街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダのアーティス動物園、ニュージーランドのオークランド動物園が野生のホッキョクグマを入手?

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アムステルダムのアーティス動物園に到着」した「ホッキョクグマのペトロフ君」 Photo(C)Gasprom/"Polar Partners"

さて、今回のニュースはどう考えたらよいでしょうか?  ニュージーランドのマスコミが伝えるところによりますと、同国のオークランド動物園 (Auckland Zoo) が10年ぶりにホッキョクグマの飼育展示を始めることになったらしく、このホッキョクグマはなんとロシアの資源会社であるガスプロム社とイギリスとオランダの石油エネルギー企業であるロイヤル・ダッチ・シェル社が北極圏での油田掘削作業を行う際に、そのエリア付近に生息していた何頭かのホッキョクグマを捕獲・保護したようで、そうしたホッキョクグマを世界の10都市の動物園に送るというプロジェクトの一環として現在はホッキョクグマを飼育していないニュージーランドのオークランド動物園に幼年個体の1頭が送られるということだそうです。 
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また、今回のプロジェクトで最初の1頭が送られたのはオランダ・アムステルダムのアーティス動物園 (Natura Artis Magistra) だそうです。 セレモニーが行われたようで、その様子をご覧いただきましょう。仰々しいですね。姿が見えるホッキョクグマは....実にばかばかしい映像です。 ブラックユーモアですね。 ガスプロム社の担当役員がロシア語訛りの英語で語っていますが実に感じの悪い男です。 この男によれば、"Russia has more freedom
than America" だそうです。 全てが馬鹿げた話です。



今回この2社が掘削作業を行っているのはバレンツ海のプリラズロムニエ油田帯 (Приразломное месторождение) で、最近では環境保護団体のグリーンピースもこの油田帯での作業について抗議活動も行っています。 世界の10都市の動物園に捕獲・保護したホッキョクグマを配置するという話が冗談でないとすれば、最低10頭はホッキョクグマをその生息地から追い出したということを意味します。
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動物園にとってみれば、野生のホッキョクグマがまるで天からでも降ってきたかのように入手できるわけで、それだけをとってみればありがたい話ですが、ガスプロム社とロイヤル・ダッチ・シェル社がこういう形でホッキョクグマを彼らの生息地から排除した点で実に悲しむべき状況だと言えるように思います。 このプロジェクトによって万が一仮にでもホッキョクグマが日本のどこかの動物園が入手することになったとしても、それを単純に手放しで喜ぶような無邪気な精神は持ちたくないものです。

今回の話は笑うこともできない、実にたちの悪い冗談です。 そんなに簡単に野生のホッキョクグマが天から動物園に降ってきたら大変な話です。

ここで実際にオークランド動物園で1960年代に飼育されていたホッキョクグマの映像を見てみましょう。



そして、オランダのこのアーティス動物園は現在ではホッキョクグマの常設展示を行っていませんが、あのハノーファー動物園のシュプリンターがレネンのアウヴェハンス動物園からハノーファー動物園に移動する際にこのアーティス動物園に短期間滞在したことがあるようです。 その時のアーティス動物園でのシュプリンターの映像をご紹介しておきます。



(資料)
Stuff.co.nz (Aug.22 2013 - Auckland Zoo to welcome polar bear)
RTV Noord-Holland (Aug.22 2013 - 'IJsbeer' vaart over Amsterdamse grachten)
AT5 (Aug.22 2013 - 'IJsbeer in gracht kwam rechtstreeks vanNoordpool')
Gazprom (Polar Partners) (How it happened)

(過去関連投稿)
ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
by polarbearmaniac | 2013-08-26 01:00 | Polarbearology

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