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アメリカ ・ カンザスシティ動物園のニキータの病状検査続く ~ 雌のバーリンへも投薬治療が再開

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ニキータ Photo(C)Kansas City Zoo

先日、アメリカ・ミズーリ州のカンザスシティ動物園で飼育されている23歳のバーリンの出産への期待が地元で高まっていることをご紹介した投稿のなかで、同園の7歳の雄であるニキータが消化器系統の異常と想像しうる状態で体調を崩して横になっているということを付記しました。 

このニキータの状態についてカンザスシティ動物園はSNSのページに状態を報告しており、マスコミはそれを紹介する形で報道がなされていますが、依然としてその正確な原因が特定されていないようです。 金曜日には超音波検査を行ったそうですが、これによって、疑われていた原因のいくつも除外できたそうです。 ニキータには流動食を与えるとともに抗生物質が投与されているそうで、同時に血中酸素濃度と体温の測定も定期的に行われており、血液検査の結果も数日以内には判明するそうです。 地元のファンがニキータを心配して状態の詳しい報告を求める声もあることから、カンザスシティ動物園は園長さんの発言としてこういった情報を逐次ファンに知らせるようにはしているものの、肝心の原因の特定がまだなされていないことについては、こういった500キロ近い体重の動物の診断には決まったやり方がなく、考えうる原因を検査によって一つ一つ取り除いていくしかないとの説明を行っています。 まあそうでしょうね。 人間のように簡単にはいかないということです。 同園では獣医さん以下が全力でそれに取り組んでいるという姿勢をファンに示しているということです。こういった検査を積み重ねてきた現時点では、ニキータの病状については楽観的な見通しを得るに至っているとも言っていますので、事実そうであってほしいと思います。
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バーリン Photo(C)kshb.com

このニキータとは別に、一つ心配な情報も同園から報告されています。 それは23歳の雌のバーリンについてで、ネットのモニター映像を見ていた人からバーリンが足を引きずって歩いているように見えるとの多くの指摘があり、同園でもこの件についてはすでに4月の中旬に投薬治療が行われていたことを明らかにし、ここでバーリンへの投薬治療を再開したことを報告しています。 同園ではこの件はバーリンの年齢からくる何かの痛みではないかと診断しているようで、おそらく軽い鎮痛剤でも投与されているのではないでしょうか。 カンザスシティ動物園もこうしたファンの方々の厳しい視線があるために万全の治療は勿論のこと、その経過報告にも手を抜くことができないという緊張を強いられるわけで、口うるさいファンの方々の存在がプラスに働いているという良い例でしょう。 そしてこういった報告は全て責任者である園長さんの口から発表されるということは、責任の所在をはっきりとさせようという点において外部に対する姿勢としてはたいしたものだと思います。このカンザスシティ動物園の園長さん自らが同園のホッキョクグマ展示場についてのセールス活動をしている映像がありますのでご紹介しておきます。



このバーリンについては以前にも投稿していますがカンザスシティ動物園に移動になる2か月ほど前のコモ動物園で昨年10月に腹部の手術を受けているわけで、私には実はこの移動もいささか無理ではないかと思ったこともあり、人気者のニキータだけではなくバーリンについてもニキータに劣らないほど十分な治療と観察が行われてほしいと思います。 ましてやバーリンには次の冬には出産の期待もあるわけです。 ホッキョクグマの雄の人気者を抱える動物園には、「盲点」といっては語弊がありますが、時として雌への配慮が欠ける場合もないわけではないことから、ファンの方々がバーリンの異常を問題にしている点は的を突いていると思います。

(資料)
Kansas City Star (Jun.20 2013 - Kansas City Zoo's sick polar bear continues to receive care)
Kansas City Star (Jun.22 2013 - Zoo's ailing polar bear Nikita receives ultrasound)

(過去関連投稿)
アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンのお誕生会 ~ 個体の死因追及について
アメリカ・ミネソタ州ダルース、スペリオル湖動物園のバーリンが同地域を襲った洪水で飼育場から一時逃亡!
アメリカ・ミネソタ州スペリオル湖動物園のバーリンが洪水からの一時避難のためコモ動物園に収容
アメリカ、スペリオル湖動物園のバーリン、避難先のコモ動物園の展示場 ("Polar Bear Odyssey") に登場
アメリカ・ミネソタ州、コモ動物園のバーリンが腹部の検査手術を受ける
アメリカ・ミネソタ州コモ動物園のバーリンの手術後の回復は順調 ~ 再び展示場へ
アメリカ ・ ミネソタ州 コモ動物園のバーリン、手術後の経過は良好 ~ 待望される完全回復
アメリカ ・ コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園へ ~ 「ニキータとバーリンの物語」は可能か?
アメリカ・ミネソタ州のスペリオル湖動物園で不在のバーリンのお誕生会 ~ “Berlin is our family."
アメリカ・コモ動物園のバーリンがカンザスシティ動物園に無事到着 ~ 繁殖に大きな期待を寄せる地元
アメリカ・ミズーリ州カンザスシティ動物園の展示場にバーリンが遂に初登場 ~ 期待に加熱する地元報道
アメリカ・カンザスシティ動物園の年齢差ペア、バーリンとニキータの初手合い ~ 圧倒的年齢差克服のカギ
アメリカ ・ ミズーリ州 カンザスシティ動物園の23歳のバーリンの出産への期待に湧く地元
by polarbearmaniac | 2013-06-23 23:45 | Polarbearology

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