街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園のムルマお母さんと息子の豪太との関係 ~ ミルクの運動神経は豪太の父のウムカ譲りか?

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ムルマお母さん (2013年10月3日撮影 於 モスクワ動物園)

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息子の豪太 (2014年1月25日撮影 於 男鹿水族館)

男鹿水族館のミルクの旅立ちの日が迫っています。 クルミお母さんとミルクとの関係は前回までの投稿で述べましたように非常に特殊な関係です。ミルクそのものは大変に個性的ではあるものの特異といった感じではありません。 しかしクルミお母さんの母親像は非常に特異であるがために、ミルクとの関係も非常に個性的になるわけです。

さて、そこで今度はミルクの父親である豪太について考えてみましょう。 豪太と豪太の母親との関係です。豪太の母親は今更ここで繰り返すまでもなくモスクワ動物園のムルマです。 このムルマお母さんの子育てについては、私は2010年の5月と7月にモスクワ動物園でじっくりと見ることができました。 以前に述べた私独自のホッキョクグマの母親のタイプ分類に従えば、私の見たところムルマお母さんは「情愛型」と「理性型」の中間に位置しており、若干「情愛型」の要素が強いかなといったところでした。 「対象関与型」 か 「対象非関与型」 かについてでは、後者の要素が強かったように思います。 しかし総じて言ってムルマお母さんは、いわゆる母親らしい母親、そして鷹揚で懐の深い母親といった印象を強く感じさせたのを覚えています。 このムルマお母さんの軌跡については過去関連投稿の「モスクワ動物園のムルマ」の5回の連続投稿をご参照下さい。 ムルマお母さんはシモーナお母さんと共にモスクワ動物園の二枚看板としての地位にある大物お母さんです。 ムルマとシモーナを比較してみますと、意外なことにムルマのほうがシモーナよりもやや神経質な一面があるように思いました。
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ムルマお母さん Photo(C)Комсомольская правда

さて、ではこのムルマお母さんが2003年11月26日に出産した息子の豪太にどう接していたか...これについては全く資料がありません。 ですから想像の域を出ないわけですが、彼女が2010年に見せてくれた子供たちへの扱いと基本的には同じだっただろうと考えます。 いずれにせよ、クルミお母さんのような母親ではなかったことは確実でしょう。 実はモスクワ動物園でムルマお母さんが息子の豪太と一緒に写っている映像が一つだけ存在しています。 それは豪太の誕生の翌年の2004年3月9日に、一人息子の豪太と共に産室から初めて戸外に登場した日の映像です。 これについては過去にもご紹介したことがありますが、それは音声のない映像のみで、今回再度ご紹介するのはその映像を使用したTVニュースの映像です。 音声はon にしていただきたく思います。 これは10年前の非常に貴重なニュース映像です。



この映像で見る限りではムルマお母さんは現在よりももっと「情愛型」としての要素が強かったのかもしれません。 しかしもっと長い時間観察してみないと確証は到底得られないように思います。 ただし、ムルマお母さんの神経質そうな性格はこの短い映像でも感じ取ることができます。

ホッキョクグマの父親は子育てに全く関与しませんが、しかし子供たちの性格には先天的に影響を与えているであろうことは間違いなく、そうするとミルクが父親の豪太から受け継いだ要素があるかどうかですが、私にはそれはあまり感じ取れないように思います。 むしろ豪太の父であるウムカ(ウンタイ)からミルクに受け継がれたものがあるように思っています。 それはウムカ(ウンタイ)の持っている、まるで体操の選手のような、そのしなやかな体の動きというような運動神経です。

さて、いろいろなことを考えているうちにまたモスクワ動物園に行きたくなってしまいました。 やはり日本のホッキョクグマと関係の深い個体が飼育されている動物園には親しみを感じてしまいます。 私は欧州のホッキョクグマよりもやはりロシアのホッキョクグマのほうに親しみを感じるのはそういった事情があるからでしょう。 豪太の両親に実際に会ってみると豪太に対する親しみをより一層感じるようになるわけです。

昨日撮った豪太の映像を一つだけご紹介しておきます。

豪太のおやつタイム

(資料)
ТВЦ (Mar.9 2004 - Семиной "московская мозаика". Стендап. Еще в ноябре белая медведица из московского зоопарка)
Комсомольская правда (Jan. 20 2014 - Тушканчики в холодильнике)

(過去関連投稿)
モスクワ動物園のムルマ(1) ~ 巨体の醸し出す貫禄 
モスクワ動物園のムルマ(2) ~ 鷹揚で懐の深い母性
モスクワ動物園のムルマ(3) ~ 初産、そして訪れた危機
モスクワ動物園のムルマ(4) ~ 危機の克服、そして豪太の誕生
モスクワ動物園のムルマ(5) ~ 豪太の日本への旅立ち
ウムカ (男鹿水族館・豪太の父)、悠々の水遊び
*ホッキョクグマの母親像
「情愛型」 と 「理性型」、「対象関与型」 と 「対象非関与型」 のそれぞれの母親像の違いを探る
クルミお母さんの母親像を再度考える ~ 「求心性」、「非求心性」の第三の座標軸から見えてくること
by polarbearmaniac | 2014-01-26 23:45 | Polarbearology

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