街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園のカリーの引き続きの同園での飼育が決定となる

a0151913_2320118.jpg
カリーとルナ Photo(C)WIVB

今月2日付けの「アメリカ・バッファロー動物園が野生孤児カリーの継続飼育を狙い、遂に上院議員にFWSへの説得を依頼」という投稿でご紹介していましたが、ニューヨーク州選出のシューマー上院議員 (Sen. Charles E.Schumer) が同州のバッファロー動物園で飼育されている野生孤児のカリーをバッファロー動物園で引き続き飼育できるようにするため、カリーの所有権を持つ連邦政府の魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service - FWS) のアッシュ局長に圧力をかけた件をご紹介しています。 ところが11月12日にシューマー上院議員が声明を発表し、FWSがカリーを少なくとも2015年春までバッファロー動物園での飼育を認める旨の確約を行ったことを明らかにしました。 ここでこれを伝える地元のTVのニュース映像を御紹介しておきます。 シューマー上院議員はわざわざバッファロー動物園に出向き、そしてルナとカリーは飼育されている現在の仮の飼育展示場の前でこれを発表している様子を見ることができます。 音声は当然 on にして下さい。 冒頭はCMです。





フェルナンデス園長が語るには、FWSがカリーをバッファロー動物園に預ける期限は今年の9月までだったそうですが、専門家がもう少しカリーがルナとの間での「適応化 (socializing with Luna)」 に時間が必要だとFWSに助言してくれたりしたためにカリーの滞在は10月まで延長になったそうです。 ところが農務省 (United States Department of Agriculture – USDA) の検査官が10月にバッファロー動物園の飼育展示場の検査に訪れた際に、カリーの受け入れを望むいくつかの動物園があってFWSに圧力を加えているという噂があることを検査官はフェルナンデス園長に語ったそうです。それに驚いたフェルナンデス園長がシューマー上院議員にFWSへの働きかけを依頼したということのようです。 少なくともフェルナンデス園長はそう語っています。 そしてFWSのアッシュ局長がシューマー上院議員の説得を聞き入れてカリーの少なくとも2015年までのバッファロー動物園での飼育を認めることの確約をとうとうシューマー上院議員に伝えたということです。

シューマー上院議員はわざわざルナとカリーが飼育展示されている場所で声明を発表するなど、なかなかのパフォーマンスですが、今回のカリーをさらにバッファロー動物園に留める件の理由についてやはり地元の利益を最優先したことがうかがわれる発言をしています。 さらにシューマー上院議員は2015年以降もカリーをずっとバッファロー動物園で飼育してルナとの間での繁殖に期待したい旨を語っていますので、2015年にはまたこの問題のために一肌脱ごうという意欲満々という様子です。
a0151913_23214935.jpg
Photo(C)WIVB

アメリカの連邦議会の上院議員というのは実は今回のような問題にかかわるような立場とは思えず、もっと国政の中心問題に関与していくべき存在だと思いますし、今回の件はせいぜい下院議員が活躍するような問題のような気がしますが、私の印象ではシューマー上院議員は、自分が圧力をかければFWSを動かすことは簡単だという絶対の自信があって今回の件で動いたものと思われます。 ともかく非常にアメリカ的な光景を見る思いがします。

私がこのルナとカリーの同居の映像をいくつか見る限りにおいては、やはりルナとカリーは相性が良く、この時点で別れさせるのは忍びない印象を持ちます。 やはりこの2頭のことを考えれば、引き続きバッファロー動物園で2015年以降も飼育させ繁殖を狙う方が得策のように感じます。 バッファロー動物園の味方をするつもりは毛頭ありませんが、やはりそれがこの2頭にとってそれが一番いいことのような気がします。 2015年春になればセントルイス動物園や他の動物園の、あえてカリーを入手しようという動きはもうないだろうと思います。 それはやはり、ルナとカリーが名ペアとなる予感に満ちている2頭だからのように感じるだろうからです。

(資料)
Senator Charles E. Schumer (Press Release - FOR IMMEDIATE RELEASE: November 12, 2013)
The Wall Street Journal (Nov.12 2013 - Orphaned polar bear cub to stay at Buffalo Zoo)
WGRZ-TV (Nov.12 2013 - Kali to Remain at the Buffalo Zoo Through 2015)
The Buffalo News (Nov.12 2013 - Kali will stay in Buffalo until spring 2015, Schumer says)
Business First of Buffalo (Nov.12 2013 - Buffalo Zoo can grin and bear it)
WBFO (Nov.12 2013 - Polar bear Kali to stay in Buffalo until spring 2015)
WIVB (Nov.12 2013 - Kali to be in Buffalo until spring 2015)

(過去関連投稿)
動物園による情報公開 ~ アメリカ・バッファロー動物園でのホッキョクグマ連続死亡事件
繁殖のために住み慣れた動物園を旅立ったホッキョクグマ ~ ヘンリー・ヴィラス動物園のナヌークへの期待
アメリカ・バッファロー動物園のホッキョクグマ新展示施設建設へ篤志家の多額な資金寄付
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園の苦悩 ~ ホッキョクグマ新施設建設の資金不足
アラスカで保護された野生孤児カリーをめぐるバッファロー動物園とセントルイス動物園との微妙な関係
アメリカ ・ ニューヨーク州、バッファロー動物園で遂にルナとカリーが初顔合わせ
アメリカ ・ バッファロー動物園でルナとカリーの正式な同居展示が開始 ~ カリーの今後について
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園でのルナとカリーの同居は順調に推移
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の新施設建設の不足資金を州政府が一部負担の意向示す
アメリカ・バッファロー動物園がルナの移動可能性に言及 ~ 報道されている状況は本当に事実なのか?
アメリカ・バッファロー動物園の新施設建設資金の露骨な寄付募集活動に眉をひそめる地元の財団・基金
アメリカ・ニューヨーク州のバッファロー動物園に凝縮した新施設建設の問題 ~ 主役は来園者か動物たちか?
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園のルナとカリーの近況 ~ 展示需要と個体数のアンバランス
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の新施設建設に対し州議会が州予算よりの援助を承認
アメリカ・バッファロー動物園が野生孤児カリーの継続飼育を狙い、遂に上院議員にFWSへの説得を依頼
アメリカ・バッファロー動物園が遂に新施設建設資金の全額調達に成功 ~ 「悪しき前例」 の危険性

(*以下、カリー関連)
アメリカ・アラスカ州の北西岸でホッキョクグマの孤児の赤ちゃんが保護!
アメリカ・アラスカ動物園で保護された野生孤児のカリーが今春に期限付きでバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーの一般公開が始まる
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーを間近で撮り続けている専属カメラマンの視点
アメリカ ・ アラスカ動物園で保護されている野生孤児の赤ちゃん、カリーの近況と今後について
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリー、来週後半に ニューヨーク州のバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリーがニューヨーク州のバッファロー動物園に無事到着

(*以下、ルナ関連)
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ その姿が突然公開
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃんの追加映像 ~ ララの子供たちの従妹であるルナ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の人工哺育の赤ちゃんのルナが初めて戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナの近況を伝えるTVニュース映像
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが雪の舞う戸外へ
アメリカ・ニューヨーク州 バッファロー動物園の赤ちゃん、ルナが遂に一般公開へ
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園の赤ちゃんの「ルナ」が仮称から正式の名前となることが決定
アメリカ・ニューヨーク州、バッファロー動物園のルナの近況 ~ 人間の視線への意識と興味
by polarbearmaniac | 2013-11-14 02:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

オーストラリア・ゴールドコー..
at 2017-05-30 14:30
デンマーク・オールボー動物園..
at 2017-05-29 23:30
アメリカ・オレゴン動物園を去..
at 2017-05-28 23:50
ロシア・ペルミ動物園でセリク..
at 2017-05-27 23:50
ズーパラダイス八木山の二日目..
at 2017-05-26 23:50
ズーパラダイス八木山のホッキ..
at 2017-05-25 23:50
ポーラに迫りつつある正念場 ..
at 2017-05-25 23:30
ラダゴル(カイ)に備わってき..
at 2017-05-25 23:10
国内最高齢の32歳になったナ..
at 2017-05-25 23:00
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブル..
at 2017-05-25 01:00

以前の記事

2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin