街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの双子の一歳の誕生会が開催される ~ 注目すべき来春の移動先

a0151913_214114.jpg
コーラお母さんとコメタとナヌク Photo(C)Anna Vavríková/MAFRA

チェコのブルノの動物園で昨年11月24日にコーラお母さんから誕生したコメタとナヌクの雌と雄の双子ですが、とうとう生後一年を迎えて、さる日曜日24日にブルノ動物園ではお誕生会がありました。 その映像が入ってこないか注意していましたが残念ながら今回は配信されなかったようです。 
a0151913_212588.jpg
バースデイケーキ Photo(C)Zoo Brno

その代りといってはなんですが、一か月ほど前のこの2頭とコーラお母さんの映像を一つだけ見てみることにしましょう。 本当に大きくなりました。 



この双子については昨年のコーラお母さんの産室入りからずっと追い続け、そして可能な限りここでご紹介してきたつもりです。 それは下の「過去関連投稿」の欄をご覧いただければその投稿の多さは一目瞭然かと思います。 私は実は昨年の5月にこのブルノ動物園を訪問するつもりでフライトまで押さえていましたが仕事の都合で断念せざるを得なくなり非常に残念に思っています。 しかしこうしてこの双子の成長を遠い日本からも追いかけ続けることができたのもインターネットのおかげだろうと思います。 ちなみに今更ご紹介するまでもありませんが、このコーラお母さんは女帝ウスラーダの娘であり、そしてモスクワ動物園のシモーナお母さんの妹です。 つまりこのコメタとナヌクの双子は仙台のカイと静岡のロッシーの甥と姪にあたるわけです。 旭川のイワンの従姉弟ということにもなりますね。
a0151913_223180.jpg
コメタとナヌク Photo(C)DENÍK/Drahomír Stulír

この今回のコメタとナヌクについてブルノ動物園がマスコミに明らかにしたところによりますと、この2頭は来春にブルノ動物園から離れることになるそうで、どこの動物園に行くことになるかは明らかにされていません。 ブルノ動物園としてはこういった幼年個体は母親と2年間暮らすのが通常であることは十分承知しているそうですが、、現在この親子が暮らしているメインの展示場を改良整備することの必要性を感じており、プールの面積を拡大することと、来園者がもっと下の展示場まで行って間近にホッキョクグマを見ることができるような通路を設けるといった工事を行う予定だそうで、そうなるとやはりこの双子を今回は早めに他園に移すほうがよいという事情もあるようです。 また、先日、「チェコ・ブルノ動物園のウムカ、『偉大なホッキョクグマ 』への道を歩む ~ 人工哺育された雄の大器」 という投稿でご紹介しましたが、この双子の父親であるウムカの新しいスペースが整備されたためにコーラお母さんをそちらに移してウムカと同居させて来年繁殖を狙うことが可能となっているという事情もあるようです。
a0151913_241516.jpg
コメタとナヌク Photo(C)DENÍK/Drahomír Stulír

それからもう一つですが、かなり以前に 「チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんのナヌクが右前脚を負傷 ~ ブルノ動物園の抱く思惑への憶測」 という投稿でご紹介しているのですが、ブルノ動物園では春の段階で EARAZA (Евроазиатская региональная ассоциация зоопарков и аквариумов / Еuro-Аsian Regional Аssociation of Zoos and Аquariums - ユーラシア地域動物園水族館協会) とこの双子の移動の件で話をしており、その意味するところをその投稿に詳しく書いていますので再度ご参照いただかねばなないのですが、EAZAではなくEARAZAと交渉するということはこの双子は東欧、あるいはウクライナなどの旧ソ連諸国の動物園に移動する可能性が大きいことを意味するようにも思います。 ブルノ動物園では「欧州の園になるだろう。」と言っていますので、そうすると東欧、あるいはバルト諸国の動物園の可能性が高くなるでしょう。 予算の乏しいブルノ動物園では大がかりなホッキョクグマ飼育展示場をすぐさまに建設することが難しいため、なにかとすぐ「飼育基準」を持ち出してくるEAZA (そしてそのコーディネーター) とはあまり係りたくないということがあるようにも推察できます。 となれば、雌のコメタのパートナーはモスクワ動物園のムルマお母さんの息子で現在もまたノヴォシビルスク動物園に待機しているらしい幼年個体というのが候補にあがってくるでしょう。 この今回のコメタとナヌクの移動先には非常に注目すべきだろうと思います。
a0151913_215136.jpg
コメタとナヌク Photo(C)Anna Vavríková/MAFRA

私たちは今からこうした欧州のホッキョクグマ界の背後にある事情を注視しておかねばならないわけです。 これは札幌のララの子供たちの将来をいかにして切り開いてやるかということと間接的に関係があるわけです。 それは、イコロやキロルやアイラやマルルやポロロが実際に欧州に行くかどうかに関係する問題だからです。 本当にララの子供たちが実際に欧州に行くかどうかは別にして、欧州のホッキョクグマ界は日本のホッキョクグマ界が現在抱え、そしてこれからさらに抱えるであろう問題を先取りした形で示しているようにも思うからです。

(資料)
Brněnský deník (Nov.23 2013 - Kometa s Nanukem slaví rok. A na jaře se stěhují z Brna)
iDNES.cz (Nov.24 2013 - Brněnská medvíďata slavila první narozeniny, dostala dort z ryb)

(過去関連投稿)
チェコ・ブルノ動物園がコーラの出産に園の浮沈をかける ~ 食害の瞬間を映した貴重な映像記録の公開
チェコ・ブルノ動物園のコーラの出産準備万端 ~ 出産・成育成功の条件は?
チェコ・ブルノ動物園のコーラに出産間近の兆候! ~ モスクワ動物園担当者の助言を求め万全の体制へ
チェコ・ブルノ動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 24時間 産室内ライブ映像の配信開始
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、最初で最大の関門を乗り切るか? ~ 緊張のブルノ動物園
チェコ・ブルノ動物園の産室内ライブ映像に大きな反響 ~ 同動物園の映像配信サイトへのアクセス急増
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、元気に生後一週間が経過
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、順調に生後17日間が経過
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、順調に生後7週間目に突入
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、間もなく生後2ヶ月が経過へ
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんが生後2ヶ月を無事に経過 ~ 1976年の人工哺育事例について
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、元気に生後70日が経過
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さんに約4カ月振りに給餌が行われる
チェコ・ブルノ動物園で誕生した双子の赤ちゃん、生後三カ月が経過  ~ 前回5年前の映像を振り返る
チェコ・ブルノ動物園で双子の赤ちゃんの名前をインターネットで公募中
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、今週末から戸外へ ~ 日本のホッキョクグマ界との深い関係
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃんがコーラお母さんと共に待望の戸外へ! ~ 性別への憶測
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃん危機一髪! ~ 水に溺れかかりコーラお母さんに救出される
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんの性別判明 ~ 雄(オス)と雌(メス)!
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんが地元で大人気 ~ 週末は入園者が長蛇の列となる
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんの名前が決定 ~ 「コメタ」 と 「ナヌク」
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃん、コメタとナヌクの命名式が盛大に行われる
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんの一頭のナヌクが消化不良で一時体調を崩す
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんのナヌクが右前脚を負傷 ~ ブルノ動物園の抱く思惑への憶測
チェコ ・ ブルノ動物園の双子の赤ちゃんコメタとナヌクは順調に間もなく生後7か月が経過へ
チェコ ・ ブルノ動物園で誕生の双子、コメタとナヌクが順調に生後8か月が経過
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの人気で入園者数は好調 ~ 双子は1頭の場合より常に魅力的か?
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの性別の異なる双子の性格と行動を探る
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの双子の淡々として着実な成長 ~ 雌雄の双子に生じた体格差
by polarbearmaniac | 2013-11-29 02:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

アメリカ・トレド動物園のホー..
at 2017-09-26 10:00
ロシア北東部の内陸をさまよう..
at 2017-09-26 03:00
ウクライナ・ハリコフ動物園の..
at 2017-09-25 03:00
ロシア北東部サハ共和国で北極..
at 2017-09-23 22:00
ロシア・ペルミ動物園が間もな..
at 2017-09-23 00:30
大阪・天王寺動物園がゴーゴの..
at 2017-09-22 01:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2017-09-21 01:00
アメリカ・オレゴン動物園のノ..
at 2017-09-21 00:30
ピョートル(ロッシー)とクラ..
at 2017-09-20 06:00
ロシアのサーカス団の4頭のホ..
at 2017-09-20 00:30

以前の記事

2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag