう!
by polarbearmaniac | 2013-05-05 00:30 | Polarbearology

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