街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・バッファロー動物園が野生孤児カリーの継続飼育を狙い、遂に上院議員にFWSへの説得を依頼

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野生孤児のカリー Photo(C)Buffalo Zoo

一週間ほど前の「アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園のルナとカリーの近況 ~ 展示需要と個体数のアンバランス」という投稿でも予想していましたが、アメリカ・ニューヨーク州のバッファロー動物園のフェルナンデス園長がとうと動きだしました。 それは、連邦政府の魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service - FWS) が所有権・保護権を持つ野生孤児個体であるカリーを引き続きバッファロー動物園で飼育しようとフェルナンデス園長はニューヨーク州選出のシューマー上院議員 (Sen. Charles E.Schumer) にこの件の解決を相談したそうです。 つまりシューマー上院議員の力でFWSを説得しようと試みたわけです。 とうとう合衆国議会の上院議員にまで話が及んでいく事態となりました。 つまりフェルナンデス園長がカリーの件をあえて一種の政治問題化させることを狙ったわけです。
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シューマー上院議員 Photo(C)Reuters

早速シューマー上院議員は連邦政府の魚類野生動物保護局のアッシュ局長に電話し、「カリーが2歳になるまではバッファロー動物園に留め置くことを確約せよ」 とアッシュ局長にプレッシャーをかけたとのことです。 シューマー上院議員は何故カリーを引き続き当分の間はバッファロー動物園で飼育したほうがよいかについては、それがカリー、そしてルナの成長過程においては最も好ましいことであるということをアッシュ局長に対して述べたそうです。 そもそもカリーのバッファロー動物園での飼育は今年9月頃までの暫定飼育であったわけで、いつFWSがカリーをセントルイスに移動する決定をしてもおかしくいない状況だったわけです。 FWSのアッシュ局長はまさか一頭のホッキョクグマの件などで上院議員から直接の依頼があるとは予想もしていなかったのでしょうし、シューマー上院議員も相当にアッシュ局長にプレッシャーを加えたのでしょうか、アッシュ局長の返事は肯定的なニュアンスだったようです。 FWSの正式な決定が出るのはこれからですが、シューマー上院議員自身はFWSを説得できたという自信を持っているようです。

アキーラとウィルヘルムを失ったノースカロライナ動物園はホッキョウグマの入手を狙っており、またセントルイス動物園も同様です。 この2つの動物園では来年に新施設が完成するもののホッキョクグマのいない状態です。 また、ニューヨーク市(NYC) のセントラルパーク動物園は亡くなったガスに替わるホッキョクグマを必要としているわけです。 そうした状況にバッファロー動物園のフェルナンデス園長は非常な焦りを感じているわけで、とうとう上院議員にまで話を持って行ったということですね。 しかしこれでカリーがバッファロー動物園に引き続き留まる可能性は非常に強くなったでしょう。 カリーが2歳になるまでという限定が付いたとしてもその頃にはバッファロー動物園の新施設がオープンできる状態になっており、そうなればさらにカリーを半永久的にバッファロー動物園で飼育できるだろうという目論見もあるのでしょう。

さて、カリーの入手が内定していたはずのセントルイス動物園はどう動くでしょうか?  とにかく今回のルナとカリーの件はアメリカ社会におけるホッキョクグマを取り巻く多くの状況を垣間見せてくれる実に興味深い事例だと言えましょう。

(資料)
The Buffalo News (Nov.1 2013 - Schumer presses feds to keep Kali at Buffalo Zoo for now)

(過去関連投稿)
動物園による情報公開 ~ アメリカ・バッファロー動物園でのホッキョクグマ連続死亡事件
繁殖のために住み慣れた動物園を旅立ったホッキョクグマ ~ ヘンリー・ヴィラス動物園のナヌークへの期待
アメリカ・バッファロー動物園のホッキョクグマ新展示施設建設へ篤志家の多額な資金寄付
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園の苦悩 ~ ホッキョクグマ新施設建設の資金不足
アラスカで保護された野生孤児カリーをめぐるバッファロー動物園とセントルイス動物園との微妙な関係
アメリカ ・ ニューヨーク州、バッファロー動物園で遂にルナとカリーが初顔合わせ
アメリカ ・ バッファロー動物園でルナとカリーの正式な同居展示が開始 ~ カリーの今後について
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園でのルナとカリーの同居は順調に推移
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の新施設建設の不足資金を州政府が一部負担の意向示す
アメリカ・バッファロー動物園がルナの移動可能性に言及 ~ 報道されている状況は本当に事実なのか?
アメリカ・バッファロー動物園の新施設建設資金の露骨な寄付募集活動に眉をひそめる地元の財団・基金
アメリカ・ニューヨーク州のバッファロー動物園に凝縮した新施設建設の問題 ~ 主役は来園者か動物たちか?
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園のルナとカリーの近況 ~ 展示需要と個体数のアンバランス
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の新施設建設に対し州議会が州予算よりの援助を承認

(*以下、ルナ関連)
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ その姿が突然公開
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃんの追加映像 ~ ララの子供たちの従妹であるルナ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の人工哺育の赤ちゃんのルナが初めて戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナの近況を伝えるTVニュース映像
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが雪の舞う戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが遂に一般公開へ
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園の赤ちゃんの「ルナ」が仮称から正式の名前となることが決定
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナの近況 ~ 人間の視線への意識と興味
(*以下、カリー関連)
アメリカ・アラスカ州の北西岸でホッキョクグマの孤児の赤ちゃんが保護!
アメリカ・アラスカ動物園で保護された野生孤児のカリーが今春に期限付きでバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーの一般公開が始まる
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーを間近で撮り続けている専属カメラマンの視点
アメリカ ・ アラスカ動物園で保護されている野生孤児の赤ちゃん、カリーの近況と今後について
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリー、来週後半に ニューヨーク州のバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリーがニューヨーク州のバッファロー動物園に無事到着
by polarbearmaniac | 2013-11-02 13:00 | Polarbearology

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