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アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園がアナーナとオーロラの双子姉妹の出産に向け 「厳戒態勢」

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アナーナとオーロラの双子姉妹、そして雄のナヌーク 
Photo(C)Columbus Zoo and Aquarium

アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園 (Columbus Zoo and Aquarium) で飼育されている雌の双子姉妹であるアナーナとオーロラは2006年11月に同じオハイオ州のトレド動物園でクリスタルお母さんから生まれ、現在7歳の誕生日を目前にしています。 この双子姉妹と昨年10月にニューヨーク州のバッファロー動物園から移動してきた野生出身で間もなく26歳になるはずの雄のナヌークとの間で今年の2月と3月に繁殖行為が確認され、そしてこのアナーナとオーロラの双子姉妹のダブル出産があるかどうかが注目されている件については先日、「アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園のアナーナとオーロラの双子姉妹、初産でのダブル出産なるか?」という投稿で触れています。 このコロンバス動物園のホッキョクグマ飼育展示場である “Polar Frontier” での今年2月のアナーナとオーロラ、そして雄のナヌークの3頭同居の様子が同園の公式映像で公開されていますのでご覧いただきましょう。 最初の映像で型っているのは同園のスタルフ園長さんです。





現在コロンバス動物園ではこの双子姉妹の出産に向けて一種の「厳戒態勢」がとられています。 この動物園でも他のアメリカの動物園の場合同様、ホッキョクグマは非常に人気の高い動物であるわけですが、双子姉妹の出産準備のために雄のナヌークを来園者から見えない離れた飼育場 (off-exhibit) に移動させ、現在は同園のホッキョクグマ飼育展示場 (“Polar Frontier”) では来園者がホッキョクグマを全く見ることができない状態にしてしまったそうです。 つまり、それだけ双子姉妹のいる産室のあるエリアから離れたスペースにナヌークを遠ざけて、雄の存在の気配を限りなく感じさせなうようにしようと配慮からです。 コロンバス動物園はこの状態を少なくとも数週間続ける予定だそうです。 仮に出産があれば、ナヌークの「隔離状態」はさらにずっと先まで継続する予定だそうです。 これはなかなか思い切ったことをやりますね。 現在この双子姉妹はそれぞれ別々の場所 (off-exhibit “maternity suites”- 「出産準備室」とでも訳しておきましょうか) にいるそうですが、この”suites” というのは産室に繋がるスペースと産室 (“maternity den”) を合わせたエリアということを意味しています。 コロンバス動物園は今回この双子姉妹が「出産準備室」に入る前にこの産室の様子を公開していますので以下の映像をご覧いただきたく思います。 話しているのはスタルフ園長さんと担当飼育員の女性の方です。 飼育員さんの語っているホッキョクグマの受精と妊娠のことは全てもう既知の内容ですが、この映像の中では雄のナヌークの双子姉妹に対する “Chourtship behavior” も映し出されています。 さらに産室内の赤外線モニターカメラも映し出されており、そのカメラが映している映像も見ることができます。 2頭が映っていますが、これは双子姉妹がまだ「出産準備室」に入れられる前のカメラのテスト映像でしょう。 なかなか明瞭な映像です。



このコロンバス動物園の映像はなかなかセンスがあると思います。 園長さん自身がこうやって話すというのはなかなか親しみが持てて素晴らしいことのように思います。 さて、このコロンバス動物園では例のあのビーグル犬であるエルヴィス君にアナーナとオーロラのタンパク質からなるサンプルを送り、嗅覚による妊娠判定を依頼しています。 これについての映像を再度ご紹介しておきます。



この双子姉妹を別々にしないで飼育してきたのは、こうして一緒にいることが彼女たちの双方にとって気分がいいらしいからだという指摘は興味のある話です。 やはり雌2頭(特に双子姉妹)と雄1頭の同居で繁殖を狙うことは合理性があるように思います。 それだけ雌のストレスが軽減されるということだと思われます。 いくつかの映像で見る限りにおいては、このアナーナとオーロラは非常に似た性格ではないでしょうか。 そういったこともプラスに働いているように思います。札幌のマルルとポロロを可能な限り引き離さないでおき、繁殖も一緒に狙うということも一考かもしれません。
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ナヌーク Photo(C)Jonathan Quilter/Columbus Dispatch

雄のナヌークの繁殖能力は証明済みです。 さて、では果たしてこの双子姉妹のダブル出産はあるでしょうか? 私個人的には世界の動物園で最も注目しているのがアメリカのこのコロンバス動物園です。

(資料)
The Columbus Dispatch (Oct.31 2013 - No polar bears in zoo exhibit for several weeks during maternity watch)

(過去関連投稿)
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(9) ~ 同居を許容しうる雌雄の頭数構成
アメリカ ・ オハイオ州、コロンバス動物園のアナーナとオーロラ、美しき双子姉妹の楽しいハロウィーン
アメリカ・バッファロー動物園のナヌークがコロンバス動物園へ ~ 新ホッキョクグマ展示場の建設開始
アメリカ ・ オハイオ州、コロンバス動物園に登場したナヌークへの期待 ~ 25歳の雄の繁殖能力への希望
アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園のアナーナとオーロラの双子姉妹、初産でのダブル出産なるか?
アメリカ・デンバー動物園、コロンバス動物園などがホッキョクグマの妊娠判定にビーグル犬の嗅覚を利用へ
by polarbearmaniac | 2013-11-13 07:00 | Polarbearology

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