街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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今回のロシアの旅にて会ったホッキョクグマたち ~ 個性的な素顔とその生き様

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ユムカ
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マレイシュカ
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マレイシュカとユムカの母娘
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ユーコン
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カザン市動物園ホッキョクグマ飼育展示場
(以上、全て2013年9月28日撮影 於 カザン市動物園)

こうして日本に戻ってきましたが、あらためって今回会ったホッキョクグマたちの総括をしておくこととします。 まずカザンですが、あの極めて貧弱な飼育環境でマレイシュカがユーコンとの間での繁殖に成功して昨年12月にユムカを産み、そして育て上げたことは非常に印象深く感じました。 あそこの施設では常に雄のユーコンがマレイシュカとユムカの母娘の近くに存在しているわけで、そういった状態にもかかわらずマレイシュカが過度に神経質にならずに育児を行ったことも称賛に値するでしょう。

マレイシュカとユムカへの給餌 (Sep.28 2013)
ユーコンへの給餌 (Sep.28 2013)

私は劣悪な環境に暮らしていても自分たちの尊厳とプライドを維持しているホッキョクグマの姿に感動するとともに、その母娘が翌日には引き離されてしまうという運命に対して大きな感慨を抱いたわけでした。 雪の降った日のあのカザンでの母娘の最後の姿を私は生涯忘れることはないでしょう。

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アンデルマ
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セリク
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テルペイ
(以上、全て2013年10月1日撮影 於 ペルミ動物園)

次にペルミですが、あのアンデルマの元気な姿を見て大きな喜びを感じました。 私にとっては唯一無二のホッキョクグマであり、その生きている存在そのものが感動的でした。 野生孤児のセリクに会えたのも非常に嬉しかったと同時に、あの怯えた表情が強く印象的でした。 野生孤児という個体に、保護されてから間もないうちに会うという体験は初めてで、九死に一生を得た彼の成長を追い続けたいと強く思うようになりました。

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シモーナ
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ウランゲリ
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ムルマ
(以上、全て2013年10月4日撮影 於 モスクワ動物園)

最後のモスクワは、これは今まで何度も会ってきたシモーナとウランゲリの名ペアへの安心感は揺るぎなく、また久方ぶりに私の前に姿を見せたムルマの元気な姿に胸をなでおろしました。

本当にロシアのホッキョクグマたちに会うのはおもしろい体験です。 ロシアという国は自国の中にホッキョクグマの生息地が存在しており、そういった国での動物園と野生個体と間には私たちには実感しにくい特殊な結びつきが形成されているような印象すら感じ無いわけではありません。 このブログでもそうしたロシアの野生孤児が保護され動物園で飼育されるようになった経緯をご紹介しています。アイオン、オーロラ、ヴィクトリア、ベルイ、コルィマーナ、そして今回のセリクと、そういったロシアの動物園における野生孤児個体が自然下において救出され、そして動物園で保護されるようになった経緯は興味深いものがあります。 それからもう一つ、我々にはなかなか理解しにくい境遇としてのサーカスのホッキョクグマの例もあります。 ロシアの動物園には、こういったサーカス出身個体の存在も忘れてはならないものです。

短い旅でしたがなかなか有意義でした。早速次の旅のプランを練っているところです。
by polarbearmaniac | 2013-10-07 19:00 | Polarbearology

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