街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

ロシア連邦・タタールスタン共和国、カザン市動物園のユムカは順調に生後7か月が経過

a0151913_18163337.jpg
ユムカ Photo(C)Александра ГЕРАСИМОВА/Вечерняя Казань

昨年暮れに世界の動物園で生まれたホッキョクグマの赤ちゃんたちのなかで南イタリア・ファザーノのサファリ動物園で生まれた赤ちゃんと同様に非常に情報が少ないのがこのロシア・タタールスタン共和国のカザン市動物園で昨年12月16日にマレイシュカお母さんから生まれた雌のユムカです。 そもそもこのカザン市動物園自体が発信する情報が少ないわけですからしょうがありません。 このカザン市動物園の飼育環境が極めて厳しいものであることは今まで何度もご紹介していますが、過去の繁殖実績は素晴らしいものがあります。今回の赤ちゃん誕生について以前ご紹介していなかった地元TV局のニュース映像がありましたので、ここでご紹介しておきます。 途中で首を上下に振っているのは父親のユーコンです。 下の写真をクリックして下さい。そうしますと映像を見るページがあらわれます。
a0151913_18284063.jpg

このユムカですが、なにしろ貴重な雌の赤ちゃんですので、将来いったいどこの動物園に行くことになるかに注目が集まります。 やはり中国の動物園になる可能性はあると思いますが何とも言えません。 おっと、忘れてはならないのですがこの赤ちゃんの権利は多分ペルミ動物園にあるであろうということです。 父親のユーコンはペルミ動物園からBLでカザン市動物園に出張していますので、通常ならばこの娘のユムカの権利はペルミ動物園にあるはずです。 以前の投稿である「モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で」をご参照頂きたいのですが、前回はこういう図示でした。

ベルリン動物園のブラスキエヴィッツ園長はロシアのロストフ動物園が権利を持つカザン市動物園で生まれる雌の個体を入手しようとしたが、2009年暮れにカザン市動物園で生まれたのは雄(すなわちピム)だった。 なんとか雌を入手したいベルリン動物園はロストフ動物園に対して、モスクワ動物園で2009年暮れに生まれた雌3頭のうちの1頭とロストフ動物園が権利を持つピムとの交換を依頼し、ロストフ動物園はモスクワ動物園と交渉の結果それが実現した。 モスクワ動物園の雌の個体の1頭は権利を取得したロストフ動物園に送られ、そしてその後ベルリンに送られたが、それがトーニャである。 一方それと交換でモスクワ動物園が権利を取得したピムはノヴォシビルスク動物園経由でイジェフスク動物園に送られ現在そこで飼育されている。 このピムについてモスクワ動物園はその権利 (所有権) をカザン市動物園に与えることにした。

上のその時の図式におけるロストフ動物園が今回はペルミ動物園に入れ替わるわけです。 そうなるとペルミ動物園はモスクワ動物園の幼年個体(三つ子+一頭)のうち一頭をこのユムカを交換してその個体を国外に売却し、モスクワ動物園はこのユムカを国外に売却するというスキームが再び生まれる可能性があります。 ただし前回はベルリン動物園が雌の入手を狙ったにもかかわらずカザン市動物園で生まれた個体のピムが雄だったためこうした複雑なスキームが描かれたわけですが、今回カザン市動物園で生まれたユムカは雌ですので、雌を入手したい動物園がこうした図式に必ずしも乗っかる必要はないわけです。 このユムカの今後を注視したいと思います。 ここで、ごく一週間ほど前のこのユムカとマレイシュカお母さんの姿を地元の方が撮影した映像で見てみることにしましょう。







この母娘にだけはどうしても会っておきたいと考えています。

(資料)
Телерадиокомпания «Казань» (Mar.21 2013 - Не спят твои соседи - белые медведи...)
BezFormata.Ru. (Mar.21 2013 - Не спят твои соседи - белые медведи...)
Газета «Вечерняя Казань».(Apr.15 2013 - Медведь в пломбире)

(過去関連投稿)
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園で誕生の赤ちゃんの命名について同動物園が告知
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃん命名のイベントは悪天候で延期となる
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃんの命名は最終的にネット投票へ
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の雌の赤ちゃんの名前が 「ユムカ 」 に決定!
モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で
by polarbearmaniac | 2013-07-25 19:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア北東部・サハ共和国、ヤ..
at 2017-03-24 15:00
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブル..
at 2017-03-23 20:00
男鹿水族館のクルミと豪太のペ..
at 2017-03-22 23:30
ハンガリー・ブダペスト動物園..
at 2017-03-21 20:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2017-03-21 18:00
ロシア・ノヴォシビルスク市の..
at 2017-03-20 19:00
デンマーク・オールボー動物園..
at 2017-03-19 20:30
チェコ・ブルノ動物園の「国際..
at 2017-03-19 00:30
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブル..
at 2017-03-18 11:00
フランス・ミュルーズ動物園で..
at 2017-03-18 00:30

以前の記事

2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin