街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園がコンサートの騒音に抗議 ~ ヴァレスカの繁殖への影響が懸念

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ヴァレスカ(左)とロイド(右) Photo(C)Zoo am Meer

北ドイツの港町であるブレーマーハーフェン市にある臨海動物園 (Zoo Am Meer Bremerhaven) に暮らすペアであるヴァレスカとロイドについては、昨年12月のヴァレスカの出産、そしてその翌日に赤ちゃんが死亡してしまった件を通して以前にご紹介していました。 当然今年の秋以降もヴァレスカの再度の出産が期待されているわけです。

さて、この動物園に隣接する広場に設営された野外ステージにおいて先々週の週末、人気女性歌手とそのグループのコンサートが連日開催されたそうです。さらに先週には ”Bremerhavener Festwoche” (「ブレーマーハーフェン祝祭週間」とでも訳せましょうか)の催し物の一環としてのコンサートが連夜開催されたそうです。 そのコンサートが発する音楽という名の騒音に対してブレーマーハーフェン臨海動物園の園長であるハイケ・キュック園長は「動物たちのストレスになる。」と市当局に強硬なクレームを入れたそうです。 事実、このコンサートの騒音によってホッキョクグマは展示場を落ち着かない様子で走り回り始め、その他の動物たちの行動にも異変が確認されたそうです。 「こういったことは動物保護 (Tierschutze) の観点から受け入れられない。」 とキュック園長は断固とした姿勢のようです。

このハイケ・キュックさんというのは以前にご紹介した映像の中にも登場された方ですが、非常なインテリで、雄弁かつ自信満々なしゃべり方をする女性です。 ドイツの動物園の園長さんのほとんどは博士号取得者ですが、このキュック園長も例外ではありません。 味方にすると心強いですが敵に回すと実に手ごわいといった印象を強く与えます。 このキュック園長の市当局への抗議によって、催し物の主催者はこの秋に関係者全部を集めた会議を行い、今後の催し物をどうするかについての検討会議をおこなうことになったそうです。 この下の写真で紫色が動物園でありAと赤く表示してあるのがステージが設営された広場です。 
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この場所は海に面した再開発地域のようで、ここで大音響のコンサートを開催しても住宅地からは遠く離れているために騒音の面で都合が良いと判断されて野外ステージが設営されたようですが、どっこい隣が動物園だったということです。 実はブレーマーハーフェン臨海動物園にも弱みがあって、それはこの動物園自体が今回の催し物の協賛者になっていたということです。キュック園長はこの事実を認めはするものの、いったいどのような公演になるのかについての事前の話し合いがなかった。」と抗弁しています。 ヴァレスカの今後の繁殖問題にも影を落としかねない問題ですのでキュック園長の健闘を期待します。 秋以降の事態の推移に注目したいところです。

ここで4か月ほど前のヴァレスカとロイドの映像を一つ見てみることにしましょう。



さて、このブレーマーハーフェン臨海動物園に隣接した広場の野外ステージで行われたのはどういう出演者のコンサートだったのでしょうか?  こういったものだったようです。



動物たちにストレスを与えてまで聴く価値のある音楽とは到底思えませんが。

(資料)
Radio Bremen Online (Jul.24 2013 - Stress durch laute Musik für Eisbären und Co)
BILD (Jul26. 2013 - Ina Müller & Co machen Eisbären krank)
Kreiszeitung (Aug.23 2013 - Harmonische Freundschaft)
Die Welt (Feb.8 2001 - "Am Ende gibt es einen neuen Zoo mit neuer Leiterin")

(過去関連投稿)
フィンランド・ラヌア動物園のヴァレスカがドイツのブレーマーハーフェン臨海動物園へ
ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生するも翌日に死亡!
ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園で誕生翌日に死亡した赤ちゃんの死因が明らかになる
by polarbearmaniac | 2013-07-30 23:45 | Polarbearology

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