街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・カザン市動物園のユムカのペルミ動物園への移動の日が迫る  ~ お別れ会が開催の予定

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マレイシュカお母さんと今年3月の一般公開日のユムカ 
Photo(C)ProKazan.ru

ロシア・タタールスタン共和国のカザン市動物園で昨年12月16日にマレイシュカお母さんから生まれた雌のユムカが、先月ロシア極北ヤマロ・ネネツ自治管区のベルイ島で密漁者に銃撃され負傷していたところを保護された後にペルミ動物園に移送された雄のセリクの将来のパートナーとなるべくペルミ動物園に移動することになった件についてはすでにご紹介しています。 このユムカですがカザン市動物園を離れる日がいよいよ近づいてきたようです。 報道によりますとカザン市動物園はこのユムカの移動について公式にお別れ会を行うそうです。 カザン市動物園自体はその日程を明らかにしていませんが、報道から察すれば今週末、多分土曜日か日曜日に開催されると理解してよいように思います。 実は私は今週末にはカザンに滞在しているはずだったのですが仕事上の緊急な理由で今週末にカザンにいることができません。 私はこのユムカとマレイシュカお母さんの姿をどうしてもこの目で見て写真と映像に記録しておきたいと以前から切望していたわけですが、どうもそれは不可能となってしまったようです。 非常に残念です。 当初の予定通り今週末にカザンに滞在していればお別れ会にも立ち会えたはずで、返す返すも残念でなりません。

ペルミ動物園でこのユムカの到着を待つ野生孤児のセリクですが、先月23日にペルミ動物園に到着していますので一か月の検疫を経て一般公開されるのはおそらく今度の日曜日か月曜日でしょう。 セリクの検疫終了を待ってユムカがペルミ動物園に移動すると考えるならぴったりのスケジュールだと思います。
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セリク Photo(C)Сайт города Пермь 59

さて、このペルミ動物園にはあのアンデルマの他に現在10歳の雄のテルペイが飼育されているわけですが、ユムカとセリクが将来ペアになることは事実上間違いない話ですので、このテルペイのパートナーは不在のままとなるわけです。 テルペイも野生孤児の出身であり、彼が野生で保護されたときにペルミ動物園が連邦政府の自然管理局 (RPN)に対して積極的に手を挙げたためにペルミ動物園に送られた個体であり、その彼のパートナーがいないというのも非常に惜しい話です。 私は彼にペルミ動物園で会っていますが、なにしろ非常な好男子であり来園者を喜ばせる術が備わっているだけでなく、アンデルマに対して常に一歩下がった姿勢を維持するなど、なかなかの紳士なのです。
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テルペイ (2011年9月13日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)
Nikon D7000
AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

以前から私は心の中で、彼については年齢から考えても性格から考えても野生出身であることから考えても、このテルペイこそがピリカのパートナーに相応しいと考えているわけです。 しかしこうして連邦政府の自然管理局 (RPN) の決定でロシア国内で保護された野生個体は、今から20年ほど前ならばズーラシアのジャンブイのようにロシア国外にも出せたわけですが、現在は事実上不可能な状態となっています。 売却は勿論のこと、BLでもほとんど不可能となっているわけです。 これはカナダでもアメリカでもロシアでも状況はほぼ同じです。 ユムカとセリクが将来ペアになるならば、まだ10歳で、しかも野生出身という血統上の有利さがあるにもかかわらず「余ってしまった」テルペイの繁殖についてペルミ動物園はいったいどうしようというのでしょうか?

さて、ユムカが生まれたカザン市動物園はその飼育環境が劣悪であることは私が現地からのレポートにも書いた通りです。 このカザン市動物園には移転計画があるわけですが、それについては以前の投稿である「ロシア・カザン市動物園の移転計画とその障害 ~ 劣悪な飼育環境の改善は実現するか?」をご参照下さい。 ロシアにあっては毎度のことですが、こういった計画はなかなか前に進みません。 今年の3月にカザン市長もこの動物園を訪れ、とにかく現状の改善の必要性を痛感しているそうです。 そのカザン市長の動物園訪問のニュース映像をご紹介しておきます。 開始後25秒あたりに大阪のゴーゴの父であるユーコン、そして開始後31秒当たりからはマレイシュカお母さんとユムカの姿も登場しています。



なにしろ動物園内には1824年に建てられた建物が修復もされないまま存在しているわけです。 もう一つ別のTV局の映像もご紹介しておきます。



こうして、昨年秋~冬のホッキョクグマ誕生シーズンに生まれた個体としてはユムカが初めて先頭を切る形でお母さんの元から離れるということになります。

(資料)
Сайт города Пермь 59. (Sep.19 2013 - Казанцы устроят торжественные проводы медвежонка в Пермь)
Московский Комсомолец (Sep.19 2013 - В Пермском зоопарке появились новые животные)
ProKazan.ru (Mar.21 2013 - Казанский зоопарк показал белого медвежонка)

(過去関連投稿)
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園で誕生の赤ちゃんの命名について同動物園が告知
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃん命名のイベントは悪天候で延期となる
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃんの命名は最終的にネット投票へ
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の雌の赤ちゃんの名前が 「ユムカ 」 に決定!
ロシア連邦・タタールスタン共和国、カザン市動物園のユムカは順調に生後7か月が経過

(*以下、セリク関連)
ロシア極北、カラ海のベルイ島で前脚をケガをして動けなくなっていたホッキョクグマの赤ちゃんが保護される
ロシア極北、カラ海のベルイ島で保護された赤ちゃんはセリクと命名され、ペルミ動物園での飼育が決定
ロシア極北のベルイ島で保護されたセリクがペルミ動物園に到着 ~ 10月にカザンからユムカも来園予定
ロシア極北のベルイ島で密漁者の銃撃により負傷し保護されたセリク、ペルミ動物園で報道陣に公開される
ロシア極北で負傷、ペルミ動物園で保護されたセリクについて ~ ロシアでの野生孤児の個体保護の問題点
by polarbearmaniac | 2013-09-19 23:45 | Polarbearology

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