街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・マニトバ州、チャーチルのホッキョクグマ保護収容施設 (俗称 “Polar Bear Jail”) について

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「解放」のため収容施設から運ばれるホッキョクグマ
Photo(C)Jacques Nadeau/Le Devoir

先日、「カナダで人里に現れたホッキョクグマに対する2つの事件への自然保護官の対応」という投稿で人里近くに現れたホッキョクグマに対してカナダの自然保護官がどう対応したかについて具体的事件を挙げながらその推移を追ってみました。 後半に挙げたケースではホッキョクグマは捕獲され、そしてチャーチルの保護収容施設 (Polar Bear Holding Compound) に収容されたわけでした。 この後者のケースについて、もう少し一般的な形でその処置を探ってみましょう。
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収容施設から「解放」されるホッキョクグマの親子
Ohoto(C)Le Devoir/Jacques Nadeau

そもそもホッキョクグマがチャーチルの街中に出現する一つの理由として、秋になってまだハドソン湾の氷結が起きない時期に腹を空かせたホッキョクグマが食料を求めて街に接近するケースがほとんどのようです。 まず、街にホッキョクグマが出現したとの情報で自然保護官が出動し街からやや離れた場所でそのホッキョクグマを捕獲し、そして保護収容施設 (俗に “Polar Bear Jail”) に収容するシーンです。 1980年に完成したこの施設は28頭のホッキョクグマを収容する「独房」があるそうで、ここに収容したホッキョクグマに対して人間は一切接触せず、そして水は与えるものの食料を与えずに30日間留置しておくそうです。



30日間の拘留期間が過ぎるとホッキョクグマたちは再び麻酔をかけられ街から約50キロほど離れた場所で「解放」されるということです。 こういった不快な体験をさせることによってそのホッキョクグマたちが再び街に現れないような気持にさせるというのが目的です。 ただし、こういった体験をしたホッキョクグマの70% はやはり再び街に現れるという統計もあるそうです。 ここでそのホッキョクグマの「解放」のシーンを見ておくことにします。 まずこの収容施設から麻酔をかけられて運び出され、そしてヘリコプターで運ばれるシーンです。 2つのシーンを見てみましょう。





この下は母親と2頭の子供たちが収容施設から「解放」されるシーンです。



ただしこうしたホッキョクグマ親子の場合はあえて収容施設に入れずに発見された場所で麻酔銃で眠らせ、そして相当に離れた場所で解放してやるといった処置もあるそうで、親子の場合はむしろこちらのほうが基本的なやり方のようです。 以下はそのシーンです。



最近はこうした「解放」シーンを見たがる観光客が増えているそうです。今年は先月だけで11頭のホッキョクグマたちがこの施設に収容されたそうで、こうした形でチャーチルでは人 間とホッキョクグマの共存が何とか保たれているということですね。

(資料)
Le Devoir (Oct.28 2013 - Le Devoir dans la toundra du Manitoba - La prison… pour les ours polaires délinquants)

(過去関連投稿)
カナダ・ニューファンドランド島で民家に押し入ったホッキョクグマが射殺される
カナダ・ニューファンドランド島で再びホッキョクグマが射殺 ~ カナダ警察による 「緊急処置」 との説明
カナダ・ニューファンドランド島で目撃されたホッキョクグマがまた射殺される
カナダ・ニューファンドランド島で目撃されたホッキョクグマ、生け捕りにされ無事に無人地帯に移送される
カナダ、ニューファンドランド・ラブラドール州でまたホッキョクグマが射殺される
カナダ・ニューファンドランド島で無許可でホッキョクグマを射殺した男が訴追される
カナダで人里に現れたホッキョクグマに対する2つの事件への自然保護官の対応
by polarbearmaniac | 2013-10-29 01:00 | Polarbearology

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