街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ウラル地方、ペルミ動物園で夏期恒例のホッキョクグマへの活魚のプレゼント始まる

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アンデルマ Photo(C)alexkant/Hampel Group Pty Ltd

ロシアのウラル山脈の麓にある街、ペルミの動物園といえば今更ここでご紹介するまでもないでしょう。 地方都市小さな動物園であるにもかかわらず日本のホッキョクグマ界で雄の若年個体を語る際にはなくてはならないホッキョクグマがこの動物園でひっそりと余生を送っています。 このホッキョクグマは、ネット上でも滅多にその姿をあらわすことはありません。 そのホッキョクグマは今更申し上げることもないあのアンデルマです。 彼女は実際の年齢が不詳です。 1989年の秋に2頭の息子と共にロシア極北のノーヴァヤ・ゼムリャー島で捕獲された件についてはすでに何回かにわたって投稿した通りです。 彼女が捕獲されたときに一緒に連れていた息子の一頭がレニングラード動物園で飼育されている偉大な男メンシコフです。(もう一頭は捕獲の際に死亡しています。) 日本の若年の雄の個体でいったい誰がアンデルマの息子であり誰が彼女の孫であり誰が彼女の曾孫であるかについては、もうくどいですので敢えて書きません。
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さて、年間の入場者が30万人というこの小さな動物園では今年も夏の期間恒例の毎週火曜日の午後の活魚のプレゼントもすでに始まっているようです。 実はこれは私も2010年と2011年にペルミ動物園で実際に見ていますが、付近を流れる大河であるカマ河で捕れた魚だそうで、現在アンデルマと同居している雄のテルペイが非常にダイナミックにプールで活魚を捕食する様子は爽快です。 しかしどういうわけか、最初の一匹を彼は必ずアンデルマに譲るわけで、なかなかわきまえた行動だと思いました。 このテルペイという雄の野生出身のホッキョクグマですが、なかなか好男子ですし来園者を喜ばせる豪快な遊びを見せてくれるなど、以前から私は大いに感心して好意をもっています。
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テルペイ Photo(C) Аргументы и Факты

上の写真は地元のマスコミが紹介している今年のテルペイの姿です。 それから、昨年のこの活魚のプレゼントでのテルペイの様子を伝える映像も再度ご紹介しておきましょう。 これを撮ってアップしたのはペルミ動物園の統括のエレーナ・ブルディナさんです。



それからこの下は地元TV局の映像で、開始後18秒あたりからインタビューの答えているのが統括のエレーナ・ブルディナさんです。そして開始後38秒あたりから活魚のプレゼントの様子が映ります。 アンデルマの姿も映っています。



以前も簡単にご紹介したことがありましたが、このわずか2ヘクタールしかないこの小さなペルミ動物園では全てが手狭になっており、10倍の広さが確保できる新しい場所へ動物園を移転させる計画が進行中です。 建設費用と全体の面積や園内の施設配置、および付属施設を巡っても何度か当初の案が修正されたり、新動物園の建設用地が自然保護地区にあり、そこの森林を伐採することが環境破壊に繋がると主張する自然保護団体の主張にロシア天然資源・環境省のこの地域出先機関のおかしな対応が問題をこじらせて建設用地を所有するペルミ市との間での軋轢が生じるなど、その他いろいろな問題が生じており、私も以前からこの件に関する推移を現地の報道等で追いかけているのですが、こういったこともロシアの地方都市の話としては毎度お決まりのごたごたで、この問題をここでいちいちご紹介するのはいささか煩雑ですので今回も省略します。 
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ペルミ動物園入口  Photo(C)Аргументы и Факты

ただしこのペルミ動物園の移転計画のケースが他のロシアの動物園の移転計画とかなり違う点は、もともとこの動物園に敷地は隣接している教会の所有である墓地として使われていた場所をスターリン時代に地区ソヴィエト委員会が一種の宗教弾圧としてこの教会の土地を接収し、墓石を引き倒して墓地を破壊した跡地が動物園になったという経緯がある点です。 これについては以前の投稿である「ロシア・ペルミ動物園の歴史を物語る貴重な写真 ~ ペルミ州知事が公開のコレクションより」をご参照下さい。
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ペルミ動物園内から見たスパソ・プレオブラジェンスキ聖堂 (Спасо-Преображенский кафедральный собор)
Photo(C) Аргументы и Факты

現在のペルミの主教管区長は「かつての墓地の上に現在は動物たちが暮らしているという現状は道徳的に間違っている。」と主張しており、動物園の移転を急ぐように呼びかけているという状況です。 ともかく、新動物園の建設計画は紆余曲折がりながらも前進しているということは間違いないようです。
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ペルミ動物園のホッキョクグマ飼育展示場
Photo(C)Аргументы и Факты

(資料)
Пермский зоопарк  Белый медведь
PRM.RU (Jun.28 2013 - Как животные в пермском зоопарке спасаются от жары)
Arctic Uiverse (May.15 2013 - В пермском зоопарке можно увидеть, как белые медведи ловят рыбу)
Аргументы и Факты в Перми (Jun.18 2013 - В мире животных: Пермский зоопарк на пороге 80-летия)
ФедералПресс (Jun.27 2013 - Минприроды Пермского края утверждает, что Росприроднадзор РФ не имеет права проверять Черняевский лес)
«Информационная группа 59 (Feb.11 2013 - Пермский зоопарк поменяют на мемориал)

(過去関連投稿)
ロシア・ペルミ動物園の歴史を物語る貴重な写真 ~ ペルミ州知事が公開のコレクションより
ロシア・ペルミ動物園、ホッキョクグマ舎に置かれた「赤いソファ」
ロシア・ペルミ動物園でのホッキョクグマへの活魚のプレゼント
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ロシア・ペルミ動物園で夏期恒例の活魚のプレゼント始まる ~ アンデルマ健在!
ロシア・ペルミ動物園、アンデルマとテルペイの夏
ロシア・ペルミ動物園のホッキョクグマ、「生ける伝説」となったアンデルマ
ロシア・ペルミ動物園で一般公開された生後3ヶ月のゴーゴ(現・天王寺動物園)の様子
ロシア・ペルミ動物園、アンデルマの表情(1) ~ 捕捉し難き素顔
ロシア・ペルミ動物園、アンデルマの表情(2) ~ その存在への認識
2011年ロシア遠征後半(ペルミ動物園関連部分)
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(1) ~ 遠征での映像より
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(2) ~ 遠征での映像より
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(3) ~ 遠征での映像より
ロシア・ペルミ動物園のアンデルマ、その日常の姿(4) ~ 遠征での映像より
by polarbearmaniac | 2013-07-05 17:00 | Polarbearology

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