街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・ケベック水族館のタイガ、次世代の繁殖への期待を担う

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タイガ Photo(C)The Canadian Press/AP

2009年11月にカナダ・ケベック州のサンフェリシアン原生動物園でエサクバクお母さんから誕生した雌のタイガと雄のガヌークの双子については、かなり以前にその産室内での映像を含めかなりの映像をご紹介しています。 特に素晴らしかったのはエサクバクの出産の瞬間を鮮明に捉えた映像でした。 これは過去にもう何度もご紹介していましたが、今再び見てみることにしましょう。 ホッキョクグマの出産の瞬間についてはこれ以前にドイツのロストック動物園でも見事に映像にとらえることに成功していましたが、このサンフェリシアン原生動物園での映像は至近距離で捉えた映像である点に特色がありました。



さらに生後約14か月後のこの双子に対するエサクバクお母さんの授乳シーンをご紹介しておきます。



さて、この双子は2011年11月、ちょうど2歳になる時に一緒にケベック水族館 (L'Aquarium du Québec) に移動した件は、「カナダ・サンフェリシアン原生動物園の双子、旅立ちの時来る ~ 2頭共にケペック水族館へ」という投稿をご参照下さい。 2年間近くは母親のもとに幼年個体をおくという欧米の動物園での一般的なやり方はここでも当然のごとく踏襲されたわけでした。 この双子のうち雄のガヌークについては2012年6月にコクレーンのホッキョクグマ保護施設 (Polar Bear Habitat) に移動した件は「カナダ・コクレーンのホッキョクグマ保護教育生活文化村にホッキョクグマ戻る ~ ガヌークの近況」という投稿をしています。その後のガヌークの近況については何回かその後も投稿しています。 一方、ケベック水族館に残った雌のタイガ (Taïga) のその後については投稿していませんでしたので、ここで彼女のその後の様子をケベック水族館が公開している公式映像を交えて近況をご紹介しておきたいと思います
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ケベック水族館でのタイガとガヌーク 
Photo(C)Daniel Migneault/Journal L'Étoile du Lac

まず下の映像は2011年11月にタイガとガヌークがケベック水族館に到着してから約一週間後の映像です。 タイガが遊んでいたポリタンクにガヌークがちょっかいを出したため取り合いになり、結局ガヌークが自分のものにしてしまうという様子です。 競い合っている様子がよくわかります。



下はその年のタイガおガヌークの2歳のお誕生会の様子です。
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Photo(C)L'Aquarium du Québec

次は2012年10月のハロウィーンでのタイガです。 この頃にはもう双子のもう一方のガヌークはコクレーンに去っていました。



今年の9月になってタイガは雄のエディとの同居が始まりました。 このエディというのは間もなく14歳になる雄ですが、エディは以前は雌のティグアクとペアを組んでいたわけですがこのティグアクは歯科治療のために麻酔中に呼吸器障害を起こして2011年4月に死亡しています。 この件は「カナダ・ケベック水族館の11歳のティグアク、歯科治療の麻酔中に亡くなる」を是非今一度ご参照下さい。 麻酔の恐ろしさというものを見せつけられた事件でした。 このティグアクの死亡のために雄のエディはパートナーがいなくなってしまったわけです。 そしてこれからはタイガを新しいパートナーにして繁殖を狙うということになったわけです。 この2頭の同居の様子を見てみましょう。 まず同居開始後3日目の様子です。 上にいるのがエディで水に入っているのがタイガです。



なんだかエディが焦っている様子です。 別の映像を見てみましょう。 開始後1分8秒あたりからですが相性はまあまあといったようで、どうもまだ互いが互いに対して馴染んでいない感じがありますね。



ケベック水族館では数ケ月間この2頭の様子を詳しく観察して「適応化 (socialization)」 がうまくいくのを見極めたいという意向だそうです。 タイガはこの11月で4歳になりますが、繁殖には幾分早いという年齢ですので、おそらく来年初頭にはこの2頭はまた別居し。そして来年秋からの同居再開というスケジュールになるいのではないでしょうか。 再来年の春にはタイガも5歳になっていますので、いよいよ繁殖の舞台に立つということになると思います。
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タイガ(左)とエディ(右) Photo(C)L'Aquarium du Québec

カナダにおける飼育下のホッキョクグマの繁殖をいえば、まずこのタイガの母親であるサンフェリシアン原生動物園のエサクバク、そしてトロント動物園のオーロラとニキータといったところが雌の手駒であり層が薄い感じは否めません。 カナダには雄のホッキョクグマが多くてバランスがとれていないように思います。 そういった中でこのタイガの存在は今後重みを増していくと思われます。

(資料)
Journal L'Étoile du Lac (Nov.11 2011 - Zoo de Saint-Félicien : Toupie arrive, Ganuk et Taïga s’en vont)
L'Aquarium du Québec (Nov.22 2011 - Taïga et Ganuk s'amusent) (Nov.30 2011 - Fête de Taïga et Ganuk le 30 novembre 2011) (Oct.25 2012 - Même notre ours blanc, Taïga, profite de la thématique Halloween! Citrouille) (Sep.5 2013 - La rencontre !) (Sep.5 2013 - Enfin ensemble! )

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2013-10-28 01:00 | Polarbearology

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