街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ ・ オハイオ州、トレド動物園の双子の赤ちゃん、スーカーとサカーリの近況 ~ 映像と解釈

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スーカーとサカーリ Photo(C)Toledo Zoo

アメリカ・オハイオ州のトレド動物園で昨年の11月21日にクリスタルお母さんから誕生した双子の雌と雄の双子の赤ちゃんであるスーカーとサカーリは今月5月3日になってやっと一般公開されたわけですが、その後の様子をいくつかの映像で見ていくことにしましょう。

最初はトレド動物園の公式映像です。 これは実はお披露目の日の5月3日の映像だそうです。



以下はそれから数日経った時点のもののようです。 追いかけたり走り回ったりと、行動量の多いほうが雄のサカーリだとおもいます。



次に二つは先々週末の映像のようです。




こういった映像を見ると、このスーカーとサカーリは水遊びが大好きなのだ...と判断してよいかと言えばそう簡単ではないでしょう。 映像というものは一日という広いタイムスパンのなかの特定の短い時間だけを抽出しているわけで、一日の展示時間のなかでいったいこういう時間がどれだけあったかが問題なのだ...などというのとも少し違います。 こういったことをどう考えるかですが、この赤ちゃんたちの水遊びが、この双子にとってどれだけ中心的でどれだけ重要な意味を持っているのかという点こそが問題でしょう。 一日のうちで水遊びの時間が長かったのか短かったのかが、その赤ちゃんが水遊びが大好きなのかそうでもないのかを判断する規準にすることは簡単ではないということです。 そういった重要な意味を持つシーンを写真なり動画で撮れれば最高なのですが、現実には非常に難しいわけです。 

私がこのスーカーとサカーリの映像を見る限り、水に入ったのは成り行きによってであるように見えますね。 つまり前後から判断して、この双子の赤ちゃんの一日の行動のなかで水に入って遊んでいるシーンは、あくまで一日の行動の繋ぎ部分であることを示唆している継時的な映像のように見えます。 一方、ブランシュやノワール(仮称)の水遊びは、それ自体がもっと独立したものであるように思います。 そうしますと、やはりブランシュやノワール(仮称)のほうがスーカーとサカーリよりも水遊びそれ自体に意義と楽しみを見出している...つまりそれだけ水遊びが好きであることを意味しているように思いますが...。

ある一頭の赤ちゃんが甘えっこなのか(つまり母親に依存心が強い)のか、独立心が旺盛なのかについて、そのどちらの解釈も特定の傾向を持つ特定の瞬間の写真を単に羅列すれば、いかようにも言い得るということです。 たとえば、ブランシュ(仮称)は一般に言われていることとは逆に、甘えっこではなくて独立心の強い赤ちゃんだと主張したければ、そういった写真を羅列することなどは、いとも簡単です。 仮にそうなれば、要するに写真というものは解釈の道具にすぎないということです。 ですから、このトレド動物園のスーカーとサカーリが水に入っている写真ばかりを取り上げた人が、本当にこれが重要なシーンだと自覚しているかを見極める、見る側の洞察力も重要でしょう。

それから、人間が外からホッキョクグマに刺激を与えて、その反応を写真に撮るということは私はあまり好きでありません。 たまたまそういう場面に遭遇した場合には写真を撮ることもありますが、そうして撮られた写真や映像によって、そのホッキョクグマの何か本質的なものにつながる重要なことがわかるというものではないように思っています。 

(過去関連投稿)
アメリカ・オハイオ州のトレド動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
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アメリカ・オハイオ州 トレド動物園の双子の赤ちゃん、スーカーとサカーリが遂に一般公開される
by polarbearmaniac | 2013-05-27 16:00 | Polarbearology

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