街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダで人里に現れたホッキョクグマに対する2つの事件への自然保護官の対応

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Photo(C)Northern Pen
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もうかれこれ半年近くも前の5月のことになりますが、カナダ北東部のニューファンドランド・ラブラドール州のサン・リュネール・グリケ(St. Lunaire-Griquet) という人口650人ほどの街の人家近くに2~3歳ほどの双子と思われる2頭のホッキョクグマが現れ、あたりをうろつき始めたという事件がありました。 道路を横切ったり庭を歩いたりと、すっかりとリラックスしている様子だったそうで、少しも攻撃的な態度はなかったそうです。その様子を是非ご覧いただきたく思います。 以下の写真をワンクリックしていただくと映像がご覧になれます。冒頭にCMが入ります。
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Photo(C)Colleen Saunders/CBC

上の映像を見る限りではこれは雌の双子ですね。そしてなかなか可愛らしいですね。 このサン・リュネール・グリケの住民たちはこの2頭のホッキョクグマにそれほど心配はしなかったどころか、その出現を歓迎する人もいたほどでした。 この2頭はおそらく母親の子育てが終わって母親から離れはしたものの、まだ一緒にいつも行動しているといった年頃で、人家に押し入ろうともせず随分とのんびりとしていた様子だったために、住民の一人などは「自分の家の裏庭にホッキョクグマがいるのを見るチャンスなど滅多にないことなので素晴らしい体験だ。」などと喜んでいた人もいたそうです。上の映像を見ると住民がそう感じるのももっともだと思います。こうしたことで、やがて周囲の街から見物人もやってくるようになったというわけでした。
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Photo(C)Northern Pen

そうはいうものの警察や自然保護官は住民に注意を呼びかけると同時に、この双子のホッキョクグマをどう追い払おうかと考え始めました。 この2頭の様子を見ていると、彼らはしばらくはこの街に居座ろうという様子すら感じたそうです。 警察や自然保護官は麻酔銃などを使用してこの2頭を捕獲しようと言う考えは全くなかったそうで、なんとかしてこの2頭が自発的にこの街から立ち去るようにしむける方法はないかと考えたわけでした。 結局ヘリコプターを用いて空から彼らが北の方角に立ち去るように仕向けることに成功したということです。 この2頭はすんなりと街を立ち去ってその後は姿を見せていないそうです。

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チャーチル近郊で捕獲されたホッキョクグマ Photo(C)Dan Pona/CBC

さて、カナダ・マニトバ州チャーチルの近郊で今月になってから7回もホッキョクグマが民家の窓や戸を破って中に押し入るケースが報告されており、その中には屋内で保存してあった鹿肉などを奪って食べてしまったという事例があったそうです。 しかしとうとうこの月曜日にカナダの自然保護官によって捕獲されチャーチルにあるホッキョクグマの拘置施設に送られたとのことです。

今回捕獲されたホッキョクグマは推定年齢が7~8歳で体重も400キロほどあるそうで、なかなか栄養状態は良いと保護官は言っています。 ハドソン湾が氷結してアザラシ狩りが可能となるシーズンまでこのホッキョクグマはこの収容施設に留め置かれることになるそうです。 こうやって一度家屋に押し入って食料にありついたホッキョクグマはその後何度も繰り返して同じことをする傾向があるそうですが、やはり一度「味を占めた」ホッキョクグマというのはそれが忘れられないようです。 ともかく人を襲って射殺ということにならずによかったです。 この下の映像は今回の事件とは無関係ですが、ホッキョクグマがなんとかして建物に入ろうとしていたのを中の人間が追い払うという映像です。



さて、この5月のサン・リュネール・グリケの件もチャーチルの件もホッキョクグマは人間を襲っていないわけですから自然保護官によって射殺されるということがなかったわけです。 何かにつけて人里、そしてさらに人家に現れたホッキョクグマに対して「正当防衛」という名のもとに射殺してしまう事件が後を絶たない昨今では何か救われた感じがする2つの事件でした。 ホッキョクグマを刺激して興奮させないということも大事でしょう。

(資料)
CBC (May.1 2013 - Polar bears visit St. Lunaire-Griquet)
CBC (May.2 2013 - Polar bears leave St. Lunaire-Griquet)
Northern Pen (May.6 2013 - A couple of visitors)
CBC (Oct.24 2013 - Polar bear caught after breaking into Churchill cottages)
Winnipeg Free Press (Oct.24 2013 - Marauding bear in Churchill 'jail')

(過去関連投稿)
カナダ・ニューファンドランド島で民家に押し入ったホッキョクグマが射殺される
カナダ・ニューファンドランド島で再びホッキョクグマが射殺 ~ カナダ警察による 「緊急処置」 との説明
カナダ・ニューファンドランド島で目撃されたホッキョクグマがまた射殺される
カナダ・ニューファンドランド島で目撃されたホッキョクグマ、生け捕りにされ無事に無人地帯に移送される
カナダ、ニューファンドランド・ラブラドール州でまたホッキョクグマが射殺される
カナダ・ニューファンドランド島で無許可でホッキョクグマを射殺した男が訴追される
by polarbearmaniac | 2013-10-25 17:00 | Polarbearology

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