街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア、西シベリアのノヴォシビルスク動物園にモスクワからやってきた 「謎の幼年個体」 の正体は?

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Photo(C)РИА Новости

6月末にモスクワ動物園から西シベリアのノヴォシビルスク動物園に移動してきた2011年生まれの「謎の幼年個体」についてはすでに2回ほど投稿しており、その正体についていろいろと詮索したわけです。 2011年にモスクワ動物園で生まれた個体といえばシモーナお母さんの産んだ三つ子とムルマお母さんが産んだ1頭、つまり合計4頭いるわけですが、ムルマお母さんの産んだ1頭はお母さんと一緒に非公開のままモスクワ動物園に秘匿されていた(いる)個体です。 前回、「ロシア・西シベリア ノヴォシビルスク動物園に移動したモスクワ動物園生まれの幼年個体の姿」 という投稿で、私はこれはシモーナお母さんの産んだ三つ子の一頭だと考えたわけですが、偶然その日に放送されたTV局の映像がモスクワ動物園のホッキョクグマ展示場の様子を写しだし、そこには三つ子の姿が確認できることから、このノヴォシビルスク動物園にやってきた「謎の幼年個体」は消去法でムルマお母さんの産んだ一人っ子だと考えざるを得ないことになったところまでが前回の投稿でした。
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Photo(C)РИА Новости

実はこの「謎の幼年個体」がノヴォシビルスク動物園に忽然とその姿を現した前後の時期から現在までモスクワ動物園で撮影されたいくつかの映像にはシモーナお母さんと三つ子の姿を確認できます。 つまりモスクワ動物園の三つ子はノヴォシビルスクなどに行ってはいないということになります。 それらのうち見やすいものを一つだけご紹介しておきます。



さて、ではノヴォシビルスク動物園におけるその「謎の幼年個体」の姿をもう一度見てみましょう。 途中で2頭の姿が映りますがこれはクラーシン(現在はカイと改名されています)とゲルダの姿です。 この「謎の幼年個体」は状況証拠でムルマお母さんの息子ということになるわけです。



この個体をムルマお母さんの息子なのだと思って見てみますと、確かに開始後19秒あたりからの寝顔のアップで額を見ると平坦に見えますから確かにムルマお母さんの息子のようにも見えます。 開始後37秒あたりからの横顔のシーンですが....上半身から首の太さの感じから言ってもムルマお母さんの息子らしい体格の良さです。 シモーナの子供たちはこのあたりがやや華奢です。 そして動きも俊敏です。 ただし横顔そのものはシモーナお母さんに似た感じもあります。 しかしシモーナお母さんの産んだ三つ子はアリバイがありますから、これはこの「謎の幼年個体」はムルマお母さんの息子で、モスクワ動物園が長い期間秘匿していた個体だという結論にならざるを得ません。 しかしなにかスッキリしないものが残るような気もしないではありません。 ともあれ、このブログでは今後この「謎の幼年個体」をムルマお母さんの息子として取り扱うことにします。 

私はロシア生まれの個体ではウスラーダやシモーナの子供たちに比べてムルマの息子たちには今一つ高い評価を与えにくいような気持ちがあります(娘のほうは素晴らしいですが)。 なにか動作にメリハリを感じないというか、頭の働きが体の動きに結びついていなくて茫洋としているというか、そういった感じですね。 そういう点ではピリカというのは私の会ったホッキョクグマの中では頭も体も一番ムルマお母さんの息子たちとは正反対な印象を受けます。 ムルマお母さん自体は実に立派であることは言うまでもありません。 ともあれ、やはり女帝ウスラーダの子供たちというのはさすがに凄いと思います。

(資料)
РИА Новости (Jul.2 2013 - Белый медведь из Москвы ждет невесту в Новосибирском зоопарке)
Daily Mail (Jul.31 2013 - Polar flair! Bear wows the crowds at Moscow Zoo with its impressive ball juggling skills)
The Weather Channel (Polar Bears Dance Underwater)

(過去関連投稿)
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ロシア・西シベリア ノヴォシビルスク動物園に移動したモスクワ動物園生まれの幼年個体の姿

(過去関連投稿 - 2012年3月 モスクワ動物園訪問時の現地レポート)
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by polarbearmaniac | 2013-08-16 06:00 | Polarbearology

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