街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

産室内での赤ちゃんの発声音を5つに分類化したハト・ファン・ヘセル (Chad van Gessel) 氏の研究 

a0151913_18451191.jpg
ララお母さんとマルル(左)とポロロ(右)の双子姉妹
(2013年3月22日 一般公開開始日撮影 於 札幌・円山動物園)

Polar Bears International のサイトに、"Decoding Polar Bear Vocalizations in the Den" というなかなかおもしろい記事が出ています。 オランダで野生生物管理や動物の行動を研究しているハト・ファン・ヘセル (Chad van Gessel) 氏が寄稿した文章です。 へセル氏はオランダ・ヌエネンの「動物帝国 (Dierenrijk)」で5年間にわたってホッキョクグマの発する声を採取・研究し、それを分析したそうです。 その中で特に、産室内での母親と赤ちゃんとの間の相互の関係と発声の種類を分析し、それをパターン化しています。 以下、それをご紹介しておきます。

ヘセル氏によれば大きくいって5つのパターンに別れるそうです。 それは、Distress (悲嘆)、Discomfort (不快)、Comfort (満足)、Nursing attempt (授乳の求め)、Nursing (授乳) と分類されるそうです。 それではヘセル氏の分類をもっと詳しくご紹介しておきます。 分類用語をクリックしていただくと、開いたページでその音声を聞くことができます。 音声を on にしていただきボリュームは最大にして下さい。

Distress (Cub crying) – これは産室内で赤ちゃんが母親と離れてしまったり、母親が位置を変えてしまったりしたために赤ちゃんが落ち着かない状態になった場合に発する声だそうです。

Discomfort (Cub complaining) – これは赤ちゃんが何かに不満だったり快適には感じていなかったりした場合に発する声だそうです。

Comfort (Contented cub) – これは授乳後などに赤ちゃんが満足している場合に発する声だそうです。

Nursing attempt (Cub gulping) – これは赤ちゃんが授乳を受けようと母親の乳首を求めている場合などに発する声だそうで、授乳の前後には常に聞こえる声だそうです。

Nursing (Cub humming) – これは授乳中の声です。これはもうお馴染みの音ではないでしょうか。以前にもhamming vocalization としてご紹介したことがありますので以前の、「『ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)』よりの考察(4) ~ 産室内の授乳の有無をどう判断するか」という投稿も是非ご参照下さい。

モスクワ動物園の飼育員さんにお話しをうかがったことがありますが、その方は自分の耳を指さし、「私の耳は目と同じなのだ。 産室内の様子は全て自分の耳でわかるのだ。」 と言っていました。 つまり産室外でもこういった赤ちゃんの発する声を聞き分けて産室内の様子を把握できるという意味なのでしょう。 長年ホッキョクグマを扱ってきた経験豊かなベテラン飼育員さんらしい自信のある発言だと思いました。

(資料)
Polar Bears International - Science & Explorer’s Blog (Oct.15 2013 - Decoding Polar Bear Vocalizations in the Den)

(過去関連投稿)
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(4) ~ 産室内の授乳の有無をどう判断するか
by polarbearmaniac | 2013-10-17 01:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ペンザ動物園訪問二日目 ~ ..
at 2017-07-24 04:00
ベルィ、謙虚さと「大陸的」な..
at 2017-07-23 05:00
快晴の土曜日、ペンザ動物園で..
at 2017-07-23 03:00
ペルミからモスクワ、そしてペ..
at 2017-07-22 04:30
アンデルマさん、お元気で! ..
at 2017-07-21 03:30
ペルミ動物園訪問六日目 ~ ..
at 2017-07-21 03:00
ユムカ(ミルカ)は果たして今..
at 2017-07-20 03:45
ペルミ動物園訪問五日目 ~ ..
at 2017-07-20 03:30
「アンデルマお婆ちゃん (バ..
at 2017-07-19 03:45
ペルミ動物園訪問四日目 ~ ..
at 2017-07-19 03:30

以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin