街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・西シベリア ノヴォシビルスク動物園に移動したモスクワ動物園生まれの幼年個体の姿

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モスクワ動物園の三つ子 (2012年9月20日撮影 於 モスクワ動物園)
Nikon D5100  AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR

先週末に 「ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園にモスクワ動物園から雄の幼年個体が到着 ~ 謎と暗黒の闇」 という投稿で、シベリアのノヴォシビルスク動物園にモスクワ動物園から一歳七か月になる雄の幼年個体の一頭が到着した件を投稿しています。 この一頭の幼年個体がシモーナお母さんの産んだ三つ子のうちの一頭なのか、それともムルマお母さんが産んでモスクワ動物園が秘匿している一頭なのかという問題についても論じたわけです。

今日になってノーボスチ通信がこのモスクワ動物園から到着した個体の姿をTVニュースで公開していますので、この下の映像を是非ご覧ください。(部分的に同園で飼育されているペアであるクラーシンとゲルダの映像が挟まっています。)



さて、この映像で見るモスクワ動物園からやってきた幼年個体ですが、やはり私の眼ではシモーナお母さんの産んだ三つ子の一頭である可能性が強いようにも感じます。 すると現在のモスクワ動物園の展示場の様子を知りたくなるのですが、たまたまロシア1の今日の午後のニュース番組でモスクワ動物園のホッキョクグマ展示場の様子が登場していますが、ウランゲリは人工雪の山に寝そべっていたりバックヤードでエゴロフさんが三つ子の一頭に食べ物を与えていたりというシーンは見えますが、展示場全体を映したものではないのでこれではよくわかりませんね。



夕方のニュースでもっと詳しく報道するそうですが、現時点でその映像はモスクワからはまだ入ってきていません。 

(*追記 – 上に書きましたようにロシア1TVの先日夕方のニュースでこの7月2日のホッキョクグマ展示場の様子が上の昼間のニュースよりもっと詳しく報道されたものが入ってきましたので、以下にご紹介しておきます。 モスクワ動物園のホッキョクグマたちが夏の暑さの中でどうやって過ごしているかという内容のニュースです。 特に開始後26秒あたりのシーンにご注目下さい。



なんと、この映像で見る限り三つ子ちゃんが全て映っていますね! 3頭ともまだモスクワ動物園にいて、たとえ一頭でもノヴォシビルスク動物園などにはいるはずがないというアリバイが成立したことになります。 参りましたね、これは...。 とすると消去法で、現在ノヴォシビルスク動物園にいる一頭はムルマお母さんの息子でモスクワ動物園がこれまで秘匿していた幼年個体であるということを意味することになるのですが、どうも解せません。 理解に苦しみます。 現地の知人に依頼して実際に見に行ってもらうことにしたいですが、休暇中なので少し時間が必要です。 実に奇々怪々とした話です。 秘匿されていた個体が突然姿を現したりとか、さすがにロシアというのは謎に満ちた国だとでも言ったらよいか...。)

いずれにせよ、このノヴォシビルスク動物園に預けられた幼年個体が別の動物園に移るのにはまだ数か月かかるそうですので、果たしてどこの動物園がこの幼年個体を入手するかに注目が集まります。 上野動物園ということはまずないとは思いますが可能性として完全に否定もできないとは思います。 デアより三つ下の年齢ですね。 このくらいの年齢差ならデアのパートナーとしてあり得る話かもしれませんが、しかしこの「アンデルマ/ウスラーダ系」という血統は日本にはすでに若年個体で何頭もいるわけですから(イワン、ホクト、カイ、ロッシー、ホクト)、日本のホッキョクグマ界を俯瞰的な視点で考えれば、さらにもう一頭ということは難しいでしょう。 しかし上野動物園が日本のホッキョクグマの血統に関する情報をさほど気に留めないということだってあるでしょう。 もともと上野動物園ではホッキョクグマの幼年個体を入手したくてモスクワ動物園に交渉を持ち込んだのはホッキョクグマ繁殖検討委員会の発足以前の確か2010年の春~夏頃のことでした。 この段階では上野動物園は日本のホッキョクグマの若年個体の血統がどうなっているかについての関心はなかったことは明らかです。 仮に知識があったとしても、日本国内における次々世代の繁殖への影響を考える必要があるとまでは思わなかったでしょう。 要するに動物園というのは、まず自分の園のことを考えるのが当然で「繁殖検討委員会」的な発想をすることは必ずしも義務ではないということです。 そういった意味で、上野動物園が再度モスクワ動物園の個体の入手を狙うことも当然あり得る話です。 私の感じではこの今回の三つ子の一頭が日本に来る可能性はまずないとは思っていますが、仮に万が一あるとすれば上野動物園でしょう。 今後の情報を注視したいと思います。

(資料)
РИА Новости (Jul.2 2013 - Белый медведь из Москвы ждет невесту в Новосибирском зоопарке)
Сибдепо (Jun.30 2013 - Новосибирский зоопарк пополнился белым медвежонком)
Государственный интернет-канал "Россия" / ВЕСТИ-МОСКВА (Jul.2 2013 - Как переносят зной обитатели зоопарка)
(追記資料)
Государственный интернет-канал "Россия" / ВЕСТИ-МОСКВА (Jul.2 2013 - Северный полюс в Московском зоопарке)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のライブカメラが高精細度(HD)映像となる ~ クラーシンの近況
モスクワ動物園、ロシア国内の幼少ホッキョクグマの売却一元管理を開始か?
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ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園にモスクワ動物園から雄の幼年個体が到着 ~ 謎と暗黒の闇
by polarbearmaniac | 2013-07-02 23:45 | Polarbearology

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