街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ ・ ミズーリ州 カンザスシティ動物園の23歳のバーリンの出産への期待に湧く地元

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バーリン Photo(C)Chris Oberholtz/KCTV5

アメリカ・ミズーリ州カンザスシティ動物園にミネソタ州ダルースのスペリオル湖動物園のバーリン(23歳)がコモ動物園を経て昨年の12月に繁殖の目的で移動してきた件についてはその経緯を詳しく追ってきました(過去関連投稿参照)。 このカンザスシティ動物園には6歳の雄のニキータが飼育されていたわけですが、カンザスシティ動物園ではこのニキータのパートナー探しに大変苦慮していたわけです。 こうしてバーリンがやってきてくれたことに対して同園の関係者も地元の人々も大変に喜んでいるわけで、バーリンの歓迎ムードは大いに高まり、そしてニキータとバーリンの今年2月の展示場での初顔合わせも地元カンザスシティでは大きな注目を集めたわけです。 いささか過熱気味の報道のようにも思ったわけですが、このような形で動物園のホッキョクグマが注目を浴びることは決して悪い話ではありません。
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バーリン Photo(C)Kansas City Zoo

それやこれや地元カンザスシティのホッキョクグマのニュースは、ちょっとしたことでも大きく報道される傾向があるように思え、私もいちいちここでご紹介はしていませんでした。 ホッキョクグマ好きの私ですら、この報道はいささか騒ぎ過ぎているようにも思ったわけでした。 ただしかし不思議なことに、このニキータとバーリンの17歳の年齢差について、それを揶揄するようなニュアンスの報道がないというのは興味深いことです。 日本ですと、「ホッキョクグマのXX歳は人間のXX歳に該当するので、この年齢差のペアはMr.XX とMs.XXが結婚するようなものだ。」 などという冷やかしを込めた言われ方をすることがよくあるわけです。 そもそも飼育下のホッキョクグマの(雌の)寿命が約30年としてみても、そのうちの約20年間(つまり一生の三分の二)は繁殖可能年齢にあたるわけです。 一方で人間の(女性の)平均寿命を約80歳としてみたとしても、そのうちの三分の一しか繁殖(出産)可能年齢に該当しないわけですから timeline の比較条件が根本的に異なるわけです。 ですからそもそも「ホッキョクグマのXX歳は人間のXX歳に該当する。」 などという発想は意味がなく、比喩としてもほとんど成り立ち得ないわけです。
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バーリン(手前)とニキータ(奥) Photo(C)KCTV Kansas City

さて、その後のニキータとバーリンですが、だんだんと接近して仲が良くなり、そして4月にはとうとう遂に繁殖行為も確認されたそうでカンザスシティ動物園としてはなんとしても年末に赤ちゃん誕生のニュースを期待しているのは当然のことだと思います。 まず以下はニキータのバーリンに対する Courtship behavior の様子です。



そして以下はこのニキータとバーリンの繁殖行動期における Courtship behavior の次の段階といったところでしょうか。 ただし繁殖行為は収録されていません。 左側がニキータ、右側がバーリンです。 冒頭にCMが入ります。

23歳(出産シーズンにはほぼ24歳)のバーリンが果たして初出産に成功するのかどうかは注目すべきところです。
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ニキータ Photo(C)Kansas City Zoo

さて、雄のニキータですが最新の地元の報道によりますと、日曜日の夜から体調を崩して奥の室内に横になっている状態だそうです。 飼育員さんと専門の獣医さんがニキータの様子を注意深く観察しているそうですが彼の体調不良の原因が何かをまだ完全には特定できていないそうです。 月曜日のおやつタイムはバーリンだけだったようで、ニキータは依然として体調が回復していないようです。 一応現在のところは腸の働きが不調のようで、胃腸薬を肉とともに与えるという処置をとっているそうです。 バーリンの出産の有無といってもまだ何か月か先の話であり、直近にはこのニキータの健康問題が非常に心配になるところです。
(*追記 - ニキータの病気を報道する地元のニュースをご紹介しておきます。冒頭にCMが入ります。)


ここで再び、このカンザスシティ動物園のライブカメラの映像をご紹介しておきます。 こちらををクリックしてみて下さい。 冒頭にCMが入る場合があります。 日本とカンザスシティとの間の時差は現在は現地ではサマータイムを採用していますので14時間ということになります。 日本時間マイナス14時間が現地時間です。 ですので、日本時間の夜10時から朝7時までが開園時間ということになりますので、その間はホッキョクグマたちの姿を見ることができるはずです。 (現在やはりバーリンの姿しか見えませんね。 ニキータ、本当に大丈夫でしょうか?)

(資料)
KCTV Kansas City (Apr.11 2013 - Kansas City polar bears 'mate' for each other)
KCTV Kansas City (Jun.16 2013 - Ailing Nikita pulled off exhibit at Kansas City Zoo)
Nikita-Berlin Polar Bear Cam (at kansas City Zoo)
KMBC.com (Jun.18 2013 - Polar bear at KC Zoo treated for gastrointestinal issue
KSHB-TV Kansas City (Jun.18 2013 - Kansas City Zoo polar bear calls in sick: Nikita 'resting' with upset stomach)
Kansas City Star (Jun.18 2013 - Zoo's Nikita the polar bear is ill)

(過去関連投稿)
アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンのお誕生会 ~ 個体の死因追及について
アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンが同地域を襲った洪水で飼育場から一時逃亡!
アメリカ・ミネソタ州スペリオル湖動物園のバーリンが洪水からの一時避難のためコモ動物園に収容
アメリカ、スペリオル湖動物園のバーリン、避難先のコモ動物園の展示場 ("Polar Bear Odyssey") に登場
アメリカ・ミネソタ州、コモ動物園のバーリンが腹部の検査手術を受ける
アメリカ・ミネソタ州コモ動物園のバーリンの手術後の回復は順調 ~ 再び展示場へ
アメリカ ・ ミネソタ州 コモ動物園のバーリン、手術後の経過は良好 ~ 待望される完全回復
アメリカ ・ コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園へ ~ 「ニキータとバーリンの物語」は可能か?
アメリカ・ミネソタ州のスペリオル湖動物園で不在のバーリンのお誕生会 ~ “Berlin is our family."
アメリカ・コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園に無事到着 ~ 繁殖に大きな期待を寄せる地元
アメリカ・ミズーリ州カンザスシティ動物園の展示場にバーリンが遂に初登場 ~ 期待に加熱する地元報道
アメリカ・カンザスシティ動物園の年齢差ペア、バーリンとニキータの初手合い ~ 圧倒的年齢差克服のカギ
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by polarbearmaniac | 2013-06-18 23:45 | Polarbearology

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