街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ニューヨーク ・ セントラルパーク動物園のガス逝く

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ガス Photo(C)Julie Larsen Maher/Wildlife Conservation Society

ここのところホッキョクグマの訃報が続いています。 アメリカ・ニューヨークのセントラルパーク動物園の発表、及びマスコミの報道によりますと、同園で飼育されていた27歳の雄のホッキョクグマであるガス (Gus) が火曜日の27日に安楽死という処置で亡くなったとのことです。 ガスは以前から食欲の減退と食事の咀嚼及び飲み込みに苦労する状態になっており、獣医さんの診断で甲状腺に手術での摘出が困難である腫瘍があることが判明していたとのことです。 ガスの病理学的な状態についてはこれから検死によって詳しく調査される予定だそうです。
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2002年6月のガス Photo(C)AP/Diane Bondareff

このガスについては以前彼のパートナーであったイダの死についての「ニューヨーク、セントラルパーク動物園のイダ逝く」、及びその後のガスの様子について「ニューヨーク・セントラルパーク動物園のガス ~ ホッキョクグマにも『離(死)別の悲しみ』はあるのか?」 という投稿でご紹介したことがありました。 このガスもパートナーであったイダの死後は落ち込んでいた様子が観察されたそうですが、その彼もパートナーの死の2年後にこうして亡くなってしまいました。 私は2007年の6月にニューヨークを訪れた際にセントラルパーク動物園でこのガスと彼のパートナーであったイダと会っていますので今回の彼の訃報を知って非常に悲しい気持ちになっています。 ここで生前のガスの映像をご紹介しておきます。 ここをクリックしていただくとニューヨークタイムズ紙のサイトで彼の最晩年の姿を見ることができます。 これはWCS (Wildlife Conservation Society - 野生生物保護協会)の制作した "Goodbye, Gus" という素晴らしい映像です。 念のためにこの下にもその映像を貼り付けておくことにします。


それから、この下の映像はそれほど大した映像ではありませんが一昨年の映像のようです。



この下の映像は昨年のもののようです。



このガスは1985年にオハイオ州のトレド動物園の生まれで、1988年以来ずっとこのセントラルパーク動物園で飼育されてきました。 彼のパートナーだったのはリリーとイダの2頭の雌でしたが、リリーは2004年に、そしてイダは2011年に亡くなったわけで最晩年の彼は一頭だけで飼育されてきたわけでした。 このガスは写真で見る印象よりも実際はやや神経質なホッキョクグマであるように思いました。 かなり繊細な面があったようです。
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Photo(C)Reuters

彼は1994年頃からプールでの常同行動としての泳ぎを行い始めた時には非常に懸念が示され、おもちゃなどを与えてそれを抑制することなどが行われて一定の成果も挙げていたようですが、多かれ少なかれガスのこの行動は長く続いたわけでした。 大都市ニューヨークにあってこのガスは本当に人気者のホッキョクグマでした。 本当に惜しいことをしました。 こうしてセントラルパーク動物園からホッキョクグマの姿が消えてしまったわけです。

謹んでガスの冥福を祈ります。
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2002年6月のガス(左)と彼のパートナーだったイダ(右)
Photo(C)AP/Diane Bondareff

(資料)
Central Park Zoo (Aug.28 2013 - Our Polar Bear, Gus, Dies at 27)
The New York Times (Aug.28 2013 - Gus, New York’s Most Famous Polar Bear, Dies at 27)
The Wall Street Journal (Aug.28 2013 - Gus, the Central Park Zoo’s Beloved Polar Bear, Dies)
ABC News (Aug.28 2013 - Central Park Zoo's Popular Polar Bear, Gus, Dies)
Huffington Post (Aug.28 2013 - Gus, Central Park Zoo's Polar Bear, Has Died)
NY Daily News (Aug.28 2013 - Central Park Zoo’s beloved polar bear Gus dies after being euthanized Tuesday)
The New York Times (Jul.2 2011 - The Lonely Polar Bear)

(過去関連投稿)
ニューヨーク、セントラルパーク動物園のイダ逝く
ニューヨーク・セントラルパーク動物園のガス ~ ホッキョクグマにも「離(死)別の悲しみ」はあるのか?
by polarbearmaniac | 2013-08-29 06:00 | Polarbearology

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