街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

ロシア・ウラル地方 ペルミ動物園でアンデルマが気の強いユムカに手を焼く ~ 大物に挑みかかる小娘

a0151913_2338133.jpg
アンデルマ (2013年9月30日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)

あの偉大なアンデルマ、そしてテルペイの飼育されているロシア・ウラル地方のペルミ動物園には8月下旬に極北のヤマロ・ネネツ自治管区・ベルイ島で負傷していた孤児である雄のセリクが保護されて飼育されるようになったことと、カザン市動物園からまだ一歳にならない雌のユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)が10月から飼育されるようになったことはいずれも詳しく投稿してきました。 私も9月末にペルミ動物園を訪問しアンデルマ、テルペイ、セリクの3頭に会ってその様子を現地からレポートしています。
a0151913_23432585.jpg
セリク (2013年9月30日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)

私がペルミを後にしたのと入れ替わるようにユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)がカザンからペルミ動物園に到着したわけですが、将来パートナーを組むことになるセリクとユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)の初顔合わせは不調に終わったことを投稿したあと、その後の様子を伝える報道がなく、いったいどのような状況になっているのかが全くわかりませんでした。 悲しいかなロシアの地方都市の動物園の様子というものはこのように容易にわからないわけです。 ところが昨日になってペルミ動物園のホッキョクグマたちの様子を伝えるコムソモリスカヤ・プラウダ紙のペルミ地方版の記事が現れましたのでその内容をかいつまんでご紹介しておきます。 状況は意外な方向に進んでいるようです。
a0151913_2341078.jpg
テルペイ (2013年9月30日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)

まず、ペルミ動物園ではセリクとユムカという2頭の若年個体が加わったことでスペースの問題に苦慮しており、雄のテルペイをロストフ・ナ・ドヌの動物園に貸し出そうというのがペルミ動物園の方針であり、まずその準備のためでしょうか、このテルペイを小さい飼育場に移したわけですが、大きなメインの展示場に1頭で残ったアンデルマは彼がいないことに不満で鳴き声を上げて一日中彼を探そうとしていたそうです。 (実はペルミの地元のTV局がやはり昨日付けで、この11月にこの地方は例年より温度が高いのでペルミ動物園のヒグマなどが冬こもりしないことを伝えるニュースを放送していますがこれがこちらでご覧になれます。 その映像にホッキョクグマも登場しており確かにテルペイは小さな飼育場にいるのがわかります。これがいつ撮影されたのかはわかりません。)
(*追記 - 別のペルミよりのРИМの報道によりますとテルペイは11月5日にペルミ動物園を出発し、現在すでにロストフ動物園に無事到着しているそうです。) 
a0151913_23522142.jpg
ユムカ (ミルカ・ユーコノヴナ) (2013年9月28日撮影 於 ロシア・タタールスタン共和国 カザン市動物園)

さて、そこでペルミ動物園はアンデルマをなだめようと、まだ一歳にならない雌のユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)とセリクの2頭ををメインの展示場に入れてアンデルマと同居させようとしたそうです。 ところがこれがうまくいかずユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)はアンデルマに突っかかっていくという攻撃的な態度を示しているそうです。 このユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)に私はカザン市動物園で会っており、その時の印象は「ユムカの性格と素顔 ~ カザンに初雪の降った日...そして別れ」という投稿に書きましたが、実に気の強い娘なのです。 ですから30歳以上も年齢の離れた「大物ホッキョクグマ」に対してさえ、まるで挑みかかるほどの態度を示しているのも理解できるところです。 さて、これはいささか気がかりな状況ですね。このまましばらくアンデルマとのユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)の同居が続くのでしょうか。 おそらくクリスマス前にはテルペイはロストフ・ナ・ドヌに出発することになるはずですが (*追記 - 11月5日にすでにテルペイはペルミ動物園を出発し、無事現地に到着しているそうです。)雄のセリクは多分まだユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)と2頭では同居できない状態なのでしょうか。 セリクは野生孤児で体格は大きくないですし、何かに怯えたような態度をとっていますからユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)と同居させればかなり虐められそうです。 (*追記 - ペルミよりのその後の別の報道によれば、セリクとユムカは以前よりはお互いにかなり慣れてきているそうです。)
a0151913_2345785.jpg
ユムカ (ミルカ・ユーコノヴナ) (2013年9月28日撮影 於 ロシア・タタールスタン共和国 カザン市動物園)

アンデルマは以前のパートナーであるユーコン(ユムカの父)ともうまくやっていましたし、その後同居したテルペイは謙虚な性格ですからアンデルマの邪魔をしなかったわけですが、今度のユムカ(ミルカ・ユーコノヴナ)という気の強い小娘には相当に手を焼くのではないでしょうか。 あの小さな動物園でもこうしたドラマがあるわけです。 ともかくあまり無理をさせずに段々と慣らしてやってほしいものです。

(*追記 - 今更申し上げることもありませんが、このユムカは大阪・天王寺動物園のゴーゴの腹違いの妹です。 つまりゴーゴの母親であるアンデルマがゴーゴの腹違いの妹であるユムカに手を焼いている...そういうことになります。 ともかく、私はこのユムカほど気の強い雌の幼年個体に今まで会ったことがありません。)
a0151913_062398.jpg
a0151913_063618.jpg
(2013年9月30日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)

(資料)
Комсомольская правда в Перми (Nov.12 2013 - Из пермского зоопарка увезли белого медведя)
Государственный интернет-канал «Россия» (Nov.12 2013 - Пермских медведей одолела бессонница)
(*追加資料)
РИМ (Nov.13 2013 - Из пермского зоопарка в ростовский перевезли белого медведя)

(過去関連投稿)
ロシア・ペルミ動物園におけるセリクとユムカの近況 ~ テルペイがロストフ動物園に移動か?
ロシア・ペルミ動物園でのセリクとユムカの初顔合わせは不調に終わる

*ユムカ関連
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園で誕生の赤ちゃんの命名について同動物園が告知
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃん命名のイベントは悪天候で延期となる
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃんの命名は最終的にネット投票へ
ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の雌の赤ちゃんの名前が 「ユムカ 」 に決定!
ロシア連邦・タタールスタン共和国、カザン市動物園のユムカは順調に生後7か月が経過
ロシア・カザン市動物園のユムカのペルミ動物園への移動の日が迫る  ~ お別れ会が開催の予定
ロシア・カザン市動物園のユムカが来週ペルミ動物園へ移動 ~ 日曜日のお別れ会開催の告知
ロシア・タタールスタン共和国、カザン市動物園のユムカがペルミ動物園に無事到着
*2013年カザン市動物園訪問記
シャリアピンパレスからカザン市動物園へ ~ 別れの時が迫ったマレイシュカとユムカの母娘の姿
偉大なる男ユーコン、中年男の持ついぶし銀の魅力
マレイシュカお母さんの性格と母性
ユムカの性格と素顔 ~ カザンに初雪の降った日...そして別れ
*セリク関連
ロシア極北、カラ海のベルイ島で前脚をケガをして動けなくなっていたホッキョクグマの赤ちゃんが保護される
ロシア極北、カラ海のベルイ島で保護された赤ちゃんはセリクと命名され、ペルミ動物園での飼育が決定
ロシア極北のベルイ島で保護されたセリクがペルミ動物園に到着 ~ 10月にカザンからユムカも来園予定
ロシア極北のベルイ島で密漁者の銃撃により負傷し保護されたセリク、ペルミ動物園で報道陣に公開される
ロシア極北で負傷、ペルミ動物園で保護されたセリクについて ~ ロシアでの野生孤児の個体保護の問題点
*2013年ペルミ動物園訪問記
小雨のペルミ動物園へ ~ 偉大なるアンデルマとの再会、そして野生孤児のセリクとの出会い
ペルミ動物園で保護されている野生孤児セリクの素顔 ~ まだ順応できない環境の激変
アンデルマ、その至高のホッキョクグマの色褪せることなき永遠の伝説
ペルミ動物園訪問2日目 ~ ペルミに初雪の舞った日のホッキョクグマたち
アンデルマさん、お元気で! ~  「日本に暮らす我が息子たち、孫たち、曾孫のホッキョクグマへ...」
by polarbearmaniac | 2013-11-13 01:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア・西シベリア、セヴェル..
at 2017-06-22 23:00
ロシア・中部シベリアに記録的..
at 2017-06-21 18:30
アメリカ・フィラデルフィア動..
at 2017-06-20 23:50
デンマーク・オールボー動物園..
at 2017-06-19 22:00
オーストラリア・ゴールドコー..
at 2017-06-19 20:30
モスクワ動物園・ヴォロコラム..
at 2017-06-18 21:00
フランス・ミュルーズ動物園の..
at 2017-06-17 23:00
エストニア・タリン動物園の雄..
at 2017-06-16 23:55
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2017-06-15 23:55
ロシア・ウラル地方 ペルミ動..
at 2017-06-14 23:55

以前の記事

2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin